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#3 贔屓ですね、次期国王陛下(仮)

あさだおやすみなさい



グスタークが王位継承権を国王より賜ってから早いもので15歳



魔力量は減ってほしいのにも関わらず、悲しいかな減る事はなく、寧ろ成長するにつれて増えて絶望しかない



そして、15歳となったその日から、王位継承権を持つ三人だけが入ることを許される国王育成寮へグスタークは渋々入寮した



部屋は優先位順で、2階が王位継承権3位のエディ・ロディバーノが



3階が王位継承権2位カイウス・エル・ヴァーレが

そして、5階に王位継承が要らないと思っている彼、グスターク・フォン・リンディハイムが住まいとして使用する



4階は勉強の為の部屋と図書室、三人の為の料理を作る調理室



外には魔術演習場と体術演習場があり、許可を取れば一人で一日使うことも可能だ



「グスターク様、本日より、王位が決まるまでの間お仕え致します、【ノール・バーティス】と申します」



「【アンナ・バーティス】と申します」



「総管理担当、【ヴォル・バーティス】と申します」



【バーティス家】ってあれだ、先祖代々王位継承権保持者を育ててきた家系だ、と呑気に考えるグスターク



総管理は、一日のスケジュールからマナー講座教師の配分を各王位継承権保持者、担当総管理担当者と話し合い、全てを取り決める者達だ



王になる気はないが、王位継承戦が始まる3年後までには解放されるにしても、取り敢えず、2年である程度知識をつけて出ていこう、と、そう心に決めて、優しく微笑み、グスタークは挨拶を返した



「グスターク・フォン・リンディハイムだ、至らぬ点があればどうか教えて頂けると助かる」



グスタークは言葉遣いはある程度父に既に叩き込まれているのだが、一体いつからこの話が出ていたのかだけは今度の家族を招いての晩餐時に詰め寄るでもしようと決めた



「はい、本日よりよろしくお願い申し上げます、それから、紹介です、カイウス様には【フューゴ・アルバーノ】、【ロジク・アルバーノ】、【ユナ・アルバーノ】が着きます」



自身が3年間(うまいこと行けば半年で出られる可能性もあるし、長くても2年半で出られる)仕える王位継承権保持者への挨拶を終えて頭を下げる



「そしてエディ様に仕えます、【ノルン・バーティス】、【シャルティ・アルバーノ】、【ドーファ・ロス・リフィターニャ】です」



計3名もグスタークに頭を下げ、それぞれの執事たちもノール、アンナ、ヴォルの説明をしている



リスターニャ家はこういう場に出てこないと思っていただけに少し驚いた顔を見せたグスタークに後ろからクスリと笑いを堪える声が聞こえてきてそちらを振り返る



「メインで護衛する兵士を紹介します」



そう言うと、兵士三人が前へ足を踏み出した



一人とてつもなく、すっごく見覚えのある人間が二人よりも一歩前に出て頭を下げている



「グスターク様、カイウス様、エディ様、本日より、【ルーシス・フォン・リンディハイム】並びに、【レィス・エルヴァーレ】、補佐兵として【ノア・ロディバーノ】が身辺警護をさせて頂きます」



「よろしく頼む、ルーシス、レィス、ノア」



笑いやがった、とグスタークは冷めた目で兄であるルーシスを視線だけで痛い!と言わせるほど冷たい目を送り続ける



「身内が多くないか?」



「代々の決まり事ですからね、外出の際は必ず身内の者と外出されるようにお願い致します、兵は本日は我々ですが入れ替わりがありますのでその都度挨拶に参ります」



グスタークは実兄に敬語を使われるこの現状に頭痛がするが仕方がないにしても、悲しすぎて仕方ない



何が悲しくてこの兄……と



いっその事父にしてくれたら日頃の恨み節を懇々と垂れ流せるのに、と



家長なのに息子よりも下扱いされている不憫なノイドだった……



「そろそろ昼食に致しましょう、皆様、4階へ」



グスタークはため息を尽きたいのを我慢して浮遊魔法を使う



心の中で、空挺聖域守護精霊ナタリシアへ祈りを捧げれば、自然と浮遊魔法は使えるものだ



それが幼少期からの普通



力を示すためならば聖獣王リヴァストを、死を齎す為ならば精霊王にして死神の異名を持つハディレイを



大地の加護を賜る為ならば守護聖獣ゴリアテや守護精霊レティシアを



それぞれに適した祈りを捧げれば、自然と魔法というものは力を増して己を助けてくれる



だが、いつまで経っても他が浮遊魔法を使わないので振り返る



全員が、口を開けて固まっていた



そこで思い出した



基本、空挺聖域守護精霊ナタリシアは気分屋



そう簡単に浮遊魔法の為に祈りを捧げても聞いてくれやしないのだ



そもそもナタリシアはどんな理由があれ、あまり祈りを聞き届けないので、ナタリシア以外に空を自由に行き来できるような精霊が居ない



人前に姿を現さない事でも有名で、2柱として数えられる守護精霊のレティシアに促されても嫌がるという話がある



なのに、今目の前ではナタリシアに祈りを捧げただけで簡単そうに浮遊魔法を使っているグスターク



次期国王がほぼ決まってしまったような空気がその場を支配する



今回ばかりは仕方がなかった



グスタークは両手で顔を覆って「やっちゃったぞナタリ……」と呟いてしまったのだった……



ナタリシアは、グスターク贔屓している、とその場の誰もが思った……










王位継承権保持者育成担当執事&メイド達(+護衛兵)


【グスターク担当】

①ノール・バーティス(執事)

②アンナ・バーティス(メイド)

③ヴォル・バーティス(総管理)


【カイウス担当】

①フューゴ・アルバーノ(執事)

②ロジク・アルバーノ(総管理)

③ユナ・アルバーノ(メイド)


【エディ担当】

①ノルン・バーティス(執事)

②シャルティ・アルバーノ(メイド)

③ドーファ・リフィターニャ(総管理)


【護衛兵】

①ルーシス・フォン・リンディハイム(基本グスターク担当)

②レィス・エルヴァーレ(基本カイウス担当)

③ノア・ロディバーノ(基本エディ担当)



【精霊王、聖獣】

①聖獣王リヴァスト(力を示す為(殴り合い用))

②精霊王(死神)ハディレイ(死を齎す為(戦争の際、ハディレイに祈りを捧げて闇魔法を使う))

③守護聖獣ゴリアテ(大地の加護を受ける(農作物に作用する魔法を使える))

④守護精霊レティシア(ゴリアテとほぼ同じ力だが、レティシアは自然災害からも守護出来る、が、ある程度の魔力は必要となる)

⑤空挺聖域守護精霊ナタリシア(人のように魔法を使わなければ飛べない種族が祈りを捧げる存在ではあるが、基本的には気分屋な所もあり、グスターク以外の浮遊魔法使用者は居ない(グスターク曰く、ナタリシアは単にワガママで眠たいから話をあまり聞かないが良い精霊))


【各家系について】



【バーティス家】

先祖代々王位継承権保持者の教育から旅立ちまでを支えてきた家計

実はグスタークの幼稚舎から担任はバーティス家である

魔法特性は風魔法に特化している

一時的に空を飛べる、というか、風で浮いているように見せられるが、グスタークのようには長時間飛べない

バーティスの四人の父が現国王の現執事である



【アルバーノ家】


浅くもないが深くも無いという王位継承権保持者育成に取り組んできた家系

最初こそグスタークに使える話が上がっていたが、アルバーノよりもバーティス家に!となってカイウスに仕える事となる三人がいる



【リフィターニャ家】



リフィターニャ家は、家長である父親は晩餐会などに顔を出すものの、他の者が顔を出すことはめったに無い

その為グスタークは少し驚いたわけですね

リフィターニャ家は代々の騎士の家系ですが、ドーファは事情があって騎士にはなれなかったのですが、頭脳明晰で几帳面な事もあって総管理担当として抜擢されました


カイウスとエディは幼い頃からの幼馴染ですが喧嘩ばかりでしたという裏話……

おやすみ!

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