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結構お待ちいただいている方がおられるようなので、頑張って投稿再開してみます。また止まったら『またかよ~((笑))』と嘲笑ってやってください。
なお、毎日更新は現状難しいと言わざるを得ない状況ですので、二日か三日に一度の更新とさせていただきます。
『フルカネルリさんの転生苦労日記』を楽しみにしてくださった方々に、心からの感謝を。そして、よろしければ是非これからも『フルカネルリさん』をよろしくお願いします。
フルカネルリだ。異世界からの帰還後すぐに、あの世界から持ってきた研究材料及び実験動物を全て一つの箱に封印した。あの中で私の分体が研究を続け、その報告書を上げてくるだろう。
こちらからの新しい知識の話は、同じように書類で送り届ける。そうしておけばまたどんどん報告書が上がってくるだろう。
《戻って早々外道だネー?》
そうだな。鬼畜外道極まったな。
《極めてはないと思うヨー》
それはよかった。
『……なにがいいのかしらねぇ……? あははは………♪』
梅雨明けの空は雲一つ無い快晴が多い。それはつまり、クトゥグアのテンションが高くなりすぎて暴走する可能性が高いと言うことを示している。
そういった場合は大抵クトかアブホースに制圧されるのだが、時にはタイミングが悪くてなかなか制圧に来れないことがある。
そんな時にはクラス全員が無言のまま机の下に身を潜め、各自が安全を確保している状態を大前提として気の向くままに行動する。
今回、私は机の下で携帯型パーソナルコンピューターを弄っている。画面は空間投影で、タッチパネル機能も搭載している。キーボードも空間投影型タッチパネル方式で、値段は29800円。お買い得商品として町の電気屋で販売されていた。
一度の充電で三週間の連続稼働を記録し、処理速度も相当早い。画質も良いし容量も3ペタバイトある。明らかに町の外とは一線を画する性能だ。
……なお、この商品の企画と設計には『フルリ』と言う名前の科学者が関わっているそうだ。
《フルカネルリじゃんカー》
その通りだが、どうかしたか?
それと、特許も取ってある。複製しようとすると呼吸困難にかかる呪いをかけておいたら、主に中国で大規模な原因不明の呼吸困難の傷病者が出ているとテレビのニュースで話題になっていた。
……やはり、偽物対策は大切だな。どこがどうやって持っていったかすぐわかる。
この町の外ではあまり売られてはいないのだが、本当にどこからでもネズミと言うものは忍び込んでくるんだな。鬱陶しいことこの上ないが………まあ、この町の警察組織は優秀で、この町に来た外来人がどこの店で何を買ってどんな犯罪をしてどこに戻るのか、その全てを理解しているので追跡は苦労しないと言うのが良かったところだな。
どこぞの国の射ち上げた軍事衛星とは別口の衛星でそれらを監視し、何かしらの反応を見せる。
その反応とは良いものから悪いものまで様々で、良いものならば名前と顔写真を記録されるだけで済み、悪いと何らかの報復行為が行われる。
……酷い時は、その場所で偶然ガス爆発が起きて幾人も死人が出たり、偶然ガス漏れ事故が起きて中毒で死人が出たりもするらしいが…………私は一切関わっていないぞ?
ただ、カザーネラと言う人物が関わっているらしいが…………。
《だからフルカネルリじゃんカー》
はてさて、なんの話やら?
『……ふふふ……♪ ………わざとらしいわねぇ……♪』
毎年何度かある、クトゥグア先生の晴れの日………と言うか、晴れすぎて紫外線が大量に降り注ぐ感じの日がやってきた。
危ないってことがよくわかっているので、クラスのみんなは申し合わせたかのように机の下に隠れている。
クトゥグア先生は、そんな私達に一切の興味を見せないほど浮かれていた(それはつまり、いつものこと)けれど、頭の上をびゅんびゅん何かが飛んでいっている今の状態は怖くて怖くて仕方無い。
いつもならクト先生やアブホース先生がすぐにやって来てクトゥグア先生を『修理』するんだけど……今日は遅いなぁ?
そう思いながら最近発売された新型の携帯式空間投影型タッチパネル方式のパソコンを弄る。テンションが上がりすぎているクトゥグア先生は、周りがあんまり見えなくなる上におおらかになるから、このくらいのことは普通に見逃してくれるんだよね。
そう考えながら、手元の携帯(間違ってるとは言わせない)で最近流行りのネットゲームにアクセスして、適当に狩りから武具防具を作る作業を開始する。
完全非課金制、レベル&スキル型のMMOなのに、非常識なこの町のなかでもさらに非常識と言われるほど完成度の高いこのゲームは、この町の外でも流行している。
どう考えても採算が取れていないから、どこかのお金持ちが適当に作ったんだろうと言われているこのゲームだけど、製作者の名前は公開されている。
その人の名前はカザーネラ。どう考えても天才で、どう考えても色んな所がおかしい人。
非常に娯楽に飢えているとか、実はドSでクリアのために躍起になっているプレイヤーを見てゾクゾクするのが日課だとか、この携帯から私たちの脳波を読みとって実験しているとか色んな噂がある人だけど、多分怖い人じゃあ無いと思います。
……だって、なんとなく瑠璃とおんなじ臭いがするからね。
なんだか確信に踏みいった白兎
「さっさと目を覚ませこのバカっ!」
「ぶばらっ!?」
……あ、アブホース先生が来た。