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#8 無茶振りに無茶振りを重ねて来ないで下さいますかね

みなさん、風邪を引いたらすぐに病院へ行きましょう

自分みたいになります


「間違いない、このハーブティーとやらはグスタークの………どの様な様子だった」



国王陛下との謁見は早急にとの事で、城に着いてすぐに話は始まった



それだけグスタークという貴族、次期国王候補の所在が知りたいのだという事は分かった



ただ、何故国王自体がそこまでグスタークを気にかけ、父や臣下達もグスタークを連れ戻そうとするかまでは下の情報を持っていない者にしてみれば解らない事だらけなのだ



情報なし、ただ名前だけ教えられて探すなんて無茶苦茶だ



「大変お元気そうで、従者の方、リヴ様、と言う魔獣の方ととても仲良くされておりましたハディ様という…この方も魔獣様ではあるかとは思いますが、おられるようです」



「!リヴァスト聖獣王とハディレイ精霊王……」



それだけでそこまで思い当たる国王と、その名を聞いてどよめく貴族達にヘルミーナはうんざりする



そこまで分かるならいっその事聖獣王達に愛されて魔獣と一緒に居るかもしれないという所まで教えて頂きたかった…そうやってヘルミーナは心の中でゴチた



「封印されているという聖霊大戦の…ですよね」



というか、いつ封印解けてたんだよ…とは口には出さないいが、それを従えているグスタークを連れてくるなんて無茶な話過ぎる



「その2大精獣王の方々を従えているとは、流石よなグスターク」



そんな凄いなぁうちの子、みたいな顔されても困る



「それから、ラディロットをリヴァスト様は直に食べておいででした」



「なんと……」



そこは正直驚いた



あの後味最悪の実を生で食べているあたり凄い



「それからマティ酒もお好きだそうです、閣下……」



「ほぉ!戻ったら出してやらねば、それ以外は」



「あ、えと………ハーブティーにラディロットを浸して飲むと美味しい、と、試しに頂きましたが、大変美味でございました」



「………なる程な、現状報告ではあるが元気ではあると………」



あの子は昔から…とアルブエストはため息をつく



幼い頃に、アルブエスト、ルーシス、ノイドと共に丘上から国を見て回った際も、気が付けばノイドの手から離れグスタークは魔獣達とじゃれていた事があるし…



魔獣は危ないと言っても怪我をさせられた事が無いから危ないという事も理解すらしてくれない



勉強で漸く理解したと思ったら、今度は自室に危険じゃないと言い張って大型魔獣リヴァストを連れ込んで住み着かせる



学園時代、眠いからと授業を抜け出したと思ったら、気持ちの良さそうな顔をして中庭の木の下で、大型魔獣リヴァストを枕にして、ゴリアテの人型時に身に着けているマントを布団にして寝コケていたくらいには魔獣への危機感はない



そんな存在と居るグスタークをどう連れ戻せばいいのだとヘルミーナは頭を抱えそうになる



そんな時だ、アルブエスト付きの執事が何かを見つけてアルブエストの元へ歩き出す



「陛下、こちらを」



「?ハーブティーの筒だろう?」



「中より陛下宛ての文が」



「なにっ」



アルブエストは慌てて文に目を通す






【陛下へ



今頃、昨日助けた子供達が陛下の午前にいる事と存じます



私、グスターク・フォン・リンディハイムはそれなりに楽しく旅をしております。



ですから叔父様、追手出すのやめてもらえます?



リヴが不機嫌で面倒なんですよ、父上にもそうお伝えくださいね





以下余白



グスターク・フォン・リンディハイム】







暫く沈黙が続いたが、アルブエストは溜息をついた後、決めた、と顔を上げる



「……顔は覚えたかね?」



「はっ!」



「では、今回グスタークを見た者は四人だったな、その四人でグスタークを余の前に連れて来い!話がしたいだけなのだっ」



その言葉に、ヘルミーナは悟られないように心の中で「めんどくさ!!」と一人その場で叫んだのだった…



それから、同パーティーメンバーで、グスタークを見たメンバーの四人を招集したヘルミーナ



【ヘンリー・レト・トゥアレ】



無邪気でグスタークの食事に食いついたヘンリーはグスタークにもう一度会いたいと思っていたから丁度良いや‼と機嫌よく言っているが、そんな無茶なこと簡単にできるかよ…と口調が壊れたヘルミーナと、呑気な筈の魔法援護担当、ノットに突っ込まれた



【ノット・ロスディア・ディテーア】



ノットは、基本は呑気で、髪色が緑で慈愛樹守護獣ラーフェンに愛された子か‼?と言われていたが特別にそういうわけでも無く遺伝子が色々あったからだ



重傷でポーションを貰ったのがノットである



【グリアノール・セス・サードリア】



基本グスタークの前でニコニコ笑っていたイケメン好青年である



女性に求婚されたりする事が多く、それが嫌で社交界に出なくてもいい兵士になった



ちなみに、グスタークの傍から離れなかったリヴァストを最初はテイマーしてみたいと思ったが、グスタークの使う魔術に阻まれて全くテイマー出来なくて仕方なく諦めた



という感じの腹黒である



イケメンに多い腹黒…とヘルミーナに嫌われている…そう、嫌われている



「はぁぁ……資金は各国伝達で使えるとはいえ、世知辛いなぁ」



「ハーブティーどうしたの?」



「陛下行き、飲みたいって」



持ってかれた‼‼と不機嫌なヘルミーナに三人は苦笑する



代表として行ってくれたヘルミーナに三人は優しくしようと頷いた



「あー……あたしのちょっと分けてあげる」



「ありがとーっ」



準備も整い、国境前の門の前で手続きをし始めた四人の後ろで商人か旅人かが騒いでいる



四人は耳を澄ませてその会話を聞いてみる事にした



「おい聞いたか!南の洞窟の魔竜を手懐けた奴がいるらしいぜっ」



「それだけじゃねえ!魔海竜もだっていうぜ!」



「もう、一人しか思い当たらないや」



「うん」



四人は、早急にグスタークを見つけよう…そう四人は誓って、可哀想な目をして見て来る門番達に睨みを利かせてバタディーク国から旅立った…



グリアノールさんは一回グスタークに怒られる事をお勧めします

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