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異世界編 5-5

 

フルカネルリだ。地下二階では人工太陽を用意して擬似的な昼夜を作ってみたのだが、どうやらそれは正解だったようだ。

地下二階は大草原。雨も降れば風も吹き、魔物の巣のようにして使われている小さな岩山がいくつか存在している。


多数の小動物と草食動物が存在していて、それを狩る魔物も存在している。

狩りを行う魔物は、例えば獅子のような魔物や豹のような魔物。時々ハイエナのようなものまで盛り沢山だ。

それに合わせて草食動物も多数。水牛のようなもの、象のようなもの、馬のようなもの…………まるでアフリカのようだな。

モデルは『ライオンキング』だから当然なのだが。


ただ、ライオンキングとは違って狼が存在しているがな。狼は本当は山岳地帯の森に生息していることが多いのだが、地下二階の作成コンセプトは『獣』。故に問題は無い。

ちなみに地下一階のコンセプトは『自然魔導人形』だ。故に自然のままに放置している。


とは言っても、『獣』の中には神獣や魔獣、幻獣と言ったものは入らない。なぜなら『獣』は『ある程度以上知能の低い物』……この場合は人語を解するか否かで分けているのだが……を指している。先程挙げた三種は、ほぼ人語を解する程度の知識を持たせることに成功しているからだ。


そこで、この階層のボスモンスターは狼だ。それも、単体ではなく群。

あえて名をつけるならば『群狼の主』だろうな。ボスのみ漢字で名をつけてみようか。

とすると地下一階のボスは……『鬼岩人形』としておくか。

………やはり私はネーミングセンスが無いな。今更だが。


……そうだ、昼と夜ではボスを変えよう。『群狼の主』は夜のボスとして、昼のボスは『金獅子』でよかろう。

それぞれが最強の個体と最強の軍団を扱う化物共だ。ボスとしての役割を果たすには十分だろう。


ちなみに、狼達には僅かな地属性の加護を。金獅子にはそこそこの炎の加護を与えている。

大地の加護は怪我の回復と防御力を。炎の加護は攻撃力の上昇を期待できる。


本来なら狼には風の加護の方が良いのだろうが、戦闘方法の都合上、産めや増やせよができて成長も早い地属性の加護がいいと考えた訳だ。


……まあ、実際はそんなものは必要ないのだが。人が居なくなればボス部屋の中のモンスターだけは復活するようになっているのだから。


だがここで重要なものは、ボスモンスターそのものではなくそれに付き従う獣達の方だ。防御力と回復力に効果のある大地の加護があれば戦闘継続時間が延び、そして戦闘時間が延びれば相手の疲労を呼び、そして疲労から相手がミスをする可能性も高くなる。

正直なところ、私はこれらの作品を道具としか見ていないためにそんな真似ができるわけだが……まあ、私らしくてよかろう。


なお、金獅子の方には炎の加護があり、攻撃力に大きくプラスになっている。


……そうだ、どうせなら昼と夜の変わり目、夕方と朝方には群狼の主と金獅子と、両方を同時に出現させるか。それも、連携は完全な状態にして。

恐らく勝つのは難しいだろうが、それでも勝てないことはないだろうし、一応このときだけは逃げられるようにしておこう。

それでもし群狼の主も金獅子も殺されたら、暫く扉を守る存在がいなくなってしまうな。


……そんな時のためだけに、亀の魔物を用意しておこう。防御能力にのみあり得ないほどの適性を持たせ、復活までの時間を稼ぐようにすればいい。

それは精々1日程度だろうし、できないことはないはずだ。

攻撃はしてこないが、まるっきり破壊不能オブジェクトのようなモンスターを作って見せよう。科学者であり錬金術師でもあるこの身にかけて。


《かけてなくてもやるんだロー?》


無論だ。やらない理由が無い。いつか作った私自身ですら破壊できない甲羅をもった生命体を作ってみたいものだ。

目標はナイアだが……私が死ぬまで生き続けていても追い付ける気がしないな。


《ボクだって成長してるからネー。成長力の上昇はフルカネルリの特権じゃないんだヨー》


そうだな。私の成長率の補正もナイアのお陰だし、私の専売特許では無いだろうよ。

だが、私は見果てぬ謎を追い求め、解明するために真理の探求者たる錬金術師となったのだ。その見果てぬ夢の終着点の一つとして、ナイアを設定しているだけだ。その程度は笑って許してくれ?


《別にいいヨー。ボクはフルカネルリになら殺されたって笑って受け入れちゃうと思うシー》

『……わたしもぉ……殺されるならぁ……相手は瑠璃がいいわねぇ………うふふふふふ…………♪』


やれやれ、愛が重いとはこの事か? 潰れてしまいそうだよ。


まあ、嘘だが。





  研究パートその2



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