2-11
色々ありましたが大丈夫なようです。でもやっぱりばあちゃんは死んじゃってますけど。
と、言うわけで不意打ち更新行ってみましょうかそうしましょうか。
金曜に葬儀です。
フルカネルリだ。文化祭はいいのだが何故かやることになった演劇で私がヒロインのシンデレラをやることになりそうだ。冗談じゃない。
《可愛いと思うんだけどナー?》
五月蝿い、大量の蚊に全身から血を吸い尽くされて死ね。
《想像するだけで痒いんだけドー!?》
五月蝿いと言っている、おろしがねで手の指先から腕、肩、胸、そして全身全て削られて死ね。
《今度はやたら痛そうなのが来たヨー!?》
仕方ないだろう、私は今追い詰められているのだから。
始まりはクラスで演劇をやることになったところまで遡る。
私は基本的に何でもよかったのだが、どうしても女らしい服を着るのだけは嫌なのだ。
だが、誰が言ったか私はあれよあれよという間にシンデレラの役を押し付けられた。
「なあ白兎。私は女らしい格好をするのが嫌だと言ったよな? なのになぜこんなことになっている?」
「えー、私も瑠璃のかわいい服を見てみたいなーって」
おお白兎、お前もか。お前も敵か。
………まったく。
「今月は休む日が多くなりそうだ」
「文化祭まで休み続ける気だー!」
「何の話かよくわかるな」
「わかる方なんだ!?」
それはもう。スカートなど履いてたまるか。
「……どうしてもだめ?」
頑なに拒み続ける私に白兎はうるうるとした目を向けてくるが、
「だめだ」
私は当然却下する。前世で色々と苦労したせいだが、私にこのような情に訴えるやり方は通用しない。特にそれが私の嫌なことなら尚更だ。
「……そっかぁ……そんなに嫌なら、しょうがないよね……」
こうして私はスカートを履かない役を貰うことになったのだった。
結局シンデレラの役は白兎がやることになった。
私か? 私は人気が無かった司会だ。
文句を覚えて台本なしで言えるようにした。このぐらいならば片手間で出来るさ。
あと、何故か服は道化師のような服だ。これが不人気の原因だったような気もするが、私にとってそれはスカートよりずっといい。
それと、この学校の文化祭は外からも人が来るのだが、そのなかには当然私の父と母も居た。
父は父で私を写真に納め続けているし、母は母で私を影からずっと見ている。
「……ねえ」
「言うな。わかっているから言うな」
流石の白兎も少し引いていた。まあ、仕方ないな。あれはな。うむ。
ちなみに文化祭の時のみだが仮装も許されているので私は司会の格好のままだ。
そんなわけで私と、私と一緒にいる白兎はこの文化祭の中でかなり目立っていたと思う。
……校長達ほどではないが。
何故かと言えば、生徒たちに仮装を許可した理由は、校長が仮装したいと言い出したからだそうで、仮装を許可してからというもの校長は毎年毎年かなり凄い仮装をしているからだ。今年は翼が三対ある天使らしい。重くないのだろうか?
「……きゅう」
「クトぉぉおぉぉっ!!」
「うるっさい!叫んでる暇があるならクトちゃんを保健室に連れていきなさい!」
……どうやら重かったらしく校長は倒れて目を回してしまった。そしていつも通りの副校長と教頭の口喧嘩が始まった。
……元気なことだ。
若いって良いネー。
ボクはフルカネルリと白兎ちゃんが一緒に歩いているところを見ながらそう思う。
……いや、ボクはそんな年寄りじゃないヨー? まだ五億年ぐらいしか生きてないから年寄りじゃないヨー。まだまだ若いヨー。
……うん、きっとネー…………。
……おっと、フルカネルリの方を見てなくちゃネー。人間はほっとくといきなり凄い早さでなにかをしだすから気を付けなくちゃナー。
……ってクトちゃん!? 何着てんのサー!?
そんなの着てたら倒れちゃうヨー!
「……きゅう」
遅かったぁああぁぁぁっ!?
…………ま、まあクトゥグアかアブホースがなんとかするよネー?
心配性なナイアには文化祭とは心配事増幅機……かもしれないという話