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なんか予想以上です。一日に50もアクセスがあれば良い方だと思っていたので……

 

フルカネルリだ。とりあえず父の読んでいた新聞をすらすらと読める程度の知識は手にいれたぞ。よくやったな、私。

《オメデトー!》

ああ、ありがとう。

といっても『誰がどんな立場にあるか』、やら『●●とはなにか』といった知識が不足しているためにわからないことが多いのだが。

……まあ、それについては別にかまわない。

《いいノー!?》

ああ。今は、まだ、かまわない。

《……あー、後々何かしらあるんだネー》

ああ、ある。

が、今は全くもって必要ない。

…………とりあえず今は数学について色々と調べてやろうと思っているところだ。私には一応の知識しかないのでな。

《あ、そ。まあ、頑張ってネー》

頑張らせてもらおうか。


とりあえず基本の四則演算は前世と同じ程度にはできるということがわかった。これで後はどの程度のレベルかを理解し、それにあわせて計算をしていけばいいだろう。

まあ、おそらく私の知識の中には無いことが多々存在するのだろうが、私の楽しみとはまさにそれだ。

知識に存在しないことを引き寄せ調べあげ徹底的に丸裸にして私の知識の中に引きずりこむ。私はその瞬間が楽しみなのだ。

……どのようにして調べようか?

《この世界には『学習参考書』というものがあってだネー》

なるほど、それで調べればいいのだな?

《そうじゃないかナー?》

ありがとうナイア。そういうことならば何とかしてその「学習参考書」とやらを手に入れなければならないな。書店に行けば売っているか?

《……売ってるとは思うけどサー、お金はあるノー?》

…………無いな。

《ダメじゃないカー!》

……くっ、まさかそんな落とし穴が存在したとは……………。

私ががっくりと床に手をついて落ち込んでいると、ナイアから救いの一言が降ってきた。


《……キミのお父さんかお母さんに言えば昔に自分達が使ってたのだったら見せてくれるんじゃないかナー?》


………ありがとうナイア。生きる気力が湧いてきた。

《そこまで落ち込むノー!?》

ナイアが何かを叫んでいるが、私にとってはそこまでの事なのだから仕方がない。

私は立ち上がると、昼に使った食器を洗っている母の元へと急ぐのだった。






フルカネルリが自分の母親のところにぺたぺたと歩いて行くのを見ながらボクは一つ溜め息をついた。

……あのねフルカネルリ、何でキミはたまにボクにすら予想のつかないことをやってのけるのにこういうところではツッコミどころ満載のボケキャラになったりするんだい?

それはむしろボクがなりたいのニー!

そう思うとなぜかちょっとムッとしたので落ち着くために軽くパズルをいじる。

カチャカチャと箱形のパズルが動いて揃っていた色がバラバラになる。

そうして崩れたパズルを組み直す。こういうパズルは得意じゃないけど好きだから落ち着くにはちょうどいい。

しばらくたってパズルが全面揃った時にはイライラなんてどこかに溶けるように消え去っていた。

……ふぅ、落ち着いた。オチついた訳じゃないけど落ち着いた。

………うん、やっぱりボクはこうじゃないとネー。

フルカネルリの方を見てみるとフルカネルリのお母さんに昔使っていたらしい教科書を見せてもらっているけドー……どこからどう見ても小学校の教科書だネー。しかも一年生のやつだシー。

…………まあ、最初はそれでもいいんじゃないかナー。ちょっとずつ上を目指していくべきだヨー。何事もネー。






   邪神のくせに妙に人間臭いナイアの今の心境



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