3話
「突然 どうしたんですか?」
ティモシーの隣で
秘書のルークが慌てた。
「彼女に告白しようと思う」
「えぇっ」
リディアとルークが声を揃えた。
「いきなり…どうしたんです?
しかも この場で告白てすかっ」
ルークが声をあげたが
リディアは
呆気にとられて何も言えない。
「あの…ロズウェル様
それは リディアに交際の申し込みをしているのでしょうか」
ルイーズが問いかけると
「そうです
結婚を前提としての申し込みです」
リディアはさらに目を丸くして
ティモシーを見つめた。
「どうだ
君に恋人は?」
「い いません
でも…
あなた…
あの…
わたし…」
何がなんだかわからなくて
リディアは言葉がでてこない。
そんなリディアの背中を
ルイーズがそっと擦りながら
「大丈夫?
ゆっくりでいいのよ
大丈夫だから」
落ち着かせるように囁いた。
向かい側に座っているティモシーは
そんなリディアの様子を見て
「驚かせてすまない
今すぐ返事をするのは無理だろう
数日 二人で過ごす時間をもらいたい」
「は はい
わかりました」
リディアは
ティモシーの勢いに押されて
即答していた。
「ありがとう
早速だけど
明日から毎日時間をもらいたい
施設長 構わないですか?」
「はい
リディアがよければ
こちらは大丈夫です」
「ルーク
明日のスケジュールで空けられるのは何時だ?」
「えっと…
昼食の予定がありますが
これは代表でなくても問題ないので
昼過ぎからの時間はご自由にどうぞ」
「それなら
明日のランチを一緒に
その後も時間をもらいたい」
「はい
大丈夫です」
「じゃ明日
昼過ぎに迎えに来る」
「はい
よろしくお願いします」
ティモシーの巧みな話術に乗せられたのか
リディアはその誘いに
躊躇いもなく承諾し続け
翌日のランチの約束を取り付けた
嵐のようなティモシー一行の車は
あっという間に施設から走り去った。
玄関で一行を見送った
ルイーズとリディアは
ほんの数十分前の出来事に
その場で未だ思考を奪われていた。
ティモシーが帰ってからの時間を
何とかいつも通りに過ごし
子供たちがベッドに入るのを見守ると
自室に戻ったリディアは
午後の出来事を思い返していた。
…なぜロズウェル様は
私にあんな申し出をしたのかしら
たしかに
施設に来訪されるときには
必ず私もルイーズ先生と同席するけれど
個人的なお話はしたことがないし
しかも結婚を前提だなんて…
思いを巡らせながら頬が熱くなる一方
流れのままに約束した翌日のランチが
とても不安になり
いつまでも眠りにつくことができなかった。