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叶わぬ恋を叶えたい!  作者: 清瀬進夢
3/3

第2の夢 夢の世界

感想よろしくお願いします。

夢の世界の秘密に迫ります。

前と同じ景色、

全体に闇が広がり霧のような白いもやがかかっている。

「戻ってきたのか・・・。」

何が起きるかわからない状況に

恐怖を隠そうにも隠せない。

しかし、なぜか体の中心から先へ好奇心が心の片隅から一気に溢れてくる気がした。

自分自身も嬉しかったのだろう。

「あの女の子にもう一度会えるかもしれない。」

という期待を、

自分では意識していないうちに持っていたのだ。

「フハハハハ!!実に面白い、戻ってきたか。」

この声には聞き覚えがある。

前回と同じ威圧感のある声。

まるで、自分と立場が天と地ぐらい違うと感じさせる。感じていた好奇心が一気に恐怖という闇で

包み込むように支配する。

「戻ってきたら悪いかよ・・・。」

声が震える。

「あんたにも聞きたいことがたくさんあるんだよ。」

今日ここに戻ってきたのはもう一度

あの夢を見ることだけではない。

夢を与える者にこの夢の世界のことについて

詳しく聞くためでもあった。

「おい・・・。」

夢の世界について聞こうとしたその時、

周りのもやが消え、白い光が自分の視界を遮る。

気がつくと倒れていた。

しばらくして目を開けてみると

目の前が今まで見ていた景色と一変した景色。

周りの景色は黒から白一色へ。

水平線が広がっている。

立ちあがろうとするも力が入らない。

「せいぜい自分の見たかった夢を楽しむことだな。」

夢が始まったようだ。

「昨日と違う・・・、なんで?」

脳内が混乱という2文字で溢れかえっている。

「ま、まさか失敗?

昨日と同じように願って寝たはず・・・。」

何がダメだったのか、何か間違えたのか考えていると、視界に男が現れる。

「この格好は・・・!!」

見覚えがあった。

白のカッターシャツに緩んだネクタイ、うちの高校だ。

まるで、自分の姿を見ているかのようだ。

「は・・・!!!」

昨日の夢を思い出した。

昨日の夢で死んでいたじいさんは自分だった。

だが、そのじいさんはここにはいない。

この夢は俺の未来つまり、自分が主人公の世界。

その男がこちらを振り向く。

「やっぱりか・・・。俺だ。」

夢の俺を見る。

だが、こっちを見ていない。

「気づいていないのか・・・?おい!」

聞こえていないのだろうか。返事がない。

「おい!!!」

さっきよりも大きな声で言う。

2回、声をかけるも返事がない。

「俺の存在自体に気づいていないのか??」

ここでの俺はただの傍観者のようだ。

「じゃあ夢の俺はどこを見て・・・?」

夢の俺と同じ方向を見る。

そこには女の子がベンチに座っていた。

綺麗な透き通った茶髪でロングヘアーにうちの制服。

それにフレグランスの香水の香り。

昨日の女の子だ。

昨日よりはっきり特徴が見える。

だが、顔は光が当たっていて見えない。

「お、俺は君に聞きたいことが・・・。」

軽く興奮していた。興奮するのも無理ない。

この女の子が将来の結婚相手かもしれないのだ。

女の子が喋り始める。

慌てて顔に全面的にでていた気持ちを抑える。

「ひで。私ね、あなたのことが好きなの。」

「は?」

思わず独り言がもれる。告白に立ち会っている。

しかも、自分の将来の。

見てる俺の顔が赤くなってくる。

黙っていた夢の俺が話し出す。

「こ、告白?俺に?」顔を赤くして目を逸らす。

「あ、あんた以外にここに誰がいるのよ、バーカ。」

「そ、そうだよな。ははっ。」

「・・・・・・・・・・・俺も君のことが好きだよ。」

俺は急な展開についていけなかった。

心臓の音がドキドキなっている。

「この子が俺の彼女になるのか?」

「誰だ、誰だ?顔を早く確認してぇーーー!

ついに俺にも彼女が?永遠と童貞のままで、

生きていくものだと思っていた俺に。

ついに俺の時代がやってきたんだ!!!」

人気絶頂のタレントになったかのように浮かれていた。

我を忘れてこの気分に浸っていると、

話の続きが始まっていた。

「これから私たちって彼氏、彼女の関係で

いいんだよね?」

「あったりまえだろ!」

「じゃあさ、私たちが付き合ってる証拠つくろ?」

「な、なに?証拠って?何か始める気が?

もしかしていきなり卒業?大人の階段ってやつ?」

思考回路が爆発しそうなくらい考えが巡る。

エロに関することになると極度に体中の神経が

今までにないほど活性化する。

いわゆるゾーンというやつだ。

地球上のすべての男たちがその能力を持っている。

「証拠って何すんだ?」

「き、キスしよ。」恥ずかしがりながら言う。

「お前が恥ずかしがってどうすんだよ。」

とツッコミたくなる。

「わ、わかったよ。」

「なんだ、なんだこいつらは。」

「イチャイチャしちゃって。だが、

これは俺、俺だ!!!未来に起きるんだ!」

改めて自分に言い聞かせる。

2人で向かい合い、夢の俺が女の子の肩を抱き寄せる。

今にもキスしようとしたその時。

「時間切れだ。」横やりが入る。

あたりが真っ暗になりもとの

もやがかかった世界に帰ってきた。

「おい!!!!!今いいとこだったんだよ!!」

「フン!そんなもの知るか!」嫌味っぽく言う。

「あーーーー!!!!俺の初めてのキスがーー!!」

思わず叫んだ。

「それにしてもなんで戻ってきたんだ?」

「お前の睡眠の限界だ。」

「それってどういう?」

「この世界の説明を少ししておいてやる。

よく聞いておけよ。」

「この世界で過ごす時間は現実世界で過ごす時間と

並列して動いている。」

「だが、全く同じではない。

この夢の世界過ごす15分が

現実世界では6時間経っている、

つまり24倍速で進んでいる。

だから現実世界に戻ると時間軸がおかしくなり

体に異常が起きることもありえるのだ。」

急に言われ頭がこんがらがる。

ふと、昨日の朝を思い出す。

汗でびっしょりだったシーツと自分に起きためまいを。

「確かにあったな・・・。」

「次はこっちから質問いいか?」

「1つだけなら聞いてやろう。

時間的にも1つが限界だ。」

「・・・わかった。」と仕方なく感じて答える。

「今日この夢の世界で見た女の子は誰なんだ?」

真剣に訴えかける。

「答えることはできないな。」

「なんでだ!?」驚きを隠せない。

「そう聞くということはまだ顔が見れないのか・・・。」呆れた声で言う。

「昨日の夢で見た女の子と特徴は変わったか?」

「いいや、変わってたっていうかむしろ

はっきりわかりやすく見えた。」

「それだ。お前が現実でその女の子と関わることで

夢の中ではっきりと見えるようになる。」

「なに!?それが正しいなら俺はその女の子と

現実世界で会って話をしていた?」

「そういうことだ。せいぜい頑張って探すことだ。」

「時間だ。一つだけ忠告しておく。」

声色が変わる。

「月に3回これが限度だ。それ以上はこの能力を使うな。さっきも言ったが体にとてつもなく負荷がかかる。

使いすぎると死ぬぞ。」

ふときた死という言葉に凍りついた。

背筋に寒気が走る。

「またな、相棒。言いつけは守れよ。

簡単に宿主に死んでもらうのは困るんでね。」

「相棒ってなんだよ・・・。」

すぅーっと意識が遠のいていき、

目が閉まっていく。

頑張ろうとする気持ちと恐怖が半分ずつ残っていた。



鳥の鳴き声が聞こえる。

朝のようだ。

ゆっくりベットから起きあがろうとする。

だが、めまいと耳鳴りで起き上がれない。

「昨日よりもひどい。あいつが言っていた通りだ。」

寝ころびながら横に置いてある

ノートとペンを手に取る。

そして、今日の夢と夢の世界についてメモをする。

「ま、待てよ。

今考えたら俺、未来変えてるじゃん!!」

「俺の行動次第で未来が変わるんだ!

今後は気をつけて行動しよ。

もし、夢に出てきた女の子から嫌われると

また一人で死ぬ夢に戻っちまう。」

そんなことを考えていると

めまいと耳鳴りが少しマシになってきた。

これは現実だと自分に突き立てられる。

夢で見た女の子を見つけるため学校へと向かった。



「おーいひでっち!」

「って爽。朝からどした?」

俺は教室の隅で景色を眺めていた。

「てか、ひでっちなんかいいことでもあった?」

「やはりそう見える?」

キメ顔で爽を見る。

「そりゃあそんな顔で外なんか見てるからな。」

「それより昨日のこと!」

「昨日、慌てて帰って夢もう一回見てくるって言ってただろ。それについて聞きにきたのさ。」

「それがな、実はだな・・・。」

昨日見たことをありのまま話す。

「な、なにー!?ひでっちが夢の中でその女の子から告白されたーーー!?」

周りの視線が一気にこちらに向く。

「おい、バカ!声がデケェんだよ!」

爽の頭を軽く叩く

「ごめん、ごめん。」

「だからあんなに浮かれた顔してたのか・・・。」

「でもよかったじゃん、孤独死しなくて。」

「おうよ!」敵陣を前にして仁王立ちをした

大将のように堂々と言った。

「ひでー・・・ちょっと話あるんだけどいいかな?」

顔を赤らめて言う。

「なんだー、架純?」

「二人で話したいからちょっとこっちきて!」

服をひっぱられて慌ててついていく。

廊下を抜け階段を登り、ついたのは屋上だった。

朝だから人は誰もいない。

風がそよいで架純の髪をなびかせている。

「・・・・・・・・。」

「ひではさ?私が夢の中の人だって言ったら・・・・

どうする?」

俺は圧倒されていた。

架純のあの時のわかりやすい態度やこの言動。

そして妙にできすぎている現実と夢の関係に。

感想よろしくお願いします。

次回は架純の言動についての詳細と夢の世界の女の子について迫ります。

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