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0日目

この話少ない物語で終わるのでよかったら最後まで見ていってください。

不定期ではありますがしっかり更新していきます。

( ̄^ ̄)ゞ


金属を打ちつけ合うタイプの旧式の目覚ましのけたたましい音が部屋中に響いた。


聞き慣れた目覚ましの轟音に鬱陶しさを感じながらも、いつもの様に目覚ましを止めた。


目覚ましを止めるために起きてしまった体を引きずりながらも、顔を洗うために洗面台に向かった。


冬場の冷え切った水を無理矢理自らの顔に思いっきりかけた。


やっと意識がハッキリしてきた。


朝の冬場の水は血が抜けてるのかと思うほどに冷たい。


今日は月曜日で今は朝の五時、頭痛がするが体は動くので会社に行く。ここまではオッケー。


ついでに昨日近所の家電量販店で買った電気ケトルでコーヒーも入れる。


昨日うっかり電気ケトルを飛ばしてしまってるけど多分使えるはず。


そんな大事な様で大事で無い様な事だけ思い出しながら、僕はいつもの様にスーツに着替えコーヒを淹れるためにリビングに向かった。


やはり一人暮らしの部屋には長すぎる廊下に冬場は肌寒さを感じる。奮発して住んだマンションに少し後悔した。


リビングに着くと一人暮らしには向かない無駄に広いリビングが僕を迎え入れた。


飾り気のない無駄に広いシンクに置かれた、新品には見えない電気ケトルに水を入れお湯を貯める。


その間に僕はリビングの椅子にでも座って優雅にスマホを覗こうと思ったのだが、昨日充電を忘れたのか僕のスマホはウンともスンとも言わない。


僕は日頃から運がない方だが、昨日は少しスマホをコードに刺した記憶があるのに刺さっていなかった様だ。やっぱりいつも運がない。


暇を持て余した僕は外の景色でも眺めようと椅子を立とうとした時だった。


僕の前のちょうど僕の対面の椅子に”何か”がいた。この時は流石に何故椅子を二つ買ったのかと後悔した。


僕は一体”何”を視ているのだろうか。まだ眠気が残っているのかと思えば意識は思っているよりもずっと冷静で、目の前にいる”何か”をじっと観察していた。


その”何か”は観察する僕をじっと見ていた。その姿はハッキリとしない、何か不定形で白くて、点滅していて、口があるならの話だが、その場所には不気味に尖ったマスクを付けている。もしもこの”何か”が幽霊だと言うならきっと僕は全力でそれを否定しよう。


その”何か”は幽霊よりずっと不気味で本能的な恐怖を感じると断言しよう。まあ幽霊が黒いという固定概念のせいかもしれないが。


まあ、思ったよりその”何か”はなかなか動かないものだからこんな軽口を叩いている訳なんだが。


段々とと怖さが薄れてきた気もしなくもない。


そんな”何か”と見つめ合う事体感三十秒僕はお湯の溜まる音を皮切りに、とりあえずコーヒーを淹れる選択を取った。もちろん二人分だ。


コーヒーを淹れる間もその”何か”はじっと僕をまじまじと観察するようにこちらを眺めていた。


とりあえずとコーヒーを飲めばこの夢みたいな現象が終わるかもしれないという淡い期待を込めて飲むも、ただ余計に目がハッキリしてその”何か”がより鮮明になっただけだった。


そんな僕の心境を知ることもなく、突然にその”何か”から白く不定形な腕の様な物が伸びてコーヒーのカップを掴んで  飲んだ。


いや、飲んでると思う。だって口は見えないけど顔?の方に近づけたらカップの中のコーヒー消えたし、飲んだというか魔法みたいに消えたし、取り込んだ?のかも。


そしてコーヒーを取り込んだかと思えばお互いの僕と”何か”の静寂を打ち破る様にその”何か”声を発した。


「このコーヒー、美味しいね。もう一杯貰ってもいい?」


もはや呆れたとか通り越してそんなもんじゃ無かったと思う。突然現れてずっと黙っているかと思えば、一言目がコーヒーの感想、そしてもう一杯目の催促である。


声はどことなく中性的な声で、少し明るめの印象の声の軽さ、何故あの”何か”からそんな声が聞こえるのかはわからないが会話が出来ることの少し安堵した自分がいた。


見た目からしてもう化け物なもんだから食われるんじゃ無いかと若干ヒヤヒヤしていた物だ。取り敢えずお代わりは淹れてあげよう。


「いやいや、別に取って食ったりしないよ。それに化け物なんて失礼だね、僕は確かに忌避される存在ではあるけど、人を簡単に直ぐに取って食ったりしないからね。」


おっとを、バレていたらしい。どうやらその”何か”は僕の心が読めて、取り敢えず直ぐに食われることは無いらしい。後で食われる可能性はある訳だが。僕はコーヒーのおやつだろうか。


「まあまあ、いいから取り敢えずお代わり頂戴よ。それに君を食うなら君が死ぬ直前に食べてあげるよ。僕はデザートは最後に食べる派何だ。」


その不定形の”何か”はぐにゃぐにゃした”腕”?の様な何かをクネクネさせながら中のいい友達みたいに僕の背中をペシペシと叩いてきた。思ったよりそのぐにゃぐにゃは冷たかった。そして僕はデザートだったらしい。


お代わりのコーヒーを出してやるとその”何か”はやっぱり飲む様な動作でコーヒーをカップから消した。ついでの様に満足そうに息を吐く声も聞こえてきた。


取り敢えず何から聞くべきだろうか、何故ここに居るのか、そのうねうねは何なのか、コーヒーはどこに消えているのか、そもそも何者なのか、聞こうにも多すぎる選択肢に頭を悩ませていると、自分が声を発する前にその”何か”の方から先にお声が掛かった。


「質問が多いね。僕が頭の中を覗けるの忘れてやしないかい?」


言われてみれば先程頭を覗かれたとこであった。


「まあいいよ。それと君、一人称が僕と被ってるんだよね。取り敢えず今から”僕”は”私”で会話しよう。」


別にどちらでもいい気もしたが、取り敢えず了承しておく。


「OK、じゃあ君の質問に答えてあげよう。聞きたいことから順番に言ってくれ、あ、別に考えてること分かるから喋らなくても良いからね。」


取り敢えず質問には答えてくれるらしい。頭の中が覗かれておることに若干不満があるものの、質問の方が優先である。


『じゃあ、まずコーヒーはどこに消えたか聞いても?』


「最初の質問はがそれか、いいよ。コーヒーはしっかり僕のお腹の中だよ。美味しかったから二杯も飲んじゃったよ。」


『飲んだというか近づけたらコーヒーが消えてたけど』


「それはねぇ、君が見えて無いだけで僕は飲んでるつもりなんだよね。ちなみに僕は君にどんな風に見えてるの?」


『何かこう、不定形で白くて変なマスクを付けた人型のモヤみたいな感じ』


「へ〜そんな風に見えてるんだ。それじゃ次の質問どうぞ」


『思ったより返事が軽いね。じゃあ次は何でさっき”私”で喋るって言ってたのに”僕”で喋ってるの?もしかして忘れてた。』


「あちゃ〜、忘れてた。めんどくさいからやっぱり”私”は無しで。」


思ったよりその”何か”は人間臭いらしい。


『じゃあ次は君は一体何?』


「おっ、最初にその質問が来ると思ってたよ。僕はね”夢”だ。でも安心して欲しい僕は君の”夢”じゃ無い。そして君は起きているからね。」


『夢?僕のじゃ無いなら誰の夢なの?』


「う〜んそれは何とも言えないなぁ、僕はあくまで”夢”でしかないだ。誰かのってものじゃ無いからなぁ。まあ答えようが無いし取り敢えず次の質問に行こう。」


『じゃあ、君は何でここにいるの。あと最初の三十秒ぐらい何で黙ってたの。』


「最初黙ってたのはね〜、特に理由は無かったんだけどじっとこっち見てる君が面白かっただけだよ。」


ヘラヘラとした態度に僕は若干の不満の感情を送る事にした。


「わかった、ごめんごめん。謝るよ。それでここに何でいるからだって?」


『そう、ここに居る理由を教えて。』


「僕がここに居る理由はね。君にある”権利”がある事を伝えに来たんで。」


顔の角度でちょっとカッコつけて言うのを見てるとちょっと心が締め付けられた気がした。まあモヤに見えるからカッコつけてるか分からないんだけどね。


「どんな権利か、教えてあげよう。まあまあそんなに警戒しなくてもいい。年末のジャンボの景品ぐらいに考えてくれてもいいよ。」


『それって結構良い事じゃ無い?』


「まあ、そうい捉え方も出来るね。」


”何か”はどうでも良い事を考える僕を横目に一拍置いてまた話始めた。目があるかは、わからないけど。


「君にある”権利”それは夢を叶える権利だ。たったの”七日間”だけ君に夢を見せてあげる。どんな夢でも叶えてあげる。」


”夢を叶える権利”それが僕にはあるらしい。


「どんな夢でも良い、億万長者になって過ごすでも、沢山の女の子をとっかえひっかえするでもいい、テロリストになっても良い、スーパーパワーをてに入れたり、異世界に行ってみたり、どんな願いでも七日間だけ叶えてあげる。」


何て突拍子のない権利だろうか、そんな素直な感想が出てきた。突然現れて、そして権利があると言えば”七日間”夢を叶えてくれると言う。


僕の目には目の前の”それ”が神かはたまた悪魔に見えてきていた。


「どんな願いでも良い ただ、注意点があるとすればその願いは”七日間”の間しか効果がない。僕は一日ごとに一つ願いを叶える。一日の間に存在できる夢は一つだけ、二つ以上の夢は同時に叶えられない。それぐらいかな。」


『一つの願いを七日間続けることも可能ってこと?』


「まあ、それもできるよ。どうするかわ君の選択だ。僕が決めることじゃない。」


『僕がその夢を見ている間は現実はどうなるんだい?やはりそのまま日は過ぎるのかい?』


「もちろんそんなことは無いさ。”七日間”が終われば君は直ぐに元の時間に戻って全部元通りさ。そして夢の事は全て忘れる。夢だからね。」


『何で”僕”何だい?』


「大丈夫、君だけって訳じゃ無い。みんな必ず”夢”を視る。けど暫くしたら忘れてしまうだろう。

そいうい物なんだよ。」


『理解はできないけど取り敢えず理解しておくよ。つまりはみんなは覚えてないんだね。


「そう!納得してくれたならそれで良いよ。質問が多いと面倒だからね。それじゃ僕は今日は一旦帰るよ。一日かけてじっくり何を叶えるか考えると良い。こんな機会滅多ににないからね。


 それじゃあしっかい考えてね。じゃまた明日。 あと会社は勝手に休暇取っといてあげたよ。感謝してよね。」


そう言うと何かは僕が何か言うまもなく、パッといなくなってしまった。


もともとそこには何も無かったかの様に正面の椅子には何もいなく無くなっていて、使用済みのカップはすでに洗って元の位置に戻っていた。


何とも自由な存在だろうか。僕の時間を巻き込んで暴風の様に彼は消えていった。


取り敢えず僕は半信半疑ながらも”夢”に叶えたい夢をメモに書き出していくことにした。


ちなみに会社はほんとに休みになってた。


一月四日日曜日10:25 この時間から時計は電池切れでずっと止まっていたらしい。









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