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人生なんてサササ  作者: 灰野ラスタ


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母親の借金に、もう嫌だ

火葬場から帰ると3人の男が棺桶の前に座っていた。3人は彼をみると、こちらに向かってきた。


母さんの職場の上司か何かだろうか。彼は頭を下げて、挨拶を口にしようと思った。


「陣内さんの御子息ですか?」


1人の男が彼に確認を求めてきた。彼は返事をして首を縦に振った。後ろに立っていた男がスーツの内側から書類を出した。それを彼の前に突きつけると、男は微笑して言った。


「お母様の借金があります。これは借用書です。どうぞご確認ください」


彼は借金という言葉に手が震えはじめたが、気づかれないようにそっと書類を取った。


(借入金900万円也)


母親のサインと印鑑が押してあった。


彼はその金額に、きっとこれは何かの冗談に違いないと目を虚ろにした。


「今日はご確認に上がりました。私たちはこれで帰ります。また後日伺いますので宜しくお願いします」


彼は男たちの後ろ姿を見送りながら、書類をもう一度確認した。叔母たちは、その様子を遠くからみて黙っていた。


これは現実なのか?嘘だと言ってくれよ誰か。



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