詩のようなもの1 『ウツロ』
私はレズで、ゲイで、バイセクシュアルで、トランスジェンダーである。
俺はよく明るいと言われるし、根暗だと言われるし、寡黙だと言われるし、よく喋ると言われる。
芯が通っていない? 正解だ。不正解だ。
自殺志願者? 答えはYes. 答えはNo.
儂には過去にトラウマがある。妾にはトラウマなど無い。
This is me. This isn’t me.
我は男? 女?
わっちの背は低い?高い?
僕はあたしを演じる。これが拙者の素だ。
生きたい。死にたい。生きたくない。死にたくない。
これらは全て自分を的確に表している。でもこれは自分じゃない。
ここまでは本当の話。ここからは、これまでと違って本当の話。
吾輩は自分を知っている。けど、何も知らない。
儂の性別は? 性格は? 生年月日身長体重住所電話番号。どれもが確かに僕のものだ。でも、何一つ正しいものはない。
ただ、ひとつだけ言えることがある。俺は、空っぽだ。
この体はただの器。そこに入っているものには、一切関心はない。自分が誰かなんて興味ない。別に今すぐ死んだって何とも思わないし、このまま生きていくことにも異論はない。
それを決めるのは我ではなく、わっちの中身だ。妾の中身を決めるのは、拙者じゃない。
イツカラアタシガ少女ダト錯覚シタ? イツ吾輩ガ演技シテイルト誤認シタ?
君に私はどう見える?
君ニ私ハドウ見エル?
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昔書いたものらしい。全く覚えていない。
色々手を入れたくてたまらないけれど、我慢我慢。