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一万アクセス突破!
と、言うことで外伝を投稿しました。
フルカネルリだ。とりあえずはメリークリスマス。
……遅すぎるだと? それについては仕方がない。だが私たちの存在する今、ここはクリスマスイブだ。
ところで、世の中ではクリスマス当日よりもクリスマスイブの方が大きく扱われている気がするのだが、これは私の気のせいだろうか?
《少なくともボクはフルカネルリと同じように思うヨー》
そうか。
さて、先ほど言った通りクリスマスイブなのだが、何故か朝から母が物凄く頑張っている。主に料理面で。
「瑠璃ちゃーん♪ 今日はごちそうよー♪」
そう言って母が食卓に並べた料理の数々。
ビーフストロガノフに七面鳥の丸焼き。サラダにカボチャの令製スープにシャンパン(ノンアルコール)、さらに私が名前も知らないような料理がいつもより七割増しで広いテープルにところ狭しと並んでいる。
しかも驚くべき事に、
「瑠璃ちゃんが『お母さんが作った料理が食べたい』って言ってくれたから、お母さん頑張っちゃった♪」
……今までの流れからわかると思うが、これらの料理は全て母の手作りだ。
《頑張りすぎな上にスペック高すぎでしょ君のお母さんはサー!》
私もそう思う。
だがもう慣れた。慣れとは実に恐ろしいものだな。
《あー、そう言えばフルカネルリはもうこの人間と六年近く一緒なんだっけネー》
ああそうだ。そこまで長い間一緒に生活を続けていれば慣れるさ。
まあ、別に慣れなくとも害があるわけでもなし、普通に暮らせるがな。
《……ボクの場合はちょっと無理そうかナー》
ほう? そのこころは?
《だってツッコミ疲れしそうだシー》
なるほど。私には理解できない類いの理由だな。
《………バーカバーカフルカネルリのバーカ。いつかストレスで胃に穴開けちゃエー》
…………何故罵倒されたのかはわからないが、とりあえず胃潰瘍については健康の呪いで難しいと思うぞ?
《くそう、ボクのバカー!》
……ナイアはかなり頭がいいと思うのだがなぁ。
《フルカネルリに言われるとなんか逆に嫌かナー》
…………理解できん。
《だってボクは長生きしてるから知識と経験が人間より多いだけであって、実際はそこまで頭よくは無いんだヨー?》
そうなのか?
《そうだヨー》
そうか。
「お父さんも帰ってきたし、ご飯にしましょ♪」
おっと、夕食か。
それでは、
「いただきます」
……ほーんと、フルカネルリってば自分の理解力の高さをちゃんと理解してないんだかラー。今やキミの頭の中身は最下級の神を上回ってるんだからネー。
……最下級とはいえ神は神。普通なら人間が辿り着けるような存在じゃ無いんだけど、フルカネルリは元々の理解力の高さに加えてボクがそれをさらに強化しちゃってるからこんなとこまで来ちゃったんだよネー。
………しかも無意識だろうし理解もしていなかったろうけど、子供の体であるうちに、つまりまだまだ延び白があるうちにその延び白そのものを伸ばそうとしてるしサー。
……考え事をしているときはいつも神位共通言語で自分の脳を鍛えてるし、ボクとの会話もみんな神位共通言語な上にいつの間にかボクとの会話と同時に他の人とも話しながら本を真面目に読んで内容をちゃんと理解して返事まで出来るようになっちゃったしネー。
………フルカネルリってば、どこまでボクの事を楽しませてくれるのかナー?
退屈はキライ、面倒事はキライ、戦うのはキライだけどクトゥグアとのケンカはキライじゃない、ただしあんまり被害が大きくならなければっていう条件がつくけどネー。
あと他人が頑張るのを見るのはスキ、応援するのもキライじゃない、時と場合と相手によっては手伝ってあげてもいいって思う程度にはスキだヨー。
特に、ボクの退屈を払ってくれるような相手ならもうボクの方から手伝いに行っちゃうヨー。だってボクは退屈が大キライだからネー。
……だから、フルカネルリ。
ボクはキミがキミ《フルカネルリ》で在る限り、キミの事を手伝ってあげるヨー。
実に不死者らしい考え方をするナイアの考えの一部。