異世界編 2-2
しばらく更新が無かったはずなのに、以外と見てくれる人っているんですね。
なので、少し頑張ってみます。
フルカネルリだ。数十年をかけて神の解体と解析を完了した。
《こんなのとボク達を一緒にしないでネー?》
何を当然の事を。
ちなみに解析し終わった神だったモノは、私が作った山根に喰わせた。
一つ目の世界の超科学で作った、私の意を汲んで行動する、可愛い小動物だ。
『……あらぁ……ちゃんと、神になってるわねぇ……』
そうか。実験は成功だな。
神格を持っているのならば神位共通言語で会話ができるはずだと思い、話しかける。
「……聞こえるか?」
ピクリ、と山根の瞼が震え、うっすらと目を開いて私を見る。
「……あいあい、聞こえておりましゅ」
……おや。これはまた奇妙な口調だな。
「ではでは、始めに自己紹介をいたしましゅ」
山根は眠そうな眼のまま、ぺこりと頭を下げた。
「はじめまして、我が造物主しゃま。私は見守と申しましゅ」
これが私の作り上げた見守の神の、初の言葉だった。
『……ふふふ……眠くて呂律が回ってないのねぇ……?』
《そうらしいネー》
見守の神は私の作った見守神話の通りの性格をしていた。
面倒臭がりで事無かれ主義。好きなことは眠ることで嫌いなことは住処を追われること。住処を守るためならば恐らく私にすら牙を向くだろうが、私に見守の神を移動させる気は欠片も無い。
だが、この世界の神だったモノがいたこの場所は……気に入らない。
ぐしゃり、と少しだけズレた世界を砕き、神だったモノが作った世界に降りる。
四つの大陸と幾つもの島を眺め、私は見守に頼む。
「一つ、大陸を作ってくれないか?」
私の願いに見守はほとんど閉じたままの瞼をそのままに、喰らった神の力を振るう。
広大な海から岩山が突き出し、ごりごりと鈍い音をたててその姿を徐々に大きくしていく。
それはおよそ、オーストラリア程度の大きさで、この世界に存在していたどの大陸よりも小さいものだったが、それでも私達が住み、暮らして行くには十分すぎる巨大さだ。
その巨大な大陸の中心をくり抜き、ドーナツのような形にした上でくり抜いた部分に真水を注ぎ、大陸の中央を湖に変える。
さらにその中心に日本の四国と同じ程度の大きさの島を作り、私達はそこに居を構える。
今はまだ小さな居住区付きの研究室とたいして大きくもない樹が一本あるだけの味気無い作りだが、しばらくすれば樹も増えて、大きな森林になるだろう。
「あのあの、私は眠りましゅ……」
ふあ……と欠伸をするように体を伸ばし、見守は樹をかけ上がった。
「……おやしゅみ……なしゃい……」
「……ああ。おやすみ、見守」
私はそう呟いて、樹のとなりの研究室へと入った。
……やれやれ。今日はもう寝るとしようか。