表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
307/327

異世界編 5-2

 

フルカネルリだ。私がこの世界で始めに作った魔物は、一階の洞窟に普通に生息していた野生のコウモリを改造して作った巨大コウモリと、洞窟の側に生えていた薬草と毒草を煎じて抽出し、魔力を持たせて半生物としたスライム。どちらもまっすぐ『ジャイアントバット』と『メディカルスライム』と名前をつけた。

ジャイアントバットの方には飛行以外に大した能力は無いが、メディカルスライムの方には体内に取り込んだ相手から魔力を貰う代わりに体力や傷を回復させるという効果を持たせることに成功した。

だが、あまり効果は高くはないし、治す時には傷口どころか全身を覆わなければならないのであまり有効ではない。呼吸はできるのだが、酸素の供給量が今一なのかぼんやりとするようだ。

メディカルスライムは一度取り込んだ相手の傷を全て癒すが、その間は大抵夢すら見ない深い眠りに落ちてしまう。


……ちなみにこれらの効果は、全て私のクローンによってもたらされた成果だったりする。

だが、やはり意識を失う理由は…………待てよ? 魔力を奪って傷を治す………なるほど。魔力を引きずり出されるのが原因か。


ちなみにこのメディカルスライムは、生物系のモンスターの居る階には大概配置する予定だ。効果が高い薬草からスライムを作れるようになれば、そちらに変えることもあるだろうがな。

もしもこれ以下の物しかなければ、メディカルスライムの代わりにメディカルスライムより効果の低いヒールスライムでも作って入れ替えるつもりだが。


あと、聞いていてわかるだろうがメディカルスライムは基本的に回復くらいしかできない。恐らくメディカルスライムは魔物の診療所のような扱いになるだろうな。


……さて、まともに戦うための魔物を作るか。

自然に存在するものと言えば、動植物。洞窟の中に存在するのは………蝙蝠と虫と精々鼠。植物に限定するならば主に苔。かなり選択肢が狭くなるが、それは地下でいくらでもやればいい。

とにかく今は洞窟に自然と生息することができる魔物を作ることが先決だ。ある程度以上の自然のバランスがとれるようになったら、後は放置するとしよう。


……ああ、せっかくダンジョンを作るのだから、ボスが存在してしかるべきだな。

とは言えあまり強すぎてもいかんし……。


《……かなり強い方がいいと思うヨー? 洞窟の周りの魔物たちの平均レベルは500くらいだからネー。ここまで来れること自体が凄いことだヨー》


つまり、この世界の人間達はここには来ることは殆ど無いと。そう言うことか?


《ぶっちゃけその通りだネー》


…………そうか。残念極まりない。

しかし、それならそれでモンスターの強さに殆ど制限は必要ないな。取り敢えず平均レベルを550程度まで上げてやればいいだろう。取り敢えず、一階降りていく度に少しずつ全体のレベルを上げていくとしよう。ボスだけはさらに一回り強くしてやればそれでバランスが取れるだろう。

ゲームバランス? 知ったことではないな。


それと、階層は私の意思次第で増減するし、形も内装も思うがまま。空間を歪めているから物理的におかしい道も作れるし、罠や無限の迷路も作り放題。なにより実験場の広さが実質無限大と言うのが嬉しい。


さて、それはそうと早めに洞窟ダンジョンだけでも生態系を確立させてしまわなければな。そうしなければ地下の草原や森、墓場や岩窟等に力を入れることができなくなってしまう。

その後は工場や山岳、渓谷、砂漠、海辺に海底に湖等々作りたいものはいくらでもある。

溶岩地帯や氷河、月面等も面白そうだが……流石に月面には空気を用意しなければな。

かなり薄くはなるだろうが、一応慣れれば普通に生活できる程度の濃度は保っておこう。


それに、外にはあまりいない魔物を用意する必要があるな。強大になればなるほど餌も多く必要になることが多いし、階層が低くなればなるほど広くする必要が出てくる。


……やれやれ、楽しいしやりがいもあるが、中々に苦労するな。

最終的にどこもかしこも大きめの島くらいの広さが必要になるかもしれん。その辺りもしかりと考えておかねばな。


……最強種にはあえてスライムを当ててみるか? 進化の方向性の多様さは群を抜いているからな。流石はほぼ単細胞生物、進化するために存在しているような在り方だ。

火に耐性を持たせるも氷に耐性を持たせるも自由。空を飛べるようにしたり極強酸性にしたり、細菌のように分裂させてみたり………ああ、実に楽しそうだ。


そういう訳で、スライムの研究を深めよう。最下層はドラゴン族に統一しようと思っていたが、ドラゴンは最下層の一つ前に変える。

その頃になればレベルの平均は1500近くなっているだろうが、人数が集まれば勝てないことは無いだろう。


《ちなみにプレイヤーの最大レベルは1000だヨー?》


問題ない。MMOなのだから、パーティを組めばその程度は大したことはないだろう。

さあ、研究だ。創造だ。この世の神に喧嘩を売ろう。


《がんばレー!》

『……ふふふふふ………頑張ってねぇ……♪』


うむ。





  異世界で神に喧嘩を売る率が極高。



 

プレイヤーのレベルキャップは外されていくのが道理(意訳:この迷宮はまだまだ強くなるよ)。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ