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異世界編 1-1

異世界編の開幕です

 

フルカネルリだ。異世界に来て初めて見たものは、なんと六脚の機械だった。

『……へぇ……これ、すごいわねぇ……』

ああ、そうだな。


とりあえず解析。いきなりこの機械の名前やらスペックやらが頭のなかに流れ込んでくる。

……待て。製作日時が西暦一万二千年だと? どういう………ああ、そういうことか。

つまりこれは、前と同じ、時間旅行のようなものなのか。

《正確には違うけど、大体当たりだヨー》

やはりそうか。

……正確にはなんなのだ?

《簡単に言っちゃうとネー、もしかしたらあるのかもしれないあの世界から派生する未来のひとつだヨー。勿論異世界旅行だから、キミがいなかった場合のあの世界からの派生だけどネー》

そうか。おおよそ理解した。

……ところで、さっきから私のことを認識したまま動こうとしないこの機械はどうすればいい? 私としては解体して解析結果を直に見たいのだが。

《やらない方がいいと思うヨー》

そうか。仕方がないな。

機械に手を差し出して、術式を組みながら言う。

「私を、君達の所に連れていってくれないか?」

ウォン、と機械の腕が動き、私を抱えあげた。

「……了解。これより、第三機甲兵大隊、駐屯地へ向かいます」

……意外にも滑らかに話すのだな。外側から見て、こう言った機能はあまり期待していなかったのだが。

《超科学の産物だからネー。すごいヨー》

ああ、凄いな。

『……すごいわねぇ……♪』


なんと言うか、驚きだな。まさかこの大きさで、しかも私というイレギュラーまである状態で透明になって見せるとは。

……それに。

「どの程度で着く?」

あえて主語を抜いた文で、この機械に問い掛ける。

「一時間と、四十八分、三十三、秒です」

うむ、中々に柔らかな頭を持っているな。これ程のものを作り上げることができるように成るとは………人間の可能性は未知数だ。

《そりゃそうだヨー。そうじゃなかったら多分今までにどこかの神様が暇潰しに世界を潰して回ってるヨー》

……そんなことがあるのか。神とは誠に恐ろしく、そして素晴らしい。

………研究したい。

《……観察日記ぐらいなら、いいヨー》

言質は取ったぞ?

《……あれ、おかしいナー? 早まった気がしてならないのはどうしてかナー?》

実際にそうだからではないか?

……明日からナイアの観察日記をつけよう。ついでにアザギのも作ってしまおう。構わんな?

『……ふふふふ……いいわよぉ………?』

よし。

……さて、食事にするか。

《この状況でご飯にしようとするフルカネルリがわかんないヨー!?》



  異世界に来てもいつもと同じ



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