2-7 島々の影の汚話
サバイバルでティッシュやトイレットペーパーが無かったら・・・結構な恐怖だと思う。
一つ誓いを立てる。もう二度と緑のサボテンもどきは食べまい。サボテンもどきでなく腹下しとでも名付けよう。まさに名のとおり、多くは語るまい・・・とも言えない。
二日ほど続いた地獄の腹痛と下痢、しかしズボン等を膝下まで下ろした状態で襲われでもしたら動けない。
仕方なくズボンどころか下着まで脱いで槍を持って周囲を警戒していた。下半身を露にしながら槍を持つ男の姿。ほかの人間がいなくてよかった、あらぬ誤解を呼んでいただろう。
―――しかし案外開放感のあるものだ。異常であった行動も見咎められるものがいなければ誰が可笑しいと言うのか、否。誰もいまい。
もっとも急所や肌を常にさらして歩くのは単純に危険であろうが。
これだけなら単なる馬鹿話だ。だが奇しくもこの予想外の事態が大きな発見となるのだから人生万事塞翁が馬とはよく言ったものだ。
この砂漠は透明感溢れる結晶質なものでできている。歩くにもしっかり踏みしめることができむしろ島々の土よりも遥かに硬く、丈夫そうである。さて、この砂漠で用を足そうとしたらどうなるのか。
残るだろう。しかも透明感溢れる大地に囲まれ圧倒的存在感で、埋めても透けてみえることだろう、その茶色が。その存在感を想像するに恐ろしいことだ。故に今まで小は兎も角、大はほぼ必ずといっていいほど島々でしてきて、しっかりと埋めてきていたのだ。
だが今回はそうもいってられなかった。体調を崩しており臭いを撒き散らすのだ、島にいては弱っています襲うなら今です、とでも言っているようなもの。
仕方なく苦しみに耐えつつ僅かばかりの物資を集めて島よりはなれた砂漠で体調の回復を待つこととした。