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2-9

 

なんかばあちゃんが死んだらしい。よって少し休みます。

明日の分は今日の3時に更新するので許してくださいな。

 

フルカネルリだ。夏休みがもうすぐ終わると言うところで白兎が私に泣きついてきた。

《白兎ちゃんは宿題が終わらなさそうな目でフルカネルリを見ていルー。助けてあげルー?》

まあ、助けても別に私は困らないな。


図書館に全ての終わっていない宿題を持ってくるように言ったのだが、自由研究以外全ての宿題を持ってきた。

「……白兎?」

「うぅ……ごめん……タスケテ……」

…………まったく、仕方のないやつだ。

「……自由研究以外は写してかまわん」

「わーい!ありがと瑠璃えもん!」

瑠璃えもん? 私は古鐘瑠璃だが?

《ボケ潰しが出ター!》

ナイア、ここは図書館だ。静かにしろ。

《あ、うん、ごめんネー》

よろしい。

《……ってボクの声が外に聞こえるわけないじゃんカー!》

『……聞こえてるわよぉ…………?』

おや、どうしたのだアザギ?

《まずこいつにボクの声が聞こえてることにツッコミいれてヨー!》

そんなことをしたところで得るものなどほとんどないだろうが。それならば受け入れて話を聞いた方が有意義だ。

『……うふふふ……瑠璃は頭がいいわねぇ……』

そうか? まあ、ありがとう。

私とアザギとナイアの三人で話をしていたのだが、途中で近寄ってきた白兎が言った

「……なんか瑠璃の周りがあり得ないぐらい寒いんだけど……」

 という言葉に一時中断することになった。

これからアザギは私に付いてくるようにしたらしく、気付いた時にはすでに私の左肩の上を占領していた。

……重いのだが。

『……あらそう? じゃあ……』

そう言ってアザギがなにかをすると、アザギの体の重みが消えた。どうやら浮いているらしい。

……ふむ。どのようにして浮いているのか、非常に興味がある。

『……私達幽霊の体はねぇ……実は物理現象より意思力の方が優先されるのよぉ……』

……………大雑把に理解した。それはとても面白そうな存在だな。研究のしがいがありそうだ。

『……あらぁ、私研究されちゃうわぁ……♪』

《何で楽しそうなノー!?》

私は楽しいぞ?

『……私はねぇ……ふふふ……秘密よぉ……ふふふふ……♪』

そうか。いつかその存在を完璧に理解してやる。

『……あらあらぁ……? ……うふふ、頑張ってねぇ……?』

頑張らせてもらおうか。

ちなみに白兎は私の家に泊まって宿題を終わらせた。

よく頑張ったな。






夏休みに入ってから遊びすぎて宿題をやるのを忘れてた事に気付いたのは八月の半ばを過ぎてもうすぐ夏休みが終わってしまう頃になってからだった。

急いで宿題を片付けようとするけれど、このままじゃ絶対に間に合わない。

そんなときに、瑠璃の顔が思い浮かんだ。……そうだ、瑠璃なら…………。

すぐに瑠璃の家に電話をかけて宿題が終わっているか聞いてみると、全部終わってるって言ってたので、お願いしたら図書館に必要なものを持ってくれば写しても良いっていってくれた。

私は終わっていない宿題――まあ、全部――を持って図書館に行った。

…………瑠璃はため息をついて私を見たけど、仕方ないな、という顔で写させてくれた。

やっぱり瑠璃って優しいよね。ちょっと分かりにくいけど。

そうしているうちに不思議なことが起きた。

なぜか瑠璃に近付くととても寒くなる。

それを瑠璃に言ってみると瑠璃は少し考えて、それからなにかに気付いたように納得の表情を浮かべた。

「ふむ、すまないな。それはおそらくこの者のせいだ。……見えるか?」

瑠璃はこの者、と言った時に自分の肩の上を指差した。

…………え、ごめんそこなにか居たりするの?

私が混乱していると瑠璃はいつも通りの目を少しだけ細めて言った。

「……ああ、白兎は‘見えない’人か。何でもない……気になるなら私の家に場所を移すか?」

……色々ツッコミたいことはあったけど、今の私にそれはかなりどうでもいいこと。すぐに頷いて道具を片付ける。

…………結局その日は半分徹夜で次の日に凄くお昼寝しちゃったけど。

…えーと、瑠璃は温かかったです!



  小学一年にして夏休みの宿題をギリギリに片付ける行動に出た白兎の思い出。


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