2-19 魔法とは
魔法を使うモンスターは大口と巨大ヒトデがいた。大口は集団で沼地にいるために戦いにくく潜って移動していることもあるためにごった水の中を接近されると危険だ。巨大ヒトデは綺麗な湖におりよく見れば水中にいるのも見えるだろうし、複数の魔法を使うようだ。それに形状的に湖岸より出てくることは無いだろうから逃走も楽そうだ。
そう決めると島付近の砂漠を掘りシェルターを作り長期滞在ができるようにする。水は湖岸のなるべく無いところから汲み上げればいいだろう。幸い豊富な水源にそれらを囲う木々、住むモンスターや小動物、食料には困らないだろう。もちろんその逆、食料にされてしまう率も高いだろうが。
だが、今後進んでいく上で魔法について知っておく必要性は極めて高い。近頃上がり難くなった身体能力、未知の魔法の脅威、上がる大型モンスターの遭遇率。このままでの前進は危険だ。
巨大ヒトデを観察、できれば確保し魔法に関する情報を集める。時間はかかるかもしれない、だがこの先死ぬ確率は減るし、何よりも魔法を使うのは浪漫である。非日常の極みもここまでこれば面白くなってきた。ヒトデに学ぶ人間、いっそ巨大ヒトデのことを先生と呼ぶことにしよう、何事も形から。これで勉学により一層励めそうだ。
ヒトデ先生の下へ通う日々、といっても木陰に隠れ湖岸のヒトデ先生の食事を観察しているだけだが。湖の水を飲みに来る生物は多い、その中で先生に襲われるのは僅かではあるが、先生が食事に困ることはないようだ。先生が満腹になった後は比較的安全にこちらも水が汲める。
先生は多彩な魔法を使う。もちろん先生は1人でなく複数湖に生息しているが、互いの縄張りを侵すことはしないようだ。魔法が使えるモンスター同士で誤射誤爆を防ぐためかもしれない。しかし手の先についている宝玉はそれぞれ異なる様で、橙・水色・緑・黄色の宝玉からそれぞれ魔法が放たれるようだ。
橙からは火を伴う爆発、水色はある程度の水を凍らせる、緑は不可視の衝撃弾、黄色は電流の魔法に対応しているらしい。
ヒトデ先生のオーラはその体内から宝玉を通過する。その過程でおそらくフィルターの用を果たしているのだろう、オーラは線のように濃縮され空間に3次元的に展開し紋様を形作り魔法が発現するようだ。
紋様とはいえそれは子供の落書きよりも乱雑でどうにも例えようの無い、書きなぐったようなものだ。しかしながら同じ宝玉から魔法が放たれる場合、何度でも同じ紋様が形成される。別のヒトデ先生の場合でも同じ色の宝玉で似たような色の魔法を使う場合は少し異なる部分はあるものの大部分は似たような形の紋様が形成され魔法が射出されていた。
さて、ならばこの紋様のとおりに自分も体内からオーラを出せば、こちらも魔法が使えるのではないか。
出張疲れで土日は寝たきり、外で暑くて疲れて・・・それでも明日からまた仕事が始まる。週休3日制とかにならないものか。まあムリですね・・・