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食料危機やらだけど現実逃避
家に帰り着いた彼は冷蔵庫を開けて今夜の飯にありつこうとした。今日を入れて3日分ほどの食料しか残っていなかった。まあ、どうにかなるだろう、と彼の不安な心は現実をごまかしはじめた。
夕飯を食べた彼は、食器の後片付けもせずに、テレビをみはじめた。
夜8時頃になって電話が鳴った。
親戚の叔母から葬式の件について尋ねられた。彼が予感していたことだ。
「あんたどうするつもり?病院で葬式の段取りもしないで帰ってしまって。明日家に向かうからその時話し合いましょう」
「わかった。ありがとう、準備しとくよ」
彼は内心うんざりしながら、社交辞令でお礼を言った。電話を切ると自室に戻り、ベットの上に寝そべって天井をみつめた。
冷蔵庫の中身のことが心配になったが、彼はすぐに目を閉じて現実を消し去った。




