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異世界編 1-3

 

フルカネルリだ。ハヴィラックに頼んで集められるだけの情報を集めて貰った。

……ちなみに、私は十歳だと思われたらしく、十八禁や十五禁といったものは見せてもらえない。

《……なんと言うか、頑張ってネー》

頑張らせてもらおう。それに、どうせかなり長い間この世界に居ることになるのだから、このくらい待って見せるさ。

『………一番見たかった、知らない技術についてはぁ……普通に見ることができたものねぇ……』

そうだな。


キュルルル……という早回しの音がしそうなほどに高速で画面が上から下へ移り変わって行く。

しかし、それはけして早すぎるということはなく、むしろちょうどいいと言える速度だ。

いくつもの画面が同時に私の目の前に映し出され、滝のように文章化された情報が流れていく。

この他にも、脳に直接情報を焼き付ける方法もあるようだが……と言うより、そちらの方が主流であるようだが、私はあえてこのやり方を採用した。

理由は、私には解析の目があるため、こちらの方が細かいところまで理解しやすいということ。それに合わせてこちらの方が単純に早いということ。

最後に、そのやり方は気分が悪いという理由だ。

……ちなみに、最後の理由がかなり大きかったりする。

《我儘ダー!》

その通り。私は我儘だ。だが、こちらの方が早いのだし、別に構わないだろう?

《……まあ、なんだっていいけどネー》

『……ふふふ……♪』


ぶっ通しで流し読みを続けておよそ一月。ようやく私の欲しかった情報のほぼ全てが集まった。この世界に来てからというもの、食事も水も睡眠も、殆ど必要としない。

《言った通りだったでショー?》

そうだな。

……さて、見つけた設計図の中から作れそうなものを作るとするか。

………だが、その前にやることがあった。

「ハヴィラック!」

「はい、フルカネルリ様」

私が情報を集めろと言って以来、姿を見せなかったハヴィラックが当然のように扉から現れた。

「食事にするぞ」

そう。簡単に言うと、そろそろ食べておかなければ研究の途中で気を失ってしまいそうで勿体ない。

《もったいないってどんな理由サー!?》

『……そのままじゃぁ……ないかしらぁ………?』

作っているときの記憶を失うのは勿体無いし、そうなれば作っているときだからこその閃きも忘れてしまう。実に勿体無い。

《あーはいそうだネー》

『……そうよぉ……』

そうだぞ、ナイア。


食事はあまり多くはなかったが、私に合わせたかのような量だった。

《本当に合わせたんじゃないノー?》

恐らくその通りだろうな。

……ふむ。中々旨い。

これを人の手を離れて作ることができるようになる日が来るとは……。

《驚きだよネー》

《……ほんとにねぇ……あはははっ………♪》

ハヴィラックも私と同じように食べている。私とハヴィラックは体の作りが違うはずなのだが、何故かハヴィラックの方が私より参っていたように見えた。

……元々は一人で食べるはずだったこの食事にハヴィラックを同席させたのは、ハヴィラックが殆ど食べも休みもしていないように見えたからだ。

ハヴィラックに無理をさせて壊してしまってはいけない。まだまだしかりと役に立って貰わねば。

《ナチュラルに‘壊れる’って外道な事言ってルー!?》

そうか? 人も機械もいつか壊れるものだろう? 誰かが言っていたではないか。‘形あるものはいつか壊れる’と。

《‘崩れる’だった気がするんだけドー?》

そうだったか?

『……ふふふ……意味としては、同じようなものでしょぅ……?』

一理あるな。



  異世界での二回目の食事は一月後。




《一回目は三十分位だったのにネー》




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