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#24 エテーナアロゥと成り立ちと新たな任務

疲れて昼まで寝てしまった…


「それでは教本168頁を開いてください」



「……」



『おいグスタ、人にわざわざ見えない聞こえないようにして此処に居てやってんだ、ちゃんと受けろ』



「んぐ……」



だってつまらない………とグスタークは頭を伏せる



だって、事実つまらないのだ



グスタークにとっては大体の内容は自分で現地で覚えるし、そもそも過去視ができるので史実と辻褄が合わない、なんていう事もあってつまらないのだ



グスタークはダレつつ教員の話を聞く



真横に座っている王位継承権保持者の二人も若干つまらなそうに他のページを捲っている



当然だ



だって王立大学の教えている授業は自身達が大分前に学んだ内容



なんなら載っていた内容は覚えている



「……2日で覚えたなこれ」



「わかる……」



「俺なんて一時間……」



「「「………はぁ……」」」



リヴァストは漂いながら、これは駄目だな、と頭を抱える



だってもうダレ過ぎている



あと、教員は怒りたいが怒るにしても相手が王位継承権保持者で、教員よりも遥かに上の脳を持つ有名な教師に教えられている事実があり、イライラしていた



「お三方、それでは同時に王国の守護神様の名を」



「「「エテーナアロゥ様」」」



エテーナアロゥは16柱の全ての血を継ぐ唯一無二の存在だった



ただ、当時の16柱の遺伝子で作られた子供であった筈の彼女は、器が耐えられず【バタディーク王国】と隣国である【ロゥブルディーク王国】が2つに別れる前の国【バルディーク】が建国された翌年に亡くなり、そのエテーナアロゥが信頼を置いていた臣下【バティス・ノーツ】が国王の座を引き継いだ



エテーナアロゥはバルディークに莫大な富と栄光をもたらし、たくさんの精霊、聖獣、妖精、魔獣に愛され国を育んだ



そのエテーナアロゥの死を、国民全てが悲しみ、そして、彼女の遺体は今も聖獣、精霊達が護り、彼女の遺体からは国の為に働き続けているのか魔力が溢れ出し続けていて、いつ魔力が尽きるか分からない…



そして、そんなエテーナアロゥの死後5年が経って、バティスが子を成し兄弟が産まれ、その子供達が、元々領地が広く国全てに目が行き届かないからと話し合い、平和的に分かれたのが二つの国【バタディーク王国】と【ロゥブルディーク王国】



他国にしてみれば、こんな平和に国が分かれた例はないと評価されている国



しかも、現在も両国は仲が良く、治安も良い



闇の部分も無い事は無いが、取り締まりも厳しい、しかも、グスタークが産まれてから妖精たちが悪行を見過ごさず、悪を行うとしっぺ返しが大きいのだ



だから犯罪率も低い



それは、精霊、聖獣16柱の願いそのもので、グスタークに悪行を見せたくないがための選択だった



他国の治安がこの両国程になるには当分頑張る以外にない



リヴァスト曰く、グスタークの雰囲気はエテーナアロゥによく似ている



行動も似ているので子供が戻ってきたような感覚で嬉しいが、もう少し大人しくして欲しいのも願望だ



そんな所は似なくていいんだよ、とリヴァストに言われた時のグスタークは訳が分からずちょっと怒っていた



「よ、よろしい…」



教員は悔しそうに話しを終える



この面々に答えを間違わせる事なんてできる筈がない



知識量なら三人の方が上だ



「この後グスターク様何します?」



エディがそう話しかける



この後は授業は無いし、エディとカイウスは共に狩りに出かける予定



グスタークも誘う予定だった



「外出許可も漸く下りたし、なんか、【ラウデリッシュ】に行って欲しいって言われたので…」



「ああ、あの…」



カイウスは、教師の怒りの目を見た後、どうでもいいやとグスタークの言葉に眉を寄せてやめた方が…と言いたげな表情をす



ラウデリッシュは、一応は先進国で共和国であり、一応海産物が有名な国だったはず、とグスタークは過去に訪問したラウデリッシュを思い浮かべる



海もきれいで人も優しい…海産物は一級品で、食にうるさいハディレイも認める物



そんな国に何かがあったなんて未だに信じられない



「俺が寝てる間に何かありました?」



「まあ……………あの半年で、ラウデリッシュって疫病が蔓延してて…妖精や精霊達も見かけなくなって…魔獣が多いらしいけど…」



カイウスは、今のラウデリッシュの現状を伝える



疫病で、以前ほどの活気はない事



海は一時期、何があったかわからないが干上がりそうになった事



草木が今はもうほぼ生えてはいない事…



死んだ人間がスケルトンになったりして、まずいので教会へ頼んだが、その協会ですら穢れを祓えず、神官達が多数亡くなって、神父は今は二人ほど



シスターも殆ど床に伏してしまっている状況である事



それが相まって貧困が進み、バタディーク王国とロゥブルディーク王国、他にも数国が支援する事でどうにかなっている



それが無ければきっともう滅びていただろうから



「後、【星降り】があったとかで」



「流星群だの流れ星なら」



星降りとは災いの起こる前兆の事



それを見る事になった国は滅びるとされているので、極力空を見無いようにするし、見たいと思う人間は居ない



星降りの際に落ちてきた隕石は疫病を纏っている事があるので何となく原因はそれだろうなというのは想像に容易い



「いや…負の魔力付与の流星群なんて今までなかったでしょう…?」



「ああ…面倒事を俺に割り振ったな…」



グスタークは不機嫌になった



まあ今更撤回できないだろうし、多分下手に言うと外出許可を撤回されかねないので言い出しはしないが、帰ったら父と兄にいたずらでハディレイかウィルナスでも嗾けてやる、と決めた



「じゃあ、リヴァストと行くかな…ミーさんにはうまいこと言っといて」



「ええ…どやされるの俺達ですかぁ…?」



「よろしくぅ」



「貴方ねぇ…」



ヘルミーナの説教かぁ…と、カイウス、エディは当日のヘルミーナへの説明を恐々しながら考え始めたのだった



ちなみに授業中、三人の会話のせいで教室内の生徒たちは三人に釘付けで授業は散々であった…





エテーナアロゥさんの容姿はグスタークを女子にしたような見た目です

リヴァストにしてみたら子供が転生してきた気分でおてんば娘を思い出してハラハラしてます

レジムはエテーナには執着しなかったです

最初から最後まで親として育てていたのはリヴァスト、レティシアです

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