表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生なんてサササ  作者: 灰野ラスタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/50

誰とも話さない日々に飢える

誰とも連絡をとらなくなって2週間が過ぎた。昼間は公園、夜はネットカフェの往復の毎日になった。交わす言葉はネットカフェの店員との社交辞令だけだ。彼は会話に飢えていた。誰かと話したい。でも誰もいない。気が狂いそうになった。職人たちは元気だろうか?挨拶を交わすことが、どれだけありがたいことだったかを彼は知った。


「今日もフリータイムでよろしいですか?」


「はい。よろしくお願いします」


「では前払いで1600円頂きます」


彼はいつものようにネットカフェの店員と機械的なやり取りをした。店員は親しみを感じてくれているのか、笑顔がたえなかった。彼はそれをみて、どうせ営業スマイルだろうとしか思えなかった。知らない誰かに優しくするほど、今の日本に温かみは残っていない。みんな自分のお金のことで精一杯だ。損得勘定が悪いとは思わないが、寂しさの原因もまたそれだと彼は分かっていた。


部屋に入ってスマホを開く。誰からの連絡もない。ただの四角い鉄に成り果てたスマホは、残酷に彼の心を嘲笑した。田口は元気だろうか?あの日以来、お互いに連絡を取り合っていない。彼の友人と呼べる人物は、もはや彼を嫌ってしまった。どこにも居場所がない。自分は生きている価値があるんだろうか。


静かなネットカフェの空間が、肌に突き刺すようにエアコンの音を奏でる。社会は落とし穴を用意して、奈落の底で喘ぐ庶民をバカにしている。冷たい人間だけが成功する、理不尽なメリーゴーランド。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ