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七十万アクセス記念外伝

 

これは、昔々の話。まだまだナイアが幼くて、物事をあんまり深く考えなかった頃の話。




「てけりりっ!」

「またですかショゴスさん」

「てけり。どうぞ私のことはショゴスと呼びすてにしてください」

「嫌だヨー」

「駄目です」


却下されちゃった。いつものことだから、まあ、いいカー。


「それで、今度はいったい何の用かナー?」

「てけり。アザトース様より、お届け物でございます」

「先生かラー?」


一体なんだろうネー?


「てけり。なんでも、しばらく前に頼まれていた物らしいですが……ところで、紅茶はいかがですか?」

「しばらく前の頼み物………? あと、紅茶はいただくヨー」

「てけり。準備はできております。どうぞ」


こぽぽ……といつの間にか用意されたカップに紅茶が注がれる。手品師?


「てけりり。あくまでメイドでございます」

「手品師でもやっていけそうだよネー」


まあ、それでも先生大好きなショゴスさんは、先生のメイドさんを続けるんだろうけど。


「てけり。私はこの仕事の事に責任と恩と好意を持っておりますゆえに」

「先生のことが好きって言うのにも反論しないんだネー? まあ確かに面倒臭がりな先生にはショゴスみたいな相手が必要だと思うけドー」


そう言ってみると、ショゴスさんの頬が一瞬だけ朱に染まる。うんうん、ショゴスさんは可愛らしいネー。先生が困らせたがるのもわかるような気がするヨー。


「……それではナイア様。お届け物のご確認を」

「わかったヨー。……何を頼んでたっケー?」


ショゴスさんに言われて渡された袋の中身を確認する………ああ、そう言えば頼んでたっけネー。

……でもサー、先生。ショゴスさんにこれを運ばせるのは酷いと思うヨー? いろんな意味でサー。


「なにか足りないものはございましたか?」

「……大丈夫だヨー。みんなあるサー」


…………中身? アブホースがクトゥグアを誘惑するために探してた、布地が薄くて少ないメイド服一式だヨー。

酒を飲ませた時に愚痴られて、ついクトゥグアの性癖ばらしたらそれを用意してって言われちゃってサー……。


……まあ、ショゴスさんには見せられないし、言えないネー。


「そうですか。それでは私はこれでお暇させていただきます」

「わかったヨー。また来てネー」


するりと消えたショゴスさんを見送って、数十秒。ボクはアブホースに念話を掛けた。


「あ、アブホース? 前に言ってたクトゥグア用のメイド服が手に入ったけドー……いルー?」

『あなたの家でいいのよね?』

「そうだヨー。来るんだったら早めにネー?」





次の日。かなり本気でキレているクトゥグアが襲来した。


「ナイア死ねぇぇぇぇっ!」

「おっとっトー。いきなり危ないじゃないカー。ボクがいったい何をしたって言うのサー」

「やっかましい!てめえアブホースにナニ吹き込みやがったぁ!」

「クトゥグアの性癖をちょっとだケー」

「お陰で理性が吹き飛びそうになったわこのボケナイア!クトがまだ起きてんのに気付かなかったら最後まで行ってるとこだったぞ!」

「…………ヘタレだナー」

「ヘタレ言うなぁっ!!」

「だってヘタレじゃんカー。そこまでやらせておいて手を出さないとカー………アブホースがかわいそうだヨー」


あんなに勇気を出して着ていったのにサー。


「うるせえ!いいからてめえは黙って死ねぇ!」


そう言いながらクトゥグアはボクに殴りかかってくる。危ないナー。


……まあ、今回は失敗しちゃったけど、ちゃんとクトゥグアはアブホースの事を意識してるからさ。気長にいこう? ボク達には、時間だけはたっぷりあるんだからサー。


「で、アブホースに襲われたクトゥグアは、いったいどこまで押されたのかナー? キスされて舌を絡ませ合って唾液の交換はしター?」

「うっがぁああぁぁぁ!!殺す!殺すっ!!ぶっ殺してやらぁぁぁっ!!」


したのカー。ふーん?


「俺をそんな生温い目で見んじゃねぇぇえぇぇぇっ!!」


あっはっはっハー♪





  とある日のクトゥグアとナイア。大喧嘩の原因。





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