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2-88

 

フルカネルリだ。雨の代わりに豆が降り、たまに鬼役のクトゥグアも降る豆まきが終わった。今はその片付けの時間だ。


校庭にも校舎内にも大量に撒かれた豆を箒を使って一ヶ所に集め、それを先生方が選別して豆だけを集める。集めて何をするかは知らないが、興味はある。


《ボク達は床に落ちたとか気にしないからネー。菌とかはボク達に害を与えることはできないシー、どうしても嫌なら殺菌したり菌だけ焼いちゃえば良いしネー?》


……つまり、食べるんだな?


《そうだヨー。もったいないからネー》

『……スタッフがぁ……美味しくいただきましたぁ………ふふふふ……♪』


なるほど。だが、あまり豆ばかり食べていては飽きがこないか?


《来るけど別に問題ないヨー。食事なんてボク達にとってはただの娯楽のひとつに過ぎないシー、残っちゃったら次回の豆撒きの時まで時間を止めてとっとけばいいしネー》


ふむ、そうか。無駄にしないのならば構わないがな。


……それと、豆まみれのクトゥグアを拾っていったアブホースは保健室でナニかをしているようだが、これはいいのか?


《いいんじゃないノー? ボクとしては面白いからネー》

「ほんとはよくないけど、今日はお兄ちゃんとアブホースさんが初めて結ばれた記念日だから……特別にね?」


なるほど。そう言えばそうだったか。

とりあえずあの二柱には結婚祝いでも送りつけてやるとしよう。


《気が早いヨー》

『……って言いながらぁ……袋にベビー用品を詰め込んでたらぁ……説得力、無いわよぉ……?』


確かにそんなナイアに気が早いとは言われたくはないな。


《だって二神ふたりの子供だったらきっと面白可愛いだろうからネー。待ち遠しいんだヨー》


その時は私も抱かせてもらうかな。危険そうではあるが。






豆を潰して粉にして、それを使ってうどんを作ってみることにした。

ただ、ここにいるみんなはそこまで料理がうまくないから……


「……こうして、私が呼ばれたと言うわけか」

「うん。と言うことで、よろしくお願いしまーす」

「…………まあ、構わないが……どんな出来でも文句は言うなよ」

「言わないよ。よっぽど酷くない限りは」


例えば、砂が混じってじゃりじゃりしてるとか、水銀を水のかわりに使って捏ねてあるとか、堂々髪の毛が混じってるとか。

……全部食べられないことは無いけど。


「流石にそれに文句を言うなとは言わないさ」


だよね。


「…………あ、あと、エプロン似合ってるよ?」

「やかましい」


そう吐き捨ててフルカネルリちゃんは家庭科室の中に消えていった。




十分くらいしてからフルカネルリちゃんはお盆に乗ったうどんとお箸をいくつも持って家庭科室から出てきた。

「ほれ、第一陣だ」

「ありがとっ!」


フルカネルリちゃんからうどんとお箸を受け取って、ちゅるちゅるとうどんをすする。


…………うわ、美味しい……。人間でも頑張ればここまで行けるんだ…………。

……うん。やっぱり凄いや。よくここまで美味しくしようと思える。

私達みたいな長命種(実際にはちょっと違うけど)だと、あんまり興味の対象が一つに定まらないから、ここまで美味しく作れる知り合いは少ない。

それも、彼らだって数千億年じゃあきかないくらい長い年月をかけて上手くなっていったところを、フルカネルリちゃんはたった数十億年程度(異世界生活含む)でその高みに登って見せたんだから。


「……美味え……超美味え………」

「ちゅるる……ウマ~~い!」

「……ふむ。意外といけるね。これは」


皆からもかなりの高評価。まあ、美味しいからね。当然だよね。


……お礼にちょっと贔屓しちゃおっかなー?


……えいっ♪


「……ん? クト、何をやっているんだ?」

「あ、ツァトゥグアさん。ちょっとお礼がわりに色々と」

「…………ふむ。じゃあ私も少しだけやってみようかな」

「え、なに、やるの? 僕もやっていいよね?」

「ならみんなでやりましょう。せーの!」





  大量の邪神から加護を受けてしまったフルカネルリ。




 風神の加護が強化された。風属性に対する支配率が上がった。


 水神の加護を受けた。水属性に対する支配率が上がった。


 炎神の加護がさらに強化された。炎属性に対する支配率がさらに上がった。


 地神の加護がさらに強化された。地属性に対する支配率がさらに上がった。


新たな邪神から加護を受けたため、邪神の加護が強化された。





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