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未観測  作者: 流歌
第1章 停止したページ
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1

例えそれが訃報の続きだとしても、このタイトルは絶対に純霊の作品だから。


私の中で、何かが確定された。


冒頭にはこう書かれていた。


『友達だった人たちへ。』


友達だった。


その言い方は、健在だ。


いつも、『友達設定の人はいるけれど自分自身に友達と呼べる存在は居なかった』とほざいていたから。


そしてそこに、私へのメッセージも描かれていた。


いや、友達設定の一人一人にちゃんと送ってくれていたんだ。


恐らく、友達限定公開にしてあるだろう。


そして、私の、私への、私だけのために書いてくれた私のメッセージを読み上げた。


真来(まら)へ。私みたいなクズに障害の相談をしてくれて有難う。一番仲よく喋ってくれて嬉しかった。これからも頑張ってね。私も真来の好きなアニメキャラ好きだよ。バイバイ。』


「えっ…。」


ただ、子供みたいに感情がこみあげてきた。


まだ私だって中学1年生だけど、それでも感情はいくらか制御できるはずなんだ。


さっきまで堪えていた何かが、一気に緩んだ。


私は声を上げた。


親の心配も兄の煩そうな顔も見えないまま、聞こえないままただ何もかもがどうでもよくなった。


私の名前を、最後の最後で呼んでくれた気がしていた。


一番最後だったから。


沢山いる友達の中で、一番最後のページに私の名前があった。


下までスクロールしても、みんなに向かってかけている言葉以外何もなかった。


ただ単に、友達にだけアクセスできる専用の遺言ページへのリンクがあるだけだ。


私は、自分を守るためにそのリンクにアクセスすることしか出来なかった。


そこには、短い文章があった。


『真来、舞鈴(まりん)五葉(いつば)、やみ、天音(あまね)(ひかり)透彩(といろ)へ。小説【邂逅】の舞台になった星可学園(せいかがくえん)で待っています。純霊から。』


この文面は、明らかに純霊だ。


私はもう、迷わなかった。


まだ中学生のわたしにとって、それは世間から家出だのなんだの言われるに決まっているのに。


私は親に反抗して家を追い出してもらおうと思った。


急いでパソコンをスリープにしてから、服とかお金とかをたくさん持って親に突き付けた。


今思えば今まで親に何回罵倒されたことか、その恨みはたっぷり詰まっている。


私は発達障害を持っているんだ。


それは、純霊も同じだった。


だから、無理矢理通常級に入れられている私の相談に乗ってくれて凄く嬉しかったし励まされたんだ。


もともと純霊は親にも障害があったためか難なく支援級入りを許されたらしいが、私の場合は親の期待が大きすぎてそれは叶わなかった。


でも、それはもうどうでもいいんだ。


今からここを出てしまえば、すべてが変わる。


そう思って、私は突然怒った口調になった。


「ねぇ。いい加減支援級入れてくれない?虐めが酷いんだけど。お母さんたちのせいで子供が死んだりしてもなんとも思わないわけ?ありえない。」


案の定母親は振り向く。


此処まで予想通り。


「急にどうしたの?」



「そんなことどうでもいいでしょ。なんで通常級なのかって聞いてるの。純霊は支援入れてもらってるんだよ?」


「貴方にはハードルが低いの。実際勉強にも困ってないでしょ?」


「だから何?前に『あの子は貴方と同じAD/HDなのになんで貴方の方がいろいろなことできないわけ?』って言ってたじゃん。私にだってできないことはあるんだからなおさら入れてもらわないと。」


真譜(まふ)。貴方は可能性があるの。だから頑張ってほしいの。」


「そういう親の無理な期待のせいで最近の子たちは無理して頑張って病んじゃってるんだよ?もちろん私も例外じゃない。私だってあんたらの気持ち悪い期待のせいでストレスたまってんの!こっちがいい加減にしてほしいんだけど!?」


「何…。貴方みたいな人はもういい!さっさとパソコン片付けて反省しな!冷静になってから謝って来てね!」


「はぁ…。もう駅でおやつ買ってくる。その発言に後悔しろとは言わないけど絶対に後々人生狂っちまえ。」


心の中で達成感を覚えながら私は交通系ICを手に取る。


舞台の星可学園は東京にある。


私の家からはJRで何駅か通ればすぐに着く。


もう、全部捨てたんだ。


誰にも守ってもらう必要はないし、守られる必要もなくなったんだ。


平然とした装いで、しかし不自然な大荷物で私はこの県を出た。


もし、()()()()()()()()()()────────────

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