2-8 汚話の続き、結晶砂漠の重さ
当然、砂漠に汚物を撒くこととなった。仕方の無いことだが。
紙代わりに手のひら大の葉っぱを手当たりしだい回収してきているが、以前の生活で偲ばれるのはこういう所だろう。恐らくこの世界で不思議と強化された体でなかったら、切れていたに違いない。かと言って拭かない訳にもいかない、人間であるからだ。
汚物は予想通り美しい結晶砂漠をおぞましく彩ることとなった。・・・半分は。
最初は体力が残っていたため、臭う汚物を埋めようと砂漠に穴を掘る事とした。ここでまず1つ大きな発見をすることとなる。
―――この砂漠の砂は重すぎる。シャベルを杖にするとき突き刺したり照明代わりに少し表面を持っていくことはあったが思えば掘り起こそうとしたのは初めてだ。近頃は島々の土や、岩さえも気軽に掘り起こし削ることもできるようになっていた。それはもはや一種の成長を測る定規のようなものとなっていた。
だがこの砂漠の結晶質の大地は、重い。まるでかつて自分の墓標を掘っていた時の土の重さだ。そんなに昔のことではないが懐かしく思いつつ、足を踏ん張り腰を落とし力を込める。当然漏れた。
落ち込んだ気分になり汚れた服を脱ぐとシャベルで掘った穴に残りの汚物をひり出し上から砂を被せる。最初に漏れてしまった部分には低いテンションでおざなりに砂を掛けた。
ようやく体調が回復し頭が回るようになってきた。周囲には汚物の光景が広がる、最悪だがもう見飽きて感覚が麻痺してきたかもしれない。だが冷静に観察をすれば、この砂漠について重要な情報を汚物から得ることができた。弱っているときはいかに思考が鈍るかよく分かる程の発見であった。
汚くてすいません・・・でももう少し汚話は続きますm(_ _)m