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異世界編 3-22

 

今からおよそ1500年ほど昔のこと。平和だったこの世界に突然、闇の魔王が降り立った。

そして魔王は言った。世界全ての知識ある者達に、宣戦布告をすると。

それと同時に、自分に勝った場合はその者に不老不死を与えると。


その知らせは世界中を震撼させ、また、多くの者達が不老不死を求めて魔王の住む場を目指して………あえなく命を散らしていった。

しかし、この事を重く見た神が立ち上がり、世界の力を集めてそれを人に振るわせると言う‘英雄システム’を作り上げた。それによって少しずつだが、この世界の生物達の反撃が始まった。


これはその生物達の送る、重なることのない異世界の物語である。




…………と言うのはどうだろうか? まるで三流英雄譚の序章のようだと思わないか?


《そうだネー。特に英雄達に救いの無い所なんて、その通りだと思うヨー》


はっはっは。まあ確かに今までに殺されたり捕らえられたりした英雄は、私のもとに集められて研究されつくされているからな。クローンも当然作ったし、徐々に内包する世界が壊れていく所も記録した。


……そうそう、竜神王の娘の体に竜神王の精神を植え付けた実験体だが、二月は耐えたがそれ以降は色々な意味で壊れてしまった。

人間として、理性ある生物として、ああはなりたくないものだな。


《原因はフルカネルリだけどネー》


そうだな。


………さて、世界各地に散らばっている英雄達は、いったいどうなっていることやら……。






「……ここはどこだ…………」


‘盾の英雄’イルドは、とある森の中で絶賛迷子になっていた。


「だぁからイルドの道案内は嫌だって言ったのに……イルドの馬鹿」

「誰が馬鹿だ」

「イルドのバーカ。バーカバーカ」

「いいだろう。鬼族の盾の英雄イルド、影妖精族の信仰の英雄ディヴォンに決闘を申し込む!」

「やぁ~だよめんどくさい。どうせ盾と信仰じゃ勝負がつかないんだからやめとこうよ」


そう言って影妖精の少年は、鬼族の青年の攻撃範囲から一歩だけ外に立つ。

こうして見ているととても英雄とは思えないが、戦闘になればそのイメージは一新される。


盾の英雄は他の英雄を守り、信仰の英雄は傷付いた他の英雄の傷を治す。

けして攻撃的ではないが、この二人が居るといないとでは戦闘の難易度が凄まじく変わる。


「まったくイルドはほんとにバカだなぁ。こんなところで喧嘩してる暇は無いでしょ?」

「喧嘩を売ってきたのはお前だろうが!」

「はぁ? 道案内とか言って迷わせるなんて凝った方法で喧嘩を売ってきたイルドが言うの?」

「う……それは悪かったが……」

「そうだよ悪いよみんなイルドが悪い。そんなんだから故郷の幼馴染みに告白したときにお友達としか見れないって返されるんだ」

「ツィーセルのことは関係ねぇだろうがぁぁあぁぁぁっ!」


……ぎゃんぎゃんと言い合っている姿からは想像もできないが、こんなんでも英雄なのである。


「はいはい。いいからはやくレイドさん達とベルトさん達に合流するよ。僕達だけじゃあ大して強くないんだから」

「盾の横で殴ればそこそこいけるぞ?」

「訂正する。頑丈な脳筋のイルドはともかく、虚弱で貧弱な僕は気配をけして後ろから不意打ちをするぐらいしかできないんだからさっさと行こう」

「虚弱で貧弱なやつは敵の背後に高速で回り込んでナイフを的確に急所に刺すことなどできん」

「頑張れば大体の人はできるよそのくらい。誇りとかそういうのをどっかその辺に放り出せば。……【神様神様、探し人の方向を指し示して下さいな】」

「お前本当に信仰の英雄か?」

「そうだけど? ……あっちだってさ。行くよイルド」


影妖精の少年は、鬼の青年にさっさと背中を向けてしまう。どうやらあんな詠唱でも神は探し人の居る方向を教えてくれたらしい。


「……最初からそれを使えば早かったんじゃねえのか?」

「イルドがわかるって言うから必要ないと思ったんだよ。わかっていることを聞いて神の手を煩わせるなんてできるわけないだろ常識的に考えて」

「てめえさっきその神にかなり軽く話してたよな」

「あんまり重々しく話すと気が滅入るらしいから」


しれっと答えたディヴォンは森の中を平地を行くがごとく歩いて行く。

イルドもそれについて歩いて行くが、時々段差が彼の体重を支えきれずに崩れてしまうため、少し遅れてしまう。


「のんびり歩いてるからさぁ。ちゃんとついてきてくれよ」

「わかっている!」


仲が良いのか悪いのかわかりづらい二人の英雄は、仲間達と合流するために今日も歩き続けるのだった。





  英雄達の日常その2(1は前回のアレ)。





 



名前:イルド=シールド

Lv:29305

性別:男

種族:鬼人

年齢:43


HP:102550977

MP:75399

攻撃力:265530

防御力:926650

敏捷度:6200

魔力:69553

運:8558

機動力:8×3


通常スキル


盾:Lv9

防御術:Lv7


保有属性


闇:Lv3

火:Lv4


特殊スキル


盾の英雄:被ダメージ中量減少


          】



名前:ディヴォン=ディヴォーション

Lv:22521

性別:男

種族:闇妖精

年齢:不明


HP:3026691

MP:8592642

攻撃力:182596

防御力:178296

敏捷度:526004

魔力:9056923

運:6193

機動力:19×3


通常スキル


魔導:Lv7

短剣:Lv5


保有属性


闇:Lv8


特殊スキル


信仰の英雄:信仰魔導の効力中上昇


          】





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