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異世界編 4-12

 

欠陥大魔法使いとしての人生を歩み始めてから一年半。欠陥大魔法使いの二つ名は、もうかなり有名になってしまった。

そのお陰でヒーローズからも声がかかったし、就職のことはほとんど考えなくてもいいという幸せな状態になっている。

これもみんなフルリ先生のお陰だと思うと、本格的に足を向けて寝れないな。


それと、二年生になってからは魔法の腕だけではなく、銃や剣と言った物の扱いも覚えることになったし、体を動かすこともしっかりやるようになった。

こうしていないとすぐに殺されてしまうと言うのもわかるし、必要なことだと言うのもわかってるけど……やっぱり辛い。

そんな中でも浩二は持ち前の馬鹿正直さを発揮してずっと頑張り続けている。

それを見ていると、僕も頑張らないとって言う気分になる。実際、頑張らないとヒーローズではやっていけないみたいだしね。


僕の夢は、ヒーローズに入って家族を守ること。そのためにも、僕はがんばって両立させないと!




結構簡単にできた。魔力を使った身体強化をすれば、大体のことはできてしまう。

ただし、魔法物理法則を無視した動きや、人間の関節を考慮しない動きはちょっと無理。

正確に言うと、後者はできないことは無いけど痛いしきついし後に響くからやだ。


力押しの戦法だけど、僕にとって体術は逃げるための方法であり、防御のための鎧であるだけだから別にいいんだけどね。

攻撃は大体魔法でどうにかなるし、そのための時間稼ぎくらいにしか使わないんだよね。


やるけど!


「あ、やるんだ? あんなに文句言ってたのに」

「僕はそのくらいしか使わないと思うってだけで、文句は言ってない」


必要になるときが来るかもしれないしね。




カザーネラ式の魔法具を使っての戦闘訓練中。それまでの『剣の先から魔力の刃を伸ばす』とか『魔力の刃を飛ばす』っていう個人の錬度で威力が天と地ほどに変わる物じゃなく、誰が使っても一定の威力が出るかわりに上手い人が使ってもあまり威力が上昇しない魔法銃を使う。

これに魔力を込めれば勝手に弾を形成してくれるから、あとは引き金を引くだけで撃てる。


……カザーネラは、どうやってこんなものを考え付いて、どんな実験を重ねてこんなものを作り上げたのかはわからないけど………流石は近代魔法科学の祖ってことなのかな。

正確には、これを完成させたから近代魔法科学の祖って呼ばれるようになったんだけど。


ちなみに、カザーネラが作った道具にはお茶目なものが多いことも知られている。

例えば、わざわざする意味もないのに杖型にしてある銃とか、意味もなく本の形をしている……と思ったら開いているページによって効果が少しずつ変わる魔法具とか、扇子型にしてあって扇ぐと温度の違う風が出る魔法具とか、少し弄ると先端がドリルになる杖型魔法具とか……。


どれもこれも魔法具としては一級品だけれど、その見た目や異様に細かい細工によって笑いもとれるという、実に無駄な機能つき。

その他にも、持ち方を変えるとダウンジングができる二丁セットの拳銃とか、刀身の横の部分に蓋があって、無料で電話を掛けられるナイフ(手を切りそうで危ないし、ついでに端から見てるとナイフに話しかける危ない人に見られてしまう)とか、そういうのばっかりだけど。


……確かにどれも便利だけど、必要ない機能というか……むしろなくてもいい機能が一杯で、カザーネラの魔法具は当たり外れが激しいことでも有名だったりする。

ただ、当たりの性能が凄いので誰もが目を離すことができないのだ。

……これも一つの特化した才能なんだと思う。無駄遣いな気もするけど。


「それ、欠陥大魔法使いが言っていい言葉じゃないと思う」

「そうだよな。極大魔法特化の欠陥大魔法使いが」

「うるさいよ」


自覚はあるってば。





  ここでも理不尽フルカネルリ。




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