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1-11

 

そろそろ小学生になります。

 

フルカネルリだ。この国にもクリスマスがあるらしい。正直この国の宗教に対する寛容さは驚くべきことだと思うのだが、邪神代表としてはどうなのだ?

《ボクにとってはどうでもいいけドー、あえて一言コメントするなら、「節操無さすぎじゃないかナー」、ぐらいだネー》

そうか。


私の前世の頃ならば宗教家たちが黙ってはいないだろう光景の中を私は母と一緒に歩いている。

……手を繋いでいるのだが、何故か母の方が私よりもずっと楽しそうだ。

「~~、~♪」

鼻歌まで歌い出した。いったい母に何があったのだろうか?

《フルカネルリとの初めてのクリスマスパーティーの事を想像して浮かれてるんじゃないノー?》

ふむ、母ならばあり得る話だな。

「~~♪ 瑠璃ちゃんとクリスマスパーティーだー♪」

《正解だったネー》

ああ、正解だったな。

私がそんなことを考えていると、母がきゅうに尋ねてきた。

「瑠璃ちゃん、なにか食べたいものはない?」

食べたいもの? ふむ、食べたいものか………。

私は考える。正直に言って母の料理は素晴らしいものが多く不満などほとんど無いために、なかなか出てこない。

「……なら、お母さんの作ったご飯が食べたい」

と、いう訳で母に全部投げてやる。

「お母さんのご飯って、なんだかとっても美味しいんだもん」

私がそう言うと、母は驚いたような顔をして、それからゆっくりと微笑んだ。

「瑠璃ちゃんにそう言ってもらえるとお母さん嬉しいなぁ♪ よーし、それじゃあお母さん頑張っちゃうぞー!」

母は笑い顔のままきゅっと拳をつくって、それを空に向けて突き出した。

……なんの意味があるのだろうか? 自分を激励でもしているのか?

《きっとそんなものだヨー》

そうか。まあ、頑張ってくれるのなら止めることはない。なんと言っても母の料理が旨いのは事実なのだから。







やっぱりフルカネルリは他人の心の機微に疎いんだナー。

自分の母親を不思議そうに見つめているフルカネルリを見ていると本当にそう思う。

これじゃあ友達とかもできないんじゃないかナー。

……ボク? ボクには居るさ。一応だけどネー。

ボクと本の趣味が合うノーデンス。

ケンカばっかりだけど嫌いじゃないクトゥグア。

ケンカっぱやいけど情には厚いイタクァ。

引きこもり気味で無口で気弱なヨグソトス。

いつも二人で一緒にいるツァールとロイガー。

その他にも学校で知り合ったりご近所付き合いで知り合ったりした友達がいっぱいいるんだヨー。

中でも一番よく覚えている相手はと言うと、偶然にボクの家の前をティンダロスに追いかけられていたところを助けたクトちゃんかナー?

ちなみにこのクトちゃんだが、クトゥグアのやつの実の妹だったりしテー。そしてクトゥグアのやつは頭に超とつくほどのシスコンなんだよネー。

で、それが原因で懐かれて以来クトゥグアはボクに事あるごとにケンカをふっかけてくるようになったとサー。どうもクトちゃんが学校の将来の夢はボクのお嫁さんになることって言ったのが原因らしいけドー………どんな反応を返すべきやら………………迷うナー…………。

まあ、そんな感じでボクにだって友達はいるっていう話だヨー。

だからまあ、なんとかなるよネー?




   妙な交遊関係ばかりが妙に広いナイアによる悪友の記憶

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