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2-6

なんか妙なところで飛んでることがあるんですよね?

何でですかね。

少しずつ直していこうと思います。

皆様も見付けたらできればでいいので報告をお願いします。


 

フルカネルリだ。学校の本を全て読み終わってからというもの、暇でしかたがない。なんとかならないだろうか?

《思考実験でもしてたらどうかナー?》

それはもうやっているが、新しい知識が入ってこないというのは私にとって苦痛以外の何物でもないのだよ、ナイア。

《…めんどくさい性分だネー》

自覚はしているさ。


と、いうことを母に話してみたら、

「じゃあ、近くの図書館に行ってみない?」

と言われた。

……この近くに図書館があったのか。知らなかったな。

《今度白兎ちゃんと一緒にこの町を散歩してみたらどうかナー》

それはいいな。まあ、白兎がそれでいいと言ったらの話だがな。

《言うと思うヨー》

そうか。ならば今度暇なときにでも誘ってみることにしようか。


母につれられて図書館に。学校以上の本に少々驚いている。しばらくはここに通いづめになりそうだ。

《白兎ちゃんが泣くヨー?》

大丈夫だ。白兎は私に付き合って本を読みふけっているうちに少しは本が好きになっているからな。

《なんでわかるのサー?》

頭の中の電気信号を解析しておよその気分や考えていることを読み取った。

《読心術ダー!?》

いやいや、まだ不安定でな。喜怒哀楽とかの大雑把な感情ぐらいしかわからない上にある程度強くないと読み取れないのだ。

と言っても情報を抑えてなければ考えていることも感情も何となく感じている程度の弱々しいレベルからもう読まなくてもわかるほどの強いレベルまで全て理解できるだろうが。

……前に一度、このあたりにいた通行人にやってみたら出来たことだし。

《実験済みなノー!?》

実験済みだが?

それとこの目は、手書きの本ならば作者が何を思って書いたのかが理解できるようだ。流石に大量生産された新聞や教科書の作者の意向は読み取れなかったが、それでもちらりと目をやるだけで内容だけならば頭の中に入って来るようになった。

簡単に言えばサイコメトリーだな。ただし接触する必要が無く見ただけで理解ができる。

《やっといてあれだけどやっぱり反則だネー》

本当にな。


この日のうちに貸し出しに必要なカードを作っておき、さらに貸出しできる限界まで借りた。明日ここに来たときに一番に返却するつもりだが。

貸し出し期間は二週間。冊数は五冊。それ以外にもいくつも読みあさり、これだけで私のなかで行き詰まっていた研究がいくつか息を吹き返し、今までは想像で補っていた部分に確実性の高い事実を当てはめることができた。

《想像で埋めてたわりには齟齬が少なすぎやしないかナー?》

一応初めは浅く広く、徐々に深く調べて行くつもりだったのだが、どうも想像が自重を忘れたらしくてな。止まらなかったのだ。

《あ、それなら仕方ないネー》

ああ、仕方ない。






ボクが見ている前でフルカネルリがぱらぱらと本を流すように読んでいる。これで一言一句間違わずに覚えてられるって言うんだからすごいよネー。

しかも昔読んだ本の中には暗号になってて一行間違えると全部わからなくなるようなのがあったからってページも行も自体も筆跡も全部完璧に覚えるようにしたんだとか言ってたシー。

……いやぁ、人間ってすごいネー。たまにボクたちですら考え付かないようなことを平気で考えちゃうシー。

…いや、人間だからこそ、なのかナー?

………まあ、ボクはそんなことなんてどうでもいいけどネー。

ボクにとって大切なのは、自分の命よりも何よりも『娯楽』だからネー。

なんてったって邪神だシー、殺されても死んでもいつの間にか元通りになるからネー。

……それでも痛いものは痛いし苦しいものは苦しいからわざわざ死ななくていいときはできるだけ死にたくないんだけどネー。

……あ、これ『娯楽』を『知識の探求』に変えて不死性を無くすとフルカネルリそっくりになるナー。発見ダー!



  自分とフルカネルリの共通点を見つけて喜ぶナイアの思考より。

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