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寝落ちしてました。慣れない徹夜なんてやるもんじゃないですね。

 

フルカネルリだ。夏休みに入ったのだが、今年は例年よりも暑いな。

《暑いよネー。クトちゃんは大丈夫かナー?》

さあな。気になるなら見に行ってみるか? 今の時間ならば学校に居るだろうし。

《……いや、別にいいヨー。やろうとすれば普通に見えるしネー》

そうか。


この季節になるといつもの図書館に新刊が増える。最近はライトノベル系の本も増えてきたので娯楽には困らない。

……が、やはり異世界に居るときの身体能力に慣れてしまっているため、少々動きづらい。

『……仕方無いって、諦めた方がいいわよぉ……?』

そうだろうな。やれやれ。

………読み終わったら子供向けの本でも書くか。白兎にでも読ませてやるとしよう。

《またずいぶんといきなりだネー》

流石に家で異世界でやっていたような実験をしようとは思えない程度の常識的な思考能力は持ち合わせているのでな。

『……ふふふ……嘘おっしゃぃ……♪』

《キミを常識人扱いしたら苦情の一つ二つ来てもおかしくないヨー》

そうか? 私ほど常識的なものは白兎位しか居ないぞ?

《ご両親ハー!?》

あの二人は十分に非常識だろう。

それに高中教諭は非常識なまでに無口だし、校長、副校長、教頭の三人は邪神であり、人間としての常識が通用しづらいだろう。

……いや、教頭は確かにかなり常識に沿って行動しているが、身体能力的には十分非常識だ。

《……これは認めるしかないネー》

『……そうねぇ……』

……ちなみに、ナイアとアザギも十分に非常識だ。自覚してくれ。

《キミもネー》

『……瑠璃もよぉ……』


家に帰ってすぐに本を書き始める。練習用に軽く短いものは考えていたため、少し位ならば悩まずに書くことができる。

主人公は気が小さな山根の神。普通の山根と何ら変わらない生活を好み、争い事を嫌う優しい山の神。

ちなみに語尾を伸ばす癖は無い。

《それってボクへの当て付けかナー?》

いや? だが、私にとって神と言えばナイアであると言うのは疑うべくもない真実だ。

《……ありがトー》

どういたしまして。

さて、続きを書くとしようか。

平和が大好きな山の神。この神は最後に何を考えるのだろうか?

……まずは、名前を考えるとしよう。


作り終わった。が、あまり見せられた物ではなくなった。

ナイアに日本神話が実在する世界の妖獣から神になったものの話を聞いたのが悪かったのか、とてもとても子供に見せられるものではない物語になってしまった。

《……あっチャー……やりすぎだよこれハー……》

お前もそう思うか。

……まあ、いくつか抜粋して表現を柔らかくしてやればなんとかなるだろう。

………今度また異世界に行く事があったらこの話を神話として語り継がせてみるか。宗教に狂う馬鹿供は直接は見たことがないし、ちょうどいい。

《……知ってルー? そういう‘話が先に出来た’神様もいるんだヨー?》

ほう? そうなのか。

『……へぇ……面白そうな話ねぇ……わたしも混ぜてぇ……♪』

《いいヨー。で、話の続きなんだけどサー、そうやって出来た神様って存在が希薄なのが多いんダー》

それは話の情報のみで作られているため、世界に存在したという確固足る事実が存在しないからか?

《話が早いネー。例えば中世ぐらいの病気は呪いってことになってたでショー? その噂から魔女が生まれ、呪いをかけながら存在を消費していって、最後には消えちゃうってことが他の世界にはざらにあるんだヨー》

なるほど。致命傷はその病気が呪いではなく細菌によるものだと多くのものに認識されることか。

『……へぇ……そうやればぁ……作れるのねぇ……♪』

……ふむ。つまり、元々存在していた山根を神に変え、他のものが起こした事を山根の仕業だと多くのものに本気で信じ込ませればいいのだな?

《まあそうだネー。なんなら次に行く世界は魔法や魔物なんかがいる世界にしてみルー?》

…………その方が信じ込ませやすいか。

……ふむ。






フルカネルリが悩んでいるけど、フルカネルリの事を知って少しだけわかるようになってきた。

フルカネルリは魔法のある世界に行くことになる。

と言うか、行かせるヨー。

理由は簡単。フルカネルリなら魔法もちゃんと理解したいだろうし、魔法のある世界の生態系なども研究したいだろうからだ。あとボクもその方が楽しいシー。

フルカネルリは自覚していないけど、魔力も気も霊力も妖力もついでに神気も一杯持っている。成長速度が上がったまま異世界で数万年も生きていたのは伊達じゃないってことだネー。

ボク? ボクのは伊達だヨー(笑)

………さーてトー。フルカネルリが次に行く世界の選考でもしようかナー。



  道化を演じるのが大好きなナイアのお仕事。




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