突然の男3人組また現れる冷や汗
ある休日の日、彼は午後12時になろうかというまでベッドのなかで睡眠を楽しんでいた。ああ幸せだ。最近は仕事も面白くなってはきたが、それでもどこかで怠けたいという気持ちは変わらない。こんなこと田口には決して言えないが、正直めんどくさい時だってある。ずっと休日のような人生が続けばいいのに・・・。
ベッドのなかで他愛のないことを考えていた彼は、働く前の日々を懐かしく思っていた。突然インターホンが鳴り響いた。誰だろう・・・。田口か美咲くらいしか、今この家を訪れる人間はいない。あいつらも暇なのかな。彼は階下に降りていき、玄関のドアを開けた。
スーツ姿の男3人がニヤニヤしながら立っていた。葬式のときに現れた借金取りだ。彼の身体は瞬時に凍りついたように硬くなった。
「どうも。今日こそはお金を返して貰おうと思いましてね。少し家に上がらせてもらいますよ」
「ちょっと待って下さい!お金はある程度用意出来てます。今持ってきますから、ここで待っていてもらえませんか?」
男たちは、それきり黙ったまま玄関先で立っていた。彼は急いで母親の通帳に挟んである、貯めたお金を取り出した。今50万くらいはあるだろう。今日のところは、これで勘弁してもらうしかない。
男にお金を渡すと、少し驚いた様子で札を数え始めた。
「・・・47万。確かに受け取りましたよ。残りもなるべく早く返して下さいね。また来ます」
男たちは帰っていった。彼の心臓は、早い鐘を打っていた。今できることはやった。お金を返すことを忘れていた彼は、怠け心が吹っ飛んだ。働き詰めになって全額返すしか道はない。
午後の日差しは暖かかった。彼はそれを少しみつめて、日々の忙しさを疎ましく思うと同時に、ありがたいことだと思った。




