2-15
忘れてましたが、次の外伝は十万アクセスです。
フルカネルリだ。書き初め大会では三位で賞品の餅は三キロしかもらえなかった。笑ってやってくれ。
《全校で三位でショー、誰も責めないってバー》
おや、ナイアか。久々だな。
《そうだネー。はいこれお土産の蜂蜜酒。お酒は一億二千万歳になってからだヨー》
いや、この国では二十歳で飲酒が許されるぞ。
《……はっ!そういやそうだっター!》
『……第一、人間はそんなに生きられないわねぇ……ふふふふ…………♪』
そうだな。それは流石に無理そうだ。
豆まき大会だと聞いたのだが、鬼役は副校長と教頭がするらしい。何を考えているのかは知らないが、仲の良いことだ。
《ほんとは純情な女が鈍い男に近づきたいがための苦肉の策だったりしてネー》
そうなのか?
《実はそうだったりするのサー》
そうか。まあ、人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてどうこうと言うらしいから、私は何も言わんがな。
《それが良いヨー》
ところでナイア、質問があるのだが。
《何かナー?》
うむ。私の食べる豆の事だが、前世の分の年まで数えるべきだろうか? それとも今生の物だけを数えるべきだろうか? どちらが良いと思う?
《…うーん………今生のだけで良いんじゃないかナー?》
そうか。ならばそうしよう。
………うむ、美味い。
「るーりっ!」
「んむ? 白兎か。なんだ?」
白兎はにっこりと笑って私に豆を一粒差し出してきた。
「はい、あーん」
……つまり、白兎は私にこの豆を食べさせたいのか?
「……あ…ん」
まあ、別に構わないが。
……ふむ、やはり美味いな。
「美味しい?」
白兎が私に尋ねてくる。私の答えは当然肯定。ここで嘘をつく意味など全く無い。
「ああ、美味い」
「そっか♪ じゃあ……はい、あーん」
白兎はまた私に豆を差し出す。私もすぐにそれを食べた。
《仲が良いネー》
そうだな。私もそう思うよ。
《……アブホースも、少しくらい素直になってクトゥグアのやつにやってやれば良いのにネー》
……なんだ? もしかしてそのアブホースとか言う奴は好きな相手に好きと言えないのか?
《そうなんだよネー。見てるとバレバレなんだけど、認めようとしないんだよナー》
………なぜ好きな相手に好きだと言えないのだ?
《さあネー。恥ずかしいんじゃないノー?》
………………理解できないな。
《ボクもちょっとわかんないかナー》
そうか。
……ボクにはちょっとした秘密がある。誰にも言いたくない、所謂黒歴史と言うやつサー。
細かいやりかたは置いておくけど、簡単に言っちゃうと……ボクは姿を変えることができるんダー。
………ああ、別にこれが黒歴史って言う訳じゃないヨー。このくらいなら殆どの神ができることだしネー。クトゥグアやアブホース、ハスターにクトちゃんにイタクァだってできるサー。
……でも、ボクのそれは姿だけでなく、性別その他まで変えられる。これはボクだけの特技だったりするんダー。
他の神は姿形は変えることができても性別までは変えられないからネー。
結局何が言いたいかって言うとネー…………
アブホース。ごめんネー。
ってことサー。
わかんない? ならそれで良いヨー。多分いつかわかることだしネー。
なんらかの秘密を持っているナイアの黒歴史