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異世界編 2-10

不意打ちします。

 

フルカネルリだ。実験動物から

「殺して」

という台詞が出たので、

「ならば貴様等の居た大陸に進行し、新しく拾ってこなければならないな」

と言ってやったらさらに酷い顔になった。

『……外道枠は、私のはずなんだけどねぇ……?』

私は基本的に研究のためならばある程度外道で非道で邪道な事もやって見せるぞ?

《知ってるヨー》


この世界の言語は、文法は英語に良く似ているが文字は平仮名のように一つの文字に一つの発音が存在するという奇妙なものだった。

まあ、神位共通言語よりは複雑でも無いし、覚えるのも発音するのも話すのも簡単にできた。これで前にここに人を呼んだ時のように意思から意味だけを抜き出して相手に直接送り込むといった面倒なことをしないですむ。

……神が面倒臭がったのかこの世界の言語は1つだけと言うのもわかったし、あの実験体には感謝だな。


家庭農園だが、周囲の森と同じように結晶化してしまった。

食べられるのかどうか心配だったので解析してみたのだが、魔力を多く含んでいる以外は普通の野菜や穀物と同じだったのでプロトに収穫を頼んで、私は魔法式の冷蔵庫を作った。氷雨の服に刻まれていた術式を魔法に応用するだけだったので簡単にできたのだが、内容量が少ないので今度から中身を広げる魔法を組んでみようと思う。恐らく空間転移の術式からスタートするのが速いだろう。

《科学ならもうできてるのニー、何でわざわざ魔法で作ろうとするのサー?》

簡単に答えると、作るのはついでで研究をして新しいものを見つけたいだけだ。

《ふーん、そっカー》

ああ、そうだ。

……さて、プロトも帰ってきたことだし、料理を始めるか。

火力の調節に魔法は便利だ。加護もあるために妙に使いやすい。

《魔法もそういう使い方だけだったら平和なのにネー》

『……ほんとにねぇ……?』

そうだな。まあ、無理だと思うが。

……おっと、炒飯が焦げ付いてしまう。






初めて違う世界で生まれて、魔法なんていう物を教えてもらって、そして初めて見る自分とハヴィラック、そして母親であるフルカネルリ以外の生物との触れ合いに、彼女――プロトは喜んでいた。

自分にじゃれついてくる赤い小さな獣を撫でたり、抱き上げてみたりと色々なことをしてみた。

それをフルカネルリは微笑ましいものを見る目で見ていたがそれには気付かず、プロトは生命に満ちる世界のなかでてきぱきと働いた。

前の世界ではやろうとする前に機械が勝手にやってくれたので発揮されることは無かったが、プロトもハヴィラックと同じく世話好きだった。

この世界でもフルカネルリの世話はハヴィラックが主体で行っているため、プロトが世話をするのは必然的にフルカネルリ以外の相手になる。

例えばそれは今している畑だったり、たまに遊びに来るようになった小さな結晶獣達であったりと様々だが、プロトはその事を心の底から楽しんでいた。

「さて、今日もいい天気だし、畑の雑草抜かないとな」

くっ、と背中を伸ばしてからプロトは前の世界でも着ていた服を仕立て直した物を着て、のんびりと太陽の下へと歩いていった。



  フルカネルリの子、超科学の産物、プロトの日常。





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