表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生なんてサササ  作者: 灰野ラスタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/50

母の位牌に謝罪する時間

ある夜ネットカフェの一室で、彼は母親の位牌をリュックから取り出した。それをじっとみつめていると、あの自分の部屋でテレビばかりをみて呑気にくらしていた日々が思い出された。出来るならあの日々に戻りたい。今の自分は何もやる気のない底辺の男だが、あの頃は家があり食事があった。母親がどれだけ偉大だったか、彼は思い知ることになった。


位牌に向かって手を合わせ、しばらく沈黙していた彼は心のなかで呟いた。


(ごめん。もう俺ダメだ。母さんがいる所にもうすぐ俺も行く)


弱気になった彼の心は、母親を求め子供に帰っていくようだった。


田口の会社に雇ってもらっていた日々は、彼を少しずつ大人にしていくれた。このままいけば自分も少しは社会に認められるのではないかと、淡い期待を胸に踊らせた。そんな思いもどこかへ消え去っていった。諦めるしかないのか。


位牌をみつめながら彼の心中は、あらゆる感情でいっぱいになった。自然と涙が溢れてきた。静かなネットカフェの空間に、すすり泣きの音が響いた。時計の針は夜中の2時を過ぎていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ