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2-10

約束通り

 

フルカネルリだ。九月に入ったのだが何故か給食がかなり豪華だ。何がどうなっているのだろうか?

《秋は美味しいものが一杯の実りの季節だヨー!》

……まさか、それが理由か?

《クトちゃんならたぶんそう考えるヨー》

そうか。邪神の考えることはよくわからんな。

《他人がなにやるかだってわかんないでショー? それと同じサー》

なるほど。つまり気分次第と言うことか。

《そういうことだネー》


体力測定ではかなり手を抜いたため、私はあまり大変そうなものには出なくてすむようだ。

《あ、運動会の話ネー。何に出るのかナー?》

私としてはどれでもよかったのだが、どうやら50m走に出ることになっているようだ。

《ヘー、そうなんダー》

ああ。

……ちなみに、優勝したクラス全てに山菜が送られるそうだ。

《山菜!?》

山菜。

《何で山菜!? 何がどうなって山菜になったノー!?》

知らん。私に聞くな。

とりあえず私は賞品で母に旨い料理を作ってもらいたいのでそれなりに本気でやるつもりだ。

……そう言えば、異世界旅行中は自分で食事を作らねばならないな。軽く基本だけでも母に習っておくべきか。

《その方がいいと思うヨー》

そうか。

さて、私の出番だ。走ってくるか。


この体になってから久しぶりに全速力で走った。中々に早く走れたと思う。

《一着オメデトー》

頭の片隅でクラッカーが弾けたような軽い音がした。ナイアがなにかやったのだろう、前回より頭に響かない。

《改造してあんまりうるさくないようにしてみたヨー!》

よくやってくれた。

このあとで私が出なければいけないものは……応援合戦と、玉入れか?

………やるだけやるとしよう。私一人で勝負が決まるとは思えないが、少しでも有利にもってゆく事ぐらいはできるだろう。

《フレー、フレー、フルカネルリー》

『……頑張ってねぇ……うふふ……♪』

アザギか。朝はどこにいた?

『……寝てたわよぉ……寝坊しちゃったぁ……』

《それでもキミほんとに幽霊なノー!?》

さあな。本人に聞いてみたらどうだ?

『……ふふふ……さあねぇ……?』

……だ、そうだ。

《答えになってないヨー!?》

そうだな。

『……そうねぇ…うふふ………♪』

《わーん!ボケ潰しが二人に増えたヨー!》

ナイアも大変だな。

『……何があったのかしらねぇ……?』

《しかも一人わざとダー!》

まあ落ち着け。アザギは一体であって一人ではないぞ。

《フルカネルリは注意するとこがおかしいってバー!》

そうなのか?

《そうだヨー》

そうなのか。






フルカネルリの活躍もあってフルカネルリのクラスは優勝することができた。

……玉入れで入った玉の数=得点って言うのはすごかったネー。フルカネルリなんて拾っては投げ拾っては投げをどんな速度でやったのかは知らないけど一人で八十個は入れてたしネー。

そしてその日のフルカネルリの晩御飯は山菜尽くし。山菜のお吸い物や山菜の揚げ物。山菜サラダに山菜炒め。さらに山菜の擂り下ろしを使って作ったらしい山菜のデザート。

……正直言って美味しいのか疑問に思うのもあったけど、フルカネルリ達は美味しそうに食べてたヨー。ボクもちょっと食べてみたいような食べたくないようナー…………。

……いや、やっぱりいらないヤー。なんというかこう…………怖いかラー。

それに、ご飯だったら自分で作れるしネー。これでも昔クトちゃんに料理を教えたことがあったんだヨー?

最近はフルカネルリの方ばっかり見てて全然食べてなかったけドー、たまにはいいかナー。

……別に食べなくたって死んだりしないけど、美味しいものを美味しく食べたいって思うのは人間も神様もおんなじだと思うんだよネー。


  食べないときは百年単位で食べないが食べるときは百トン単位で食べるナイアの夕食 (結構久しぶり)


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