表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/30

5話

広くて明るい店内。


白を基調としたテーブルや椅子が

よく磨かれた床に

規則的に配置されている。



向い合わせで座り

ティモシーが注文をすませると

少し緊張気味にリディアが



「よく来るお店ですか?」



と聞いた。



「ルークと何度か


ランチは仕事になることもあるから

ゆっくり食べられる日はそう多くはないが」



「そうなのですね…」



「君は?

ランチは施設で?」



「はい

外食する機会はあまりありません

子供たちが下校してくる前に

私たちスタッフは

短時間でサッとすませることがほとんどです」



「君も料理を?」



「はい

朝と夜は調理師が作りますが

子供たちがいない昼は

スタッフだけなので交替で作ります

洒落た料理は作れませんが

家庭料理なら馴れているので

短時間で簡単に作ります」



そんな話をしていると

料理が運ばれてきた。


前菜やサラダ

メインの肉料理が

それぞれ大皿に2人分ずつのせられている。


取り皿が何枚か置かれ

各自で取り分けるようだ。



「お取りします」



リディアがティモシーに言うと



「私がやろう

とりあえず すべて取り分ける」



そう言って

ティモシーが慣れた手付きで取り皿に料理をよそう。



「じゃ いただこう」



「はい

ありがとうございます」



手際の良さに驚きながら

リディアは早速料理を口に運ぶ。



「とてもおいしいです

フレンチのようですが

エスニックな香りもします」



顔を綻ばせて

リディアがティモシーに言うと



「口に合ってよかった

このあとの デザートもオススメだから」



ティモシーが取り分けてくれた料理を食べ終えると

デザートとコーヒーが運ばれてきた。


大きめの白いお皿に

アイスクリームとプチケーキ

カットされたフルーツがそれを取り囲むように並べられ

赤いソースが曲線を描いている。



「わぁ 素敵

食べるのがもったいないわぁ」



リディアは

笑顔でティモシーを見た。



「甘いものは好きかい?」



「はい 大好きです

内緒ですが

子供たちが学校に行っている時間に

こっそりおやつを食べてます」


笑顔でデザートを食べていると

ティモシーの視線に気付いた。



「あの…なにか?」



「いや

そんな甘い顔を初めて見た

いつも 施設で話すときは

あまり表情を崩さないから」



「すみません

ロズウェル様にいらしていただくときは

粗相のないよう緊張しているので…」



「謝らなくていい

君の仕事ぶりや施設長を補佐している姿は

高く評価している」



「ありがとうございます

そんな風にお褒めいただいて嬉しいです」



「そこで

ここからが本題なのだが…」



コーヒーを飲みながら

ティモシーがリディアを直視した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ