#33 脳筋、たまにきちんと仕事する
31話編集しました
リヴァストは久し振りにグスタークの家に来ていた
大体ざっと二ヶ月ほど経過しているある日の事だった
外でメイド達は清掃をしていて、執事達も、グスタークを気にしつつ仕事に励んでいる
中では、久し振りに精霊、聖獣、アルブエストやルーシス、ノイドやヘルミーナ達も集まって再度話し合われることになった
ただそこにアレクの姿はなく、リヴァストも首を傾げていた
アレクなら集まると思っていたから
『悪い、集めて』
あのウィルナスが静かに話し始めて全員真剣にウィルナスを見つめる
『微精霊が、俺の所まで来た』
『微精霊?』
ウィルナスは、やって来た微精霊の音の記憶を複写させた妖精を呼び出す
ウィルナスは良いぞ、と妖精に言うと妖精はその小さな口を開く
途端に響き渡る酷い音割れのする程の悲鳴
その合間合間で違う人間の声が聞こえて来るがなんと言っているかは悲鳴にかき消されて聞き取れない
短時間の記憶
『これの後、微精霊は死んじまった……』
場所を特定しようとしたその時に死んだ
限界だったのだろう
リヴァストはそれはいい、仕方ない、と呟く
『ウィル、お前の所に来たって事は、お前を覚えてたって事じゃねえのか』
微妖精はウィルナスを見る機会があった
だからグスタークの言葉にならない願いを届けるためにウィルナスを見つけるために動いたのだ
『そうかもしれない、けど、俺はあの日関係している事としたらグスタに頼まれて王城で人を運んでただけだ』
『その王城でお前を見たって事だろ………てぇ事は、ラウデリッシュか』
リヴァストは息を吐く
『だが、ラウデリッシュでそんな事をすれば普通バレるだろう』
『………ルーシス』
リヴァストは少し考え込んだあと顔を上げる
ルーシスはリヴァストに呼ばれてリヴァストへ傅く
「はっ」
『まだラウデリッシュ国王はロゥブルに居るか?』
「はい、先日の文では後半月は加療が必要であるとの事です」
国王はロゥブルディークの出であり、ラウデリッシュへ婿養子からの国の立て直しで国王に上り詰めた人
そんな人間が手を貸している筈はないが、少し不安でもある
手を貸していなくても、手を出されていた可能性は大いに可能性がある
記憶改竄なんて、それなりに魔法師などの勉学をかじれば使えるものだから
『国王は何か知らねえのか』
『多分何かあればグスタは気にする筈だからな?』
『………ウィル、城内部、再度調べ直してこい』
「リヴァスト様、ラウデリッシュ城ですが、当面封鎖されるそうです」
『霊化すればいい』
『解った』
何だかんだでウィルナスもしっかりしているのである(グスタークが居るとはっちゃけてアホの子になるだけで)
「ラウデリッシュに居なかった場合は?」
『ウィルは本能的に此処だと思った場所以外あんまり口に出さねえからラウデリッシュだろうな』
『別に本能じゃないぞ』
『お前は基本は本能の赴くままだろうが』
『ひどいぞ』
『そう思うならグスタいる時だけ脳筋になるのをやめろ』
ウィルナスは口を噤む
自覚はあったらしい
「封鎖されていたのだとしても、行くのですよね」
『あまり焦って突入はしたくは無いがな、準備に2日寄越せ』
「畏まりました」
『ルーシス』
「はい?」
『悪かったな』
「……いえ、グスタを愛して、大切に思ってくださり感謝致します……」
ルーシスが微笑むと、リヴァストは漸っと、久し振りに……眉はハの字だが笑ってくれた
体調不良から復活しましたので頑張って投稿していきたいと思います
また暫くお付き合いくださいませ




