表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

新たなる決意


メイスで半殺しにしてやろうかって物騒な考えを抑えながらアタシは、テーブルのイスから立ち上がると服を脱ごうとする。

途端にまたギートの叫び声、コイツいつも吠えてんな。


「おいぃ! なにやってんだ! レヴィナ!」


「えー? パーティーを抜けるんだから装備品を返そうかと思ってさ、良く拝んどきなよ? 美少女のあられもない姿ってヤツをさ」


「大バカが! やめろ、 こんなところで脱ぐな! ってか、いらんわ! そんなことさせたら俺達がヤバい奴らだと思われるだろうが、ボケカス!変態が!」


「だ、だめよ! レヴィナちゃん! 周りからそう言うことさせてるパーティーだと思われちゃうじゃない!やめて! 」


ギート達が辺りを見渡しながらアタシを制してくる。気付くとギルド内の見物してる冒険者達がざわついてる。ギルドのスタッフもギートを変態でも見るかのような軽蔑の眼差し。


よし、これで装備品は返さなくても良さそう。

これは引っ掛けってやったんだ、さすがのアタシもギルドで裸同然の格好になって新しい冒険を始めれるほど鋼の精神ではない。


そんなことしたら『痴女のレヴィナ』とか呼ばれそうでイヤ。


「えー?じゃ、この装備は貰って良いのかな……もう返さないけど?」


「……あーもう!やるよ! ついでにこれもやるから! さっさと脱ぐのやめて消えろ!」


「あざーすっ」


うるうると子犬のような瞳で見つめてやったら装備品&金貨が数枚入った袋もくれた、やったぜ。そんな様子をメイとロイが哀れな者を見る目で見つめてきて去り際に優しい言葉をかけてくれた。


こうしてギートのパーティーを追放されたアタシだが、こんなのは予定調和に過ぎない。

あっパーティーランクはEだった気がする。


今日は宿屋でイヤなことは忘れて明日から頑張ろう、そんな思いでスタコラサッサとアタシはギルドを出て近場の宿屋で夜を過ごした。



今日は晴れだ、新しい冒険の門出にはとても良い朝である、宿屋を出てギルドに入ると手頃なクエストは無いか確認する。

ゴブリンの討伐くらいかなぁ、よさげなクエストは。朝早く行かないと他の冒険者に取られちゃうんだよね、パーティー募集も無さそうだし。


とりあえずは、ソロでダンジョンの序盤あたりでチマチマと狩るつもり。ソロでの活動は一応経験ある、ギート達が休みの日にはコッソリとダンジョンに潜ったりもしてたし。



「さて、ダンジョン潜って稼ぎますかね」


ダンジョンに出掛けようとしたらギルドのスタッフに呼び止められた。

ちなみにダンジョンはギルドを出て街の門から東に向かった場所にある洞窟だ。


アタシを呼び止めた張本人のメアリー、ここの看板スタッフで優しいけど怒ると怖い茶髪のボブヘアーのお姉さん。


「ちょっと待ってレヴィナちゃん」


「なに?」


「貴女のギルドカード更新した方が良いわよ 」


『ギルドカード』平たく言えば身分証みたいなもの、それがないと色々と困るんだよね。冒険者のランクや犯罪歴等が記録されていて他にも高ランクの冒険者には色々な特権が用意されてる。


パーティーの斡旋とかも記録から検索かけたりするらしいから便利と言えば便利だけど、監視されてる気もする。

ランクはF~Sまであった気がする。


「なんで?」


「なんでって……貴女ね、回復魔法が使えないんでしょ?」


「うん」


「なら僧侶として致命的じゃない?ギートとの揉め事で貴女の噂が広まってるわよ」


「マジかぁ……」


昨日の揉め事はもう広まってるのか、それはヤバイな。そうなると、もうアタシと組んでくれる冒険者ほぼ居ないじゃん。

ポーション投げつけてくる僧侶とか怖すぎるもん、ん? アタシは良いんだよ。


「でも貴女はアタッカーの素質はあるそうじゃない、ギート達から聞いたわ」


アイツら、余計なことをベラベラと。

アタシがインチキ僧侶だってバレてしまったじゃないか。

その後、メアリーの圧が掛かった説得の嵐で渋々だがギルドカードの職業項目を『僧侶』から『戦士』にさせられた、こんなか弱いアタシに前衛をやれと。


アタシのランクは一番下のFだそうだ、パーティーに入ったままならEだったとか。


よく考えたらそんなにランクの上げ下げなかったね。

ギート達の行方を興味本意で訪ねると昨日の一件でギートの方にも変な噂が立ったらしく、慌てて街を出て拠点を変えたそうだ。


『脱がせのギート』とか、ふざけたアダ名が付いてて笑ったよ。

アタシは訂正した方が良いと言ったけどギート本人の素行に問題あるからこのままでいいって。確かに暴言や態度が酷かったもんね。


ギルドのスタッフに横柄で偉そうだったし、他の冒険者に威張り散らしてたもんね、やり過ぎてボコられてたけど。


あっそうと決まれば早速、武器と防具を変えなきゃね、それはもう全てを粉砕するような強力な武器を。資金は昨日、ギートに貰った金貨でなんとか買えそうだし。


ふふふ、今日は装備の新調だ。アタシはニヤニヤが止まらなかった、強力な武器や防具が手に入ると嬉しいな。まぁダンジョン潜った方が早いけどね。

宜しければレビュー、感想、ブクマ、評価などしてもらえれば励みになります。




誤字脱字あれば遠慮なくご報告お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ