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異世界編 1-4

 

異世界編は基本的に短いです。


 

フルカネルリだ。あれからしばらくして、ひとつの作品を作った。

《何かナー♪ 何なのかナー♪》

『……何かしらぁ……?』

上着だ。

《もっとためてヨー!》

必要ない。結局私が作った物は丈夫な上着なのだから。

《……ムー……そうなんだけどサー……》


私が見た新技術の中に、特殊な繊維に金属を吹き付けたという丈夫な布があった。

それを使い、新しく白衣を作ったのだが……一枚が異様に薄かったので何十枚か重ねて作ったら、理論上は直径一メートルの球体の隕石が十五Km/秒の速度で衝突してもなんとか形を保ったままであるという計算結果が出るような物になってしまった。

《なにそレー!?》

『……あらあらぁ……すごいわねぇ………♪』

まあな。

……ただし、この布は熱に弱く、燃えやすいという欠点があった。

そこで私は氷雨の服に刻まれていた術式を刻むことによってその弱点を解決したのだ。

《超科学と霊術のコラボはすごいネー》

いや、霊術だけではなく妖術も使っているぞ。

妖術で熱に弱い点を克服し、霊術でさらに布自体の耐久力を上げている。

それによって服だけならば核を撃たれても無傷という状態まで持っていくことができた。

現在の目標は、術式なしでこれと同等以上の物を作る事だ。

《ものすごい目標たててルー!?》

『………ふふふ……そぅ……頑張ってねぇ………♪』

ああ。言われずともやるとも。

さあ、研究のための道具も出来た。研究しよう。


ひたすらに研究と実験を繰り返し、気付いた時には既に十年が過ぎていた。

私は変わらないが、ハヴィラックは少し老いた。そうは言っても普通の人間よりもずっと遅いが、私よりは早い。

《フルカネルリは老いないようになってるからネー》

何度も聞いた。

……ふむ。この速度ならば後四百年で肉体年齢九十といった所か。

………よくもまあこれほど脳が持つように作ったものだ。

………………早めに次を作らせておくべきか。

「ハヴィラック」

「はい、フルカネルリ様」

私の後ろから声が上がる。

「お前が壊れた後の準備をしておけ」

「承りました」

ハヴィラックはそう言ってどこかに連絡をしている。



――フルカネルリ様より、命令。私の代わりを、製作しておけ、と。

――了解。素体はコールドスリープ状態にて、来る日まで。

――採用。



……なるほど。作ろうとすればすぐに作れるわけだな。

ただ、ある程度使えるようになり、その上で長く使えるようにするには短くとも三年はかけてゆっくりと成長させねばいけないようだ。

……よろしい。ならば私の次の目標は、ハヴィラックを作るときに必要な時間を一年まで縮めて見せよう。

《……うワー。もうこれで目標の数が三百いっちゃったヨー。……できるのかナー?》

やってみせよう。私はフルカネルリだ。



  自由に振る舞うフルカネルリ。



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