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クラスの完璧美少女と放課後の音楽室で! 2人の時は甘々に!  作者: ルキノア


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玲のお洋服コーデデート 後編

「次これ」


凛が黒いシャツを差し出す。

玲はそれを見て言う。


「また黒」


「黒は正義」


「さっきも黒だった」


「似合う人は何回でも黒」


玲は少し笑う。


「理屈雑だな」


「いいから着て」


玲は試着室へ入る。


カーテンが閉まる。

凛は腕を組んで待つ。


(……なんか)


自分が服を選んでいるのが少し不思議だ。

しかも相手は玲。

数十秒後。

カーテンが開く。

玲が出てくる。


黒シャツ。

袖を少しまくっている。

凛は一瞬黙る。


「どう」


玲が聞く。

凛は正直に言う。


「思ったよりいい」


「思ったより?」


「もっと地味になると思った」


「ひどいな」


凛は笑う。


「でもこれいいよ」


玲は鏡を見る。


「そんなに違う?」


凛は頷く。


「玲ってさ」


「うん」


「シンプルな服のほうが似合う」


少し考える。


「余計なのいらない感じ」


玲は笑う。


「説明が雑」


「感覚」


玲はもう一度鏡を見る。


「まあ悪くない」


凛が言う。


「悪くないじゃなくて」


玲を見る。


「普通に似合ってる」


玲は肩をすくめる。


「凛が選んだからだろ」


凛は少し黙る。

それから言う。


「それもある」


玲が少し笑う。


「自信あるな」


「だって似合うと思って持ってきたし」


凛はラックを見る。


「もう一個」


「まだあるのか」


「ある」


次はグレーのカーディガン。

玲が試着室に戻る。

数十秒後。

出てくる。

凛は見るなり言う。


「それは先生」


玲が笑う。


「先生?」


「数学の」


「そんな感じか」


「うん」


凛は少し近づく。

玲の顔を見る。


「玲」


「うん」


「髪」


玲は前髪を触る。


「邪魔だから下ろしてる」


凛は手を伸ばす。

前髪をかきあげる。

長めの髪が持ち上がる。

目が見える。

凛は少し止まる。


(……やっぱり)


「ちょっと待って」


ポケットからヘアピンを出す。

玲が言う。


「用意いいな」


「女子の標準装備」


凛は前髪を横に流してピンで留める。

玲が鏡を見る。

額が少し見える。

雰囲気が変わる。


「どう」


凛が聞く。

玲は鏡を見ながら言う。


「視界が広い」


凛が笑う。


「そこ?」


玲は肩をすくめる。


「実用性大事」


凛は首を振る。


「そうじゃなくて」


少し照れながら言う。


「雰囲気」


玲はもう一度鏡を見る。


「変わる?」


凛は頷く。


「結構」


少し間。


「なんか」


言葉を探す。


「大人っぽくなる」


玲は前髪に触れる。


「学校でもやる?」


凛は即答する。


「やって」


「そんなに?」


「うん」


凛は言う。


「そのまま隠してるのもったいない」


玲は少し笑う。


「もったいない?」


凛はうなずく。


「目、結構好き」


言ってから止まる。


「あ、いや」


玲が少し笑う。


「ありがとう」


会計を済ませる。

夕方の道を、二人で並んで歩く。

玲が買い物袋を片手に持っている。

さっき買った服。

歩きながら、凛がちらっと横を見る。


「今日、付き合わせちゃったね」


玲は首を振る。


「別に」


少し考える。


「むしろ楽しかった」


凛が笑う。


「服屋でそれ言う男子、珍しいよ」


「凛が選ぶの見てるのは面白かった」


「観察対象みたいに言わないで」


玲は少しだけ笑う。

しばらく歩く。

夕方の風が少し涼しい。

玲がふと前を見たまま言う。


「文化祭」


凛が顔を向ける。


「うん?」


「有志で出ようかな」


凛は一瞬、言葉の意味を考える。


「……え?」


玲は続ける。


「ステージ」


凛の足が止まりかける。


「それって」

「ピアノ?」


玲は頷く。


「うん」


凛の目が少し大きくなる。


「もう大丈夫なの?」


玲は少し空を見る。


「そうだな」


短く言う。


「最近はもう隠れようと思ってなくて」


凛は少し嬉しそうに言う。


「聞きたい」


玲は小さく笑う。


「凛は絶対そう言ってくれると思った」


凛は真面目な顔で言う。


「聞きたいよ」


少し間。


「玲のピアノ」


風が吹く。

玲の前髪が少し揺れる。

玲は静かに言う。


「一人で出るのもいいけど」


凛が首を傾げる。


「うん」


玲は続ける。


「できれば」


少し言葉を探す。


「凛と何かやれたらいいなって」


凛が止まる。


「……私?」


玲は頷く。


「うん」


凛は少し慌てる。


「いやいや」


「私ピアノそんな弾けないよ?」


玲は落ち着いて言う。


「ピアノじゃなくてもいい」


凛は黙る。

玲は少し考えてから言う。


「例えば」


「歌とか」


凛が完全に止まる。


「……歌?」


玲は頷く。


「ピアノ弾きながらならできる」


凛の顔が少し赤くなる。


「いや、でも」


「文化祭だよ?」


玲は言う。


「だから」


少し間。


「凛と出たい」


凛は言葉を失う。

夕焼けの光の中で、少しだけ視線を逸らす。


「……ちょっと」


玲が見る。

凛は小さく笑う。


「考えさせて」


玲は頷く。


「うん」


少し歩く。

凛がぽつりと言う。


「でも」


玲が顔を向ける。

凛は言う。


「玲のピアノで歌うのは」


少し照れながら。


「ちょっと憧れる」


玲は何も言わない。

でも、ほんの少しだけ笑った。

 

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