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#50 俺のせいじゃないし

「今回の討伐は大樹の事件後初の各国が合同で行うものだ、精霊様や聖獣様方も今回は教師などではなく本職で参加なされる、間違っても普段の扱いはしてはならんっ」



参加する国はそう多くない



何故なら、精霊、聖獣、大樹の王が関わると聞いて逃げ腰の国が多かったから



それも理解している



逃げ腰すぎて話にならない



よくそれでグスタークを狙う輩が出てくるな、とルーシスもリヴァストも舌打ちした



『ねみぃわぁ』



それにしても暇だ、と会議に集中していないリヴァスト



今回の仕事はリヴァストではなくグスタークに求められている仕事なので、深く聞くつもりはないらしい



『お前グスタは?』



リヴァストの前に用意されているクッキーを手に取ってハディレイは口に入れる



グスタークの作ったものでも、リヴァストの作ったものでもなかったのかお気に召さずに眉が寄ったハディレイ



『討伐の話したのに来てねえな!まあ彼奴、今は契約テイムしてた魔獣の出産があるから離れたがらねえし』



そう、あの後すぐに契約テイムしていた魔獣が産気づいて、任務よりも優先されてしまったのだ



グスタークにとって、優先事項は一番リヴァスト、二番が他の聖獣、精霊の柱たち、三番が魔獣や小精霊達だ



人間はたらい回し



家族やヘルミーナは別だとしても、人間は二の次なのがやはり精霊や聖獣になる素質がある存在と言われていただけあって流石だ



『とうとう契約テイムしたのかぁ』



『したし、複数と、クロックタートル連れてきたときは嗚呼コイツ、タートルシリーズ好きだなって思ったしな』



タートルシリーズ、というように、亀魔獣が好きで結構な種類存在するタートル達をグスタークはテイムしている



ちなみに、クロックタートルとシータートル、リバータートルは、その名の通りで、時計を甲羅につけていたり、海育ちだったり川育ちだったり



それが面白いらしい



特に、クロックタートルの甲羅は脱皮するたびに種類が変わるので、小さいときは懐中時計だったりにできる



ただし動かない



『シリーズて………』



『アイツ好きだろ、空飛ぶタートルシリーズとか』



『あの物語好きだよな……理解ができない謎シリーズ小説』



空飛ぶタートルに関してはグスタークが契約テイムしているタートル以外今の所確認されていないので、交配していない



あと、居るのも極秘で誰も知らない



なので、今いる面々は本の中のおとぎ話の亀の話だと思っている



実際のスカイタートルは、え?クジラ属の巨大型?と言えるほどに大きい



静かな声でグスタークが、わぁぁ……おっき、お腹十分満たされるねあれ、と発言したのはリヴァストは食う気か!?と突っ込んだ



それくらい間抜けになるくらいのサイズだった



『アイツは理解してたけどな、脳みその作りは同じだろ作者と』



作者は前々王だというのは知らないのだろうかリヴァスト……普通にディスったが



ちなみにグスタークは知っている



「それでは各隊出撃せよ!」



アルギス山脈は大陸で、各国少しずつ領土に入る珍しい場所であり、そこで大量の有害魔獣達が出てきて被害があると報告が入り、合同にて対処となった



まあ大樹程の被害ではないが、それでも被害があり、危険視されているのも事実である



魔獣には、聖獣ですら使役できないような穢れで生まれた生物と聖獣の支配下で聖獣には中世を示している魔獣の2つがある



前者の場合が現在であるので、だから困っている



「アルギスは資材も魔力も豊富だからなぁ」



「はー、仕事するかぁ」



準備された物資を持ってバタディーク国からの部隊は出発した



アルギスの入り口迄は夕方までかかる上に、人間がほぼ全員なので普通よりも遅い



ゆったり進む部隊がたどり着いたのは夕方と夜の間という時間だった



夜は、魔獣の力が増すので交代で仮眠を取りつつ、翌朝の他国合流後に作戦決行、となった



……そして翌朝



リヴァスト達はカイウスの護衛をしつつアルギスの入り口まで部隊でやって来た



『なんだよこれ、森が枯れてるじゃねえか』



眼前に広がる光景は、いくらアルギス山脈で、元魔王城があった大地だとしても、酷く荒廃し過ぎである



土に触れても水気もない、生気も感じられない、魔力も感じ難い



魔獣を除いた生物は死骸はあれど、生きているものは見当たらなかった



リヴァストも流石にまずいと思ったのか、枯れそうな木に触れる



ああ、グスタークが見たら悲しむだろうな、と思った



『魔力量が去年来たよりも枯渇してる……』



「魔獣の仕業じゃねえぞこんなの………」



ルーシスは雑草すら生えていない山脈の大地に眉を顰める



以前、外交で通りかかった際はもっと緑に溢れていたはずなのだ



それがそんな数年で絶えるものか?と疑問に思う



『このまま広がれば国が滅ぶ』



『魔力供給なんて俺達にはできねえぞ』



ハディレイとリヴァスト、他の精霊、レティシアやラーフェンでも大地に魔力を供給はできないだろう



術を使うための魔力がそもそもないのだから……



だが



『居るだろ一人』



『怒るだろうなぁ、出産』



二人はため息をつく



そう、できる者は一人いる



だが、その手を借りるということは、絶対機嫌を損ねるということだ



『安心して、もう終わったから』



と、危惧していたその当人がやって来た



二人が上に向くと、優しく微笑むグスタークが浮いていた



ただ、その微笑みに、リヴァストもハディレイも鳥肌を立てる



『っ!」



『おやこれはひどいな』



グスタークは木や草が無いことに少し驚いていた



グスタークも何度か訪れているのでこの光景は驚きを隠せないらしい



『お前っこれどうにかっ』



鳥肌立ててビビってる場合じゃねえわ!とリヴァストはグスタークの肩を掴む



グスタークは驚きつつ、んー、と悩む仕草をする



『できるけど、いいの?生徒にバレるよ?』



そう、今回はルシュテーカの生徒もいて、その中には一応戦闘技術をリヴァストに習っている子供もいる



あまり子供に自身の戦闘時などの姿を見せたがらない優しいリヴァストが戦いには必要になりそうだから断りを入れてみるグスターク



『構うかよ』



『俺の時はいやいや言ってたのにね』



それでも、必要とあれば手を貸してくれていたのであまり関係ないけど



それに、ほぼ手を貸されずとも一人でなんとなくで対処できたグスタークとでは見せる度合いが違う



『お前な………俺の本職じゃねえだろうが……』



それ以外の悩みとして、大地に与える魔力をどう与えるか、が、一番悩みらしい



リヴァストにしてみたら本職ではない、けど、それでもやらなければ広がるだけだとわかっているからこそ言っている



『…………好き』



『え?』



グスタークはそういう所っ、とリヴァストの肩を掴んで揺する



リヴァストは何言ってんだお前、と首を傾げている



ハディレイは、わかるわー、こういう所ずるいんだよ、とわかっているらしく頷いている



急にそんな風な言い方をされたら誰だってときめく



ただ、此処にはそんなリヴァストよりも好きな人間がいるために一切ときめかないし、危機感を持っている人間が一人



「許しませんけどぉ!?私がここまで来て今更ソッチに走らせるとでも!?」



相変わらずのヘルミーナである



必死でここまで阻止してきたのにまたやられてはなるものかと二人の間に割って入る



ハディレイはおお、勇者じゃん、と他人事だ



いや、他人事にしないとやってられない



『なんのことぉ?』



「お気になさらず!」



グスタークが分かってくれるとは思わない



だってそうやって育てられたのだから



『あ、そうだみーさん』



「?はい」



『俺さ、みーさんと結婚してるよね?籍入れ忘れてない?』



「だ、大丈夫じゃないですね、入れてなかっ………許しませんけどぉ!?」



『ひえ!?ちがっそうじゃなくてさっ、まあいいや後で入れようね』



結婚してても籍を入れていないのは不味いのは解っていたらしい



そんな中、静かにリヴァストはすっと口を開いて祈りの歌を口ずさむ



それと同時にグスタークから魔力を貰い受けているのかふわふわとグスタークは宙を飛んでいるその身体から光があふれ出している



その力で大地にはまた緑が増えてくるが、いまいちな効き目にグスタークはふむ、と頷く



『源を潰さないと駄目みたいだな』



『何処かわかるのか?』



『ん?うん、言ってくるね』



風向きは源に向かっているらしく、風からも魔力を食っているのか、とグスタークはため息をつく



『ん?行くのか?』



『え?うん言って来るよ?』



『なんか、いまいち噛み合ってるようで噛み合ってないような』



ハディレイの考えは間違っていない



グスタークは、源に居るだろう魔獣達に交渉を



リヴァストは、源に行って原因の除去が出来るかの確認




噛み合ってるのに噛み合ってないのだ



『行ってきまぁーす!言ったらすぐ戻ってくるねー』



『はいはい、早く行って早く戻ってこい』



『違和感すごいんだけどなんだこの違和感』



ハディレイは頭を抱えて違和感を考える



なのに、どうしても違和感の原因にたどり着けないらしい



『そんなに言うなら遠隔遠視魔法使うが』



『うーん……うん、その方がいいかもな』



それもあんまり関係ないかも、とハディレイは悩み続けるのだった………




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




『ただいまー!』



グスタークは何事もなかったかのように降り立つ



そして、その場所で唯一見ていたリヴァストをハディレイが介抱しており、ヘルミーナは精神を安定させようと安定の魔法を使い、カイウスとエディは戻って来たグスタークに説教を始めたなぜそうなったか、簡単である



大切に育てた子供が魔王の祝福は貰ってるわ大樹の王だわ魔獣殺ししてるわ



何とも言えない空気を味わった他の、こちら側で襲ってきていた魔獣を退治していた者たちからは可哀想、と言うような顔を向けられる



そんなこと言われても知らないもん、と返すグスタークにカイウスもエディも地に伏した



「グスタ」



『何さ』



「………お一人でお前を心配して遠視しておられたリヴァスト様にそれはお可哀想ではないか」



『知らないよそんなの勝手に見たんじゃないか』



「グスターク、ごめんなさいしなさい」



ルーシスにそう言われるとグスタークは唇を強く噛んだと思ったらリヴァストへ駆け寄って引き摺り、そのままリヴァストを連れて空を飛ぶ



『勝手に見て勝手に気絶しただけじゃんか!知らないし俺のせいじゃないし!ふんだ!』



顔をそっぽ向けてグスタークはリヴァストを抱えて国の方へ消えていく



事後処理と周辺の民族に対して説明するか、とカイウスはため息をついて地面と友達になっていたのだった……

多分またしばらく更新できなかったらと思うとなので、先に更新しておきます

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