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異世界編 4-2

 

フルカネルリだ。脅迫と洗脳を繰り返し、この世界の戸籍を手に入れた。これである程度表で動けるようになったのだが、この世界の常識が私には無い。


《困ったネー?》


ああ。かなりな。

だが、当然解決策も用意してある。わからなければ学べばいいのだ。


そういうことで、私は人通りの多い所に立って人混みを観察している。

常識を得るために頭の中身までを細かく読み込むと、なかなか面白い状態になっているようだった。


魔法は使える者と使えない者に分けられ、使える者は魔法系統の職場で多少優遇される。

とは言っても世界全体が魔法主義と言うわけではなく、技能の一つとして見られているようだ。


もちろん魔法主義の人間もいれば、そんなものが無くとも生きるのには困らないと言う者もいる。人間らしく主義主張は千差万別あり、優秀な魔法使いが科学好きだったりすることもあるようだ。


科学者も魔法使いもほぼ平等に存在するが、やはり魔法使いの方が基本的に融通が効くようで、就くことができる職種も魔法使いの方が多い。

ただ、その分危険な場所に送られる可能性もあり、人気があったりなかったりと差が酷い。


まあ、これも現代らしいと言えば現代らしいのだが。


《ここまで夢のないファンタジー世界も珍しいよネー?》


夢ならあるだろう。見ようとすればいつでも見れると言うだけで、叶うかどうかは別問題だが。


……基本的に、魔法が使えるのはステータス。昔々からあったわけではなく、科学が発達してから急に魔法を使える者達が現れた。具体的には221年前の2月。原因不明。

ただし、現在ではおよそ五割の人間が魔法を使うことができるため、いつか全人類が魔法を使えて当然になる日が来るのかもしれないと言われている。


……ああ、そうそう。今年は西暦2132年。やはり魔法が現れると、科学の進歩は遅れ気味になるようだ。

とくにこの世界の魔法は人工物との相性が悪いらしく、機械系統に魔法を付与させようとすると大抵壊れるらしい。

ちなみに銃には魔法を組み込むことができずとも、弾の方に魔法を組み込むことはできるようで、公僕の銃には相手を拘束する効果のある弾を使っていることが多い。


魔法学校は国立の学校で、魔法使いの中でもかなりエリートにしか入ることはできないらしい。

また、魔法学校の卒業生は殆どが国に使える公務員となり、最優秀の者達が秘密裏に悪の秘密結社と戦ってもいるようだ。


……まあ、偽造した戸籍の年齢は13。適当に勉強して魔法学校に中等部から入ればそれでいいだろう。

戸籍の偽造に気付かれた時は、適当に洗脳でもしておけば問題ない。

その際に頭の中身の情報が『偶然』壊されてしまうことがあるかもしれんが、まあ、仕方無いことだ。


今回の私にはちゃんとした本拠地がないため、拐って実験動物モルモットにすることもできない。前回とは大幅に違って、大人しく動くことになりそうだな。


《たまには大人しいのもいいと思うヨー》


ああ。まあ、悪くはないな。




勉強をして、知識を得て、受験のための金も(基本的には恐喝相手からの逆恐喝や逆強盗、スリ相手のスリ返しで)得た。魔法の練習も少しして、今までの経験がいかせることを確認したため勉強の方を重点的に覚えていくことにした。


……が、正直歴史以外は魔法を学ぶぐらいしかすることがない。歴史も適当に本屋ででも立ち読みすればわかってしまうし、魔法の理論を見付けた者の名前も簡単に覚えきってしまった。

あとやることと言えば、私を色々な意味で襲ってくる犯罪者(金目的の誘拐、どこぞの金持ちにでも売る目的での誘拐、変態による性行為目的のナンパ、悪の秘密結社からの強引な勧誘等)を蹴散らして慰謝料として、魔法が使えるならばそのメカニズムを理解するために実験動物として雇い、使えないなら情報を引き出して廃人にしてからバレないように廃棄するくらいのことしかできんぞ?


《慰謝料高ッ!? 人生丸々一つとか高ッ!!》

『……瑠璃レートならぁ……普通よぉ……?』


私レートでは、基本的に私に直接害を及ぼした者は死すらも生温い拷問か、興味を引いた私の検体の二択だからな。

それ以前に、そんなことをしなければ問題はないのだがな。

……まあ、この世界からは犯罪者が減り、私は研究ができて一石二鳥だ。問題ないだろう。


……それでは、試験を受けてくるとしようか。





  大人しくと言いつつかなりのことをやっているフルカネルリ。




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