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2-12

また投稿を始めようと思います。無駄に不意打ちして申し訳無いです

 

フルカネルリだ。初雪が降って白兎は外ではしゃいでいる。私は中で本を読んでいるがな。

《えー!何で外で遊ばないノー!?》

図書室に新しい本が入っていたので借りてきたからだ。外に持っていって濡らしてはまずいだろう?

《あー、確かにネー》

そうだろう?


外では白兎達が雪合戦をしている。校長が混ざっているように見えるのは気のせいではないだろう。

……あ、校長の頭に雪玉が。

「クトに何しやがんだゴルアァァァッ!」

「生徒にガンつけるなこのバカ!」

ゴヅッ!

「ってえぇぇ!」

……なんだ、いつも通りだな。

《そうだネー》

……さて、次だ。


その日の体育は何故か雪合戦になった。なんでも校長の提案という名の気まぐれらしい。

《クトちゃん何やってんのサー!?》

まだまだ子供だと言うことだろう。私よりずっと長生きな気もするが。

……いくつだ?

《えっとネー…四億二千万ぐらいかナー?》

かなり長生きだな。

《神様から見るとまだ子供だヨー》

そうか。

「瑠璃っ!」

ん? ああ、雪球か。

ひょい、と避けて手に持っていた雪球で反撃。相手の額に直撃し、倒れた。

……よし、盾になってもらおう。

《ド外道ダー!?ド外道がいるヨー!?》

ド外道? 何処だ?

《自覚ないノー!?》

無い。と言うか使えるものは最期の最後まで使ってこそだろう?

《最期? 今‘最期’って言わなかったター!?》

言ったがどうかしたか? 壊れようが死のうが最後まで使えるところは全て使いきるぞ私は。

生きていれば生きていたで使い方を変えて、できるだけ長く、できるだけ多くのことをやらせるように使い潰すが。

《フルカネルリって研究者より『職業:外道』の方が似合ってるような気がするヨー!》

……ナイアが何を思うかは自由だが、一応言わせてもらおう。

私は、研究者で、探求者で、学者なのだよ。

その過程で邪魔があるなら排除するし、欲しいものがあるならば解析して作り上げるか探すか奪い取る。

……まあ、奪うのは最終手段だが、どうしてもということになったならば躊躇はしない。

私が勝てないものは、私自身の知識欲だけだ。

…………ああ、ナイアにも勝てる気はしないな。

《……うーん………ありがとう?》

どういたしまして。






雪の影に隠れながら少しずつ移動する。相手はまだ気付いていない。

そう思った俺はすぐさまそいつの隠れているはずの雪の壁の横に出る。…………居た。

そいつはいつも通りに何を考えているのかわからない顔で手に持った雪玉を手の上でくるくると回して遊んでいた。

古鐘瑠璃。それがそいつの名前だ。

「瑠璃っ!」

俺が雪玉を投げようとした時に古鐘といつも一緒にいる春原が古鐘に呼び掛けて俺のことを教えたが、この距離なら絶対に外さない!

そう思いながら投げた雪玉は、俺の方を振り向いていた古鐘にあっさりと避けられた。

そして、俺の目の前には古鐘が投げた雪玉。

ゴッ、と音を立てて俺にぶつかった雪玉は、妙に固かった。


暗転


気付いた時には保健室で校長先生の隣のベッドの上にいた。どうやら俺は古鐘に気絶させられたらしい。

……ついでに最後まで盾にされ、何発も雪玉をぶつけられたらしく、色々な所が痛い。

……くっそぉ…………。



  凍った雪玉で気絶させられた上に盾として有効活用されたとあるクラスメイトの話



《ちなみに雪玉が凍ってたのは偶然だヨー。フルカネルリの手の熱で少し溶けてまた凍ってできただけだヨー。フルカネルリはそこまで外道でも鬼畜でもないヨー。……たぶんネー》


  それとナイアからの簡単な注意。



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