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#5 好物は言わない主義の小魔獣様






なんてことがあって家を飛び出したグスターク



得意なことは逃げとハーブを集める事と野宿!になりつつある



「リヴァストっリヴァスト!……ちょっとリヴ!あったよっ安いのっ!安くて品質最高なのっ起きてっ」



袋をガサガサ、ゴソゴソ、ブンブンと躊躇いなく動かすグスタークに今更リヴァストは変に怒ることはないけれど、だとしても容赦が無さすぎてとても可哀相である



ちなみに、グスタークの私室から聞こえてくる唸り声の主がリヴァスト



多分バレたらどうやって手懐けた!!?なんて聞かれそうだが、そもそもリヴァストとは産まれてからの付き合いなので、なんて言った日には国家会議にかけられて無理やり国王にされかねない



グスタークは必死で守り続けたこの現状を維持したいのだ



と言っても、グスタークの思いとは裏腹に、着実にグスタークが王位になる確率が高まっているのだが……



今のグスタークにそれは教えないリヴァストは優しいと思う



『うるせぇなぁ………よかったな、寝る』



「そんなに寝ると馬鹿になるよ?後ちゃんときーけーよーっ」



先程よりも激しく袋を振ると、リヴァストは慌てて袋の中から飛び出してくる



可愛らしい小さな狼型の美しい漆黒の魔獣に化けて



漆黒な事もあってその身体に金色の瞳はよく映える



『シバくぞ小僧っ!振るな落ちる!』



魔獣相手だと躊躇いがねえのか!とリヴァストが怒る中、だったら起きなよ、とグスタークは袋を振るのを止める



肉串から一切れの肉を取ってリヴァストの口へ入れてやる『これ美味いな』なんて言っているリヴァストの好物が実はグスタークのハーブティーなのは当人が隠している…………



だが、グスタークにはバレているんだよなぁ……



だから嬉しくてグスタークは、色々な種類のハーブを集め鞄に入れていくのだ



誰の為と言えば、最初は自身の為だったが、今はグスタークとリヴァストの為になっている



それに、グスタークの料理には、その料理に適したハーブが使用されていて美味しいのだとリヴァストの密かな楽しみだ



「あのねぇ、やったら反発魔法で血まみれになるよ?落ちればいいよ、護衛がなにサボってんのさ」



『チッ』



リヴァストはグスタークの肩に乗ったまま不貞腐れている



「夜に今日採れたハーブ煎じて淹れてあげるねリヴァスト〜」



今日は何と何を混ぜようかなぁ〜、なんて鼻歌交じりに言うグスタークは優しい



精霊や聖獣に愛されているのはそれだけが理由では無いのだが……



「………はぁぁ〜♡これで今日は幸せだぁ」



肉串の追加を十本ほど購入し、親切に小分けで紙袋に入れてくれた店主に手を振ってグスタークは今度は鮮魚〜、と歩き出す



鮮魚を袋に入れるのは勘弁願いたいリヴァストだけれど、そこが一番物が収納できるしね、この鞄小さいし〜とグスタークは小瓶に入れていた、冷えても美味しいハーブティーを飲む



すぐにリヴァストに横取りされたが、リヴァストが飲みたそうだったのを察知したのでわざと飲んだだけだ



『当面の飯も買っとけ、つけられてんぞ』



小瓶を傾けながらグスタークに声をかける小魔獣姿のリヴァストに周囲はほっこりだ



そんなリヴァストにグスタークは頷いて続けて肉を頬張る姿に、やっぱりコイツ、危機管理意識無さ過ぎる、とリヴァストも海よりふかぁーい溜息をついたのだ……



「あらまぁ、そうする〜、んっまぁ〜いっ」



「はぁ……」



溜息ばっかりしてたらハディに幸せ取られるよ、とグスタークがいうが、ハディは幸せを取るより命を取るんだぞ、とリヴァストは突っ込みたかったが、突っ込んでも無駄なのは知っているので口を噤んだ後、肉をグスタークから奪ったのだった……
















グスタークは正直リヴァストに感謝しまくらないといけないんですよね


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