始まり
001
私は、夏休み、私に出会った。竹野友里という、自分の存在を確かめた。
あって良かった。いや、あらなければならない出来事だったのだけれど。
あれが、無かったらと思うと、やりきれない。
だって、あの時から、私の生活のすべてが、変わってしまったのだから。
私の、最近のこと。あるいは、2年位前の事柄を話す前に。
5年前の、あの出来事から、聞いてもらおう。
001(2)
私立砂浜中学校高等学校。私の通う高校の名前だ。今は、高2の秋。5年前と言えば、中学校1年生。
ややこしいので、その時の時系列で、話を進めよう。
002
「おはよー。友里」
「おはよー。亜紀」
そんな普通の挨拶を交わしながら、登校する私達。
今は、8月。クラス全員の顔と名前を覚え、他のクラスに、友好の輪が広がっていく時期だ。
「あついねー。私なんか、今すぐ溶けちゃうんじゃないかって思うよ」
「だよねー。今日なんか特に、暑さ全開!ってかんじだよねー」
「そうそう」
「あ、そうだ!コンビ二でアイス食べて行こうよ!」
「買い食いは禁止だよ」
「そうだったっけ?」
私の買い食いのクセは、いつまでたっても直らないらしい。
亜紀が呆れた様な顔になった。
あと、言っておくと、亜紀は親友。消しゴムを拾ってあげた時に、友達になったんだっけ。
「昨日、先生が言ってたじゃん。”買い食いは禁止です。みんな、絶対にしない様に”って」
「えー。どうせ、誰も見てないでしょう?」
「後ろに先生が歩いてるのに、どうして気がつかないかなー」
「え?・・・うわっ!本当だ!」
後ろを先生が、普通にあるいていた。しきりに時計を気にしている。
あれ?時計?
「ヤバイよ、亜紀!遅刻、遅刻っ!」
「え?うそ?・・・って時間ヤバっ!走れー!!」
急いで下足へと駆け込む私と亜紀。
教室が、どんなことになってるかなんて、考えてもみなかった。
時間が無いので、いつも、これくらいの長さになってしまうと思うのですが、ご了承下さい。読んでいただき、ありがとうございます。