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ep.1 ツンデレ女子カナと学ぶ!Suiの秘密 〜オブジェクトモデルのデータ管理 編〜

【登場人物】

カナ(高校生・ツンデレ系女子・ブロックチェーンオタク)

リク(高校生・カナにブロックチェーンを教わる初心者)

✦放課後の図書室、Suiについて語る二人✦


静かな図書室の片隅。夕陽が窓から差し込み、本棚の影を長く伸ばしていた。

ノートパソコンを開いたカナは、いつものように腕を組み、若干むすっとした表情で座っている。

その前にいるのは、リク。Suiに興味を持ったはいいものの、いまいち仕組みが理解できず、カナに頼ることになった。


「なぁカナ、Suiってなんで手数料安くて速いんだ? ほら、EthereumとかBitcoinはガス代が高騰することあるじゃん。でもSuiはそれが少ないって聞いたんだけど……」


「はぁ……アンタさぁ、そんな基本も知らずにSuiに興味持ったわけ? バカなの?」


「えぇ!? いや、だって初心者だし……」


「ったく、しょうがないわね……。いい? Suiの最大の特徴は 『オブジェクトモデルのデータ管理』なのよ」


「オブジェクトモデル……?」


「そう! 他のブロックチェーンは アカウントモデル って仕組みで、取引のたびにブロックチェーン全体の状態を更新しなきゃいけない。でもSuiは違うの。Suiでは、データを 『オブジェクト』 って単位で管理して、影響を受けるオブジェクトだけを処理するのよ」


「……ん? ちょっと待って、アカウントモデルって?」


カナは大げさにため息をついた。


「はぁ……アンタ、本当に無知ね。でもまぁ、そこが可愛いっていうか……。し、しっかり聞きなさいよ!」


「お、おう……(なんか今、小声でヤバいこと言ってなかったか?)」


---


【アカウントモデルとオブジェクトモデルの違い】


カナはノートの端にサラサラと図を書いた。


---


✦ アカウントモデル(Ethereum型)

- 取引トランザクションのたびに、全体の残高を更新 する

- 例えばAさんがBさんに1ETH送ると、AとBの両方のアカウントのデータを更新する

- ネットワーク全体で状態を確認するから、混雑すると遅くなるし、ガス代も上がる


---


✦ オブジェクトモデル(Sui型)

- 取引の対象になる 『オブジェクト』だけを処理 する

- 例えばAさんの持つNFTをBさんに送る場合、そのNFTオブジェクトの所有者を変えるだけ

- だから、他のデータに影響を与えず、並列処理が可能 になって、速いし手数料も安い!


---


「つまり、Suiは『オブジェクトごとに独立して管理』するから、いちいち全体を確認する必要がないの! だからスピードも速いし、手数料も低いってわけ」


「なるほど……でも、それってそんなに違うのか?」


「バッッッカね!! 違いすぎるわよ!!」


カナは勢いよく机をバンッと叩いた。リクはビクッと肩をすくめる。


「たとえば、アンタがコンビニでジュースを買うとするでしょ? それをEthereum型のシステムでやると……」


---


◆ Ethereum型のコンビニ決済 (アカウントモデル)

1. 店員が「この人の口座に十分なお金があるか?」を確認

2. 決済をネットワーク全体に通知

3. 全国の銀行が「リクの口座残高が減ったのを確認、コンビニの口座に反映」と更新

4. 数秒〜数分待たされる

5. やっと支払い完了


---


「ほら、無駄な確認作業が多すぎるでしょ?」


「たしかに……じゃあ、Sui型だと?」


---


◆ Sui型のコンビニ決済 (オブジェクトモデル)

1. ジュースの 『所有者』をコンビニからリクに変更するだけ!

2. 1秒以内に完了


---


「つまり、Suiでは ジュース(オブジェクト)の持ち主を変えるだけだから、めちゃくちゃ速いし、手数料もかからないのよ!」


「おお、なるほど! そりゃ速くなるわけだ……!」


「でしょ!? だからSuiは、NFTとかゲームアイテムとか、オブジェクト単位で管理するものとの相性がめちゃくちゃ良いのよ!」


---


◆ ツンデレの照れ隠しと、新たな疑問 ◆


リクは納得した顔で頷いた。しかし、ふと別の疑問が浮かぶ。


「でもさ、それって全てのトランザクションがそうなるわけじゃないよな? スマートコントラクトを使う場合は、やっぱり全体の状態を更新することになるんじゃ……?」


カナの表情が一瞬固まる。


「……!」


「え、なんか間違った?」


「ち、ちがっ……そ、そこに気づくなんて、アンタ……!」


カナは、ぷいっと顔をそらして頬を赤らめる。


「……ま、まぁ、そこまで分かったなら次の話に進んであげてもいいわよ! 次は 『並列処理の最適化』について教えてあげる!」


「よっしゃ、頼む!」


「べ、別にアンタのためじゃないんだからね! ただ、教えてあげたら私の解説力が証明されるだけなんだから!」


「はいはい(ツンデレって大変だな……)」


こうして、二人のSui講座は続いていくのだった——。


---

次回:「ツンデレ女子カナと学ぶ!Suiの秘密 〜並列処理の最適化 編〜」

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