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1話

久しぶりの投稿です。

お読みいただきありがとうございます。

子供たちのにぎやかな声と

忙しなく廊下を走る音。


慌ただしい朝の光景に

暖かな陽の光が差し込む。



「いってきます!」



「いってらっしゃい

忘れ物はないわね?」



「いってきます リリィマミィ」



「気をつけていってらっしゃい」



次々と

子供たちが玄関を飛び出していく。


遠くの学校に通う

年齢が上の子たちはすでに登校し


最後に出かけるのは小学生たち。


いつもと変わらない

元気な背中を見送ったリディアは


キッチンの

大きな作業テーブルにコーヒーカップを置くと

収納式の椅子を引き出して座った。



コーヒーを飲みながら

ぼんやりと

このあとの1日のスケジュールを思い描く。



「お疲れさま リディア」



「お疲れさまです ルイーズ先生

コーヒー淹れましょうか?」



「ありがとう

お願いするわ」



リディアは

マグカップにコーヒーを注ぎ

ルイーズの前に置いた。



「今日はロズウェル様がいらっしゃるから

いつものようにリディアもお願いね」



「はい わかりました」



ここは国が運営する養護施設。

親のいない20名ほどの子供たちが

寝食を共にしている。


リディアは

この施設のスタッフであり

放課後には

施設内の学習塾講師も担当している。



ルイーズはここの施設長であるが

運営だけの責任者ではなく

常に子供たちの近いところにいてくれる。


子供たちの年齢は様々で

小さい子供たちが

『マミィ』と呼ぶのも

ルイーズから母の愛を感じるからである。



リディアは27歳。

未婚であるが

小さい子供たちの中には

リディアを『リリィマミィ』と呼ぶ子もいた。


『リディア』

と発音できない小さい子が

『リリィ』と呼ぶので

リディアをそう呼ぶ子が多い。



子供たちが学校に行っている時間は

一般家庭と同様の家事を

数名のスタッフで行う。

今は未就学児童がいないため

それが終わったあとは

各々の時間になる。



リディアは自室に戻ると

パソコンを操作し始めた。


手先が器用なリディアは

小物作りが趣味。


それを生かして

インターネット販売を職業にしていた。



それで得た収入の一部は

施設に寄付している。



ルイーズは

『結婚資金にとっておきなさい』

と言ってくれるが


リディア自身もお世話になった施設に

少しでも恩返しがしたいという

感謝の気持ちがそうさせていた。




…今日はやっと

ロズウェル様にお渡しできるわ…



リディアは自室で

ティモシーのためのプレゼントを用意していた。



ティモシー・ロズウェルは

建築業界では有名な企業の代表である。

莫大な資産を保有しているのは

誰もが知るところ。


一方で

福祉活動にも協力的で

あしながおじさんのような存在であった。



国からの運営費の他に

彼から多大な寄付が寄せられる。


そのおかげで

食生活も充実しており

学校生活において必要なものも

共有することなくいきわたっていた。



リディアはティモシーに

感謝の気持ちを伝えたいと思い

側近の方から

ティモシーの誕生日を教えてもらっていた。



…誕生日当日ではないけれど

お渡ししたいわ


受け取ってくださるといいのだけど…



キレイにラッピングした包みには

ロズウェル家の紋章をデザイン化して

刺繍を施した

ネクタイが入っている。



リディアは少し不安顔で

その包みをそっと撫でた。

よろしければご感想をいただけるとうれしいです。

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