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#21 【終わり無き回廊】はやり過ぎでは………

仕事だぁ_:(´ω`」 ∠):_

『お待ちくださいませ皆様っ』



突如現れたレティシアに全員が呆気に取られた



『今はどのような話になっているのですか!?このような事をするよりもまずは話し合いましょうっ』



今更会話での解決なんて出来るはずがないのだ



レティシアは基本平和主義だから理解はできるのだが、そんな段階はとうに過ぎている



『レティシア、お前は下がってろ、話に入ってくるな』



『リヴっ私は誰にもっ』



『グスタは良いってのか!?』



『ちがっ違うのですっ』



リヴァストは欠けた腕を漸く再生して戻した



確かに争うことは宜しくないとは思う



だけど、だからと言ってグスタークを犠牲にして良いなんてことではないのだ



グスタークが如何にリヴァストにとって大切なのかは全員見を持ってわかったし、何より過保護すぎるのもわかってしまったので、それがあるだけに今は例え同じ16柱の同族、優しいレティシアでも受け入れられないことだった



『リヴ……』



『ねえ、話は終わりなの?暇だわぁ』



レティシアはレジムの手元を漂い足掻いているグスタークの魂を目に入れると、レジムに珍しく怒り始める



『レジム!私は何度もそういうことはお辞めくださいと言いましたし、アレク様の件でも散々言いましたよね!』



『シア、グスタは私のだもの、いつまでもリヴに貸してやるなんて、それに、リヴが居るとグスタ、私に会いに来てくれないんだもの』



『お前みたいな奴にグスタを会わせるなんざ誰がするかこのブスが!』



リヴァストは耐え切れず叫ぶ



『何よぉぅ!散々私のグスタを独り占めしておいて!』



『独り占らだぁ!?テメェがやってることを知ってたら誰だってお前には会わせようとしねぇわ!』



リヴァストは人型になってレジムの長い黒髪を切り落す



レジムはそれに目をスゥっと濁らせ、ようやく本気になったらしい



『リィィィヴ!!!』



『はっ!アレクとグスタに唯一褒められた髪を切り落とされて悲しいよなぁ!?そうだろうさ!けどお前がやってんのはそれと同じだボケが!』



リヴァストとレジム、二人がぶつかり二人の腕は消し飛んだ



それでも止まらず、再生を待つ間にもう片方の腕で殴り、腕を消し飛ばしても止まらない二人



レジムの住処を守る従魔達を兵士達が狩りながら、その光景を目に焼き付ける



16柱に数えられるもの同士の争い



住処はそれに耐えられるが、周囲に影響がないとは言っていない



周囲の従魔をも消し飛ばして戦う2体の精霊聖獣に誰も手が出せない



衝撃で怪我をするものも多く、ハディレイとヴォザークが不慣れな守護魔法を使って守るほどに、間に入れないほど激化していく2体に近寄る事なんてできない



レジムは瞳孔を開いて怒り狂いながら容赦なくリヴァストの身体を消し飛ばす



それでもリヴァストの再生力が上がりつつあることに気がついて、『なんでよ!何でこいつにばっかり!』そう叫ぶレジム



答えは決まっている



誰がリヴァストを援護し、そして再生しているのか



器から引きずり出されたグスタークの魂のせめてもの抗いだった



リヴァストは、再生した左腕でレジムの腹を殴った



血反吐を吐くレジムに追撃をやめないリヴァスト

それを今にも泣きそうになって、でも止められないという表情のレティシア



そんなレティシアをウィルナスが乱暴に後ろに引き摺って邪魔だと言う



ウィルナスは周囲になんだかんだで気を配りながら従魔を殲滅



ゴリアテも滅精砲の準備をして放とうとする



『お前らもいらない!』



普段の余裕はどこへやら



最早ただの駄々っ子だ



レジムは怒り狂って洗攻撃をして的はずれな方向へ攻撃が飛んでゆく



『リヴァストォォォ!』



ゴリアテが叫ぶとリヴァストはレジムの身体を捉えて締め上げてゴリアテの放った滅精砲がぎりぎり当たるか当たらないかと言うまでレジムを抑え込んで離脱



レジムの下半身は吹き飛んたが、そこはさすが静止を司る者



上半身を残して動いていた



見ていられるものでも無いのだが、今回ばかりは擁護なんて誰もできない



そして、殺せる、そう思った時、また周囲はその勢いを削がれた



「『ジレム』」



その場に居た全員が固まった



そして、その場に緊張が走る



あのジレムですら硬直し、震えている



「『ジレム、いい加減にしような』」



そこにいるはずの無いグスタークがジレムの辛うじて再生した腕を掴む



ジレムは自身が隠していたはずのグスタークの魂を見て、そこにないと気付く



『嘘よ!だって、魂だけで、肉の器が人間にはっ』



レジムの身体はどうにか再生したが、再生に体力を使われ過ぎて最早戦える状態ではないのだけは全員わかった



グスタークは指を上げて微笑む



その笑顔は冷え切っていた



「『僕の師匠はアレクだよ』」



グスタークは指を動かすと、先程まで優勢だったはずのジレムの身体が吹き飛んだ



「『ジレム、そもそも身体って、魂を収めるための肉塊でしかないんだよ?そもそも精霊は本来、肉を持たないでしょう?ならそれと一緒だよ………だけどさ、魂を傷付けられたら、幾ら精霊達でも…………』」



一部位は奪えるよね?と静かに、冷たい笑顔で言い放つグスタークに、全員が首を横に振った



なぜか、何かをするのだけは察しがついたし、それが、良くないことな気もしているから……



『ぃ、やだ、嫌よ!グスタもアレクも私のなの!私が守ればいい!私だけ!私だけを見て!』



「『駄目だね、足りないね、ジレム、頂戴』」



グスタークは自身の腕を変化させてジレムの片足と片腕を奪う



今度は、もう再生が間に合わなかった



「『ジレム、奪っていいのは、奪われても良いって思える存在だけなんだ、自分は奪ってもいいのに、どうして僕が奪わないなんて思った?』」



『お願い!お願い私を捨てないで!もう一人は嫌!』



それに他の16柱の面々は首を傾げたけれど、それはきっとグスタークとレジムにしか知り得ないことのような気がする



「『………………皆をあんなに怪我させて、凄いねジレム、自分は良いんだ?……俺からはアレクを奪っておいて、俺からはあの愛しい人を奪っておいて、自分の欲しいものを取られるのは嫌って、虫がいいね、逆に感心するよ、だけど、俺はジレムを捨てるよ?』」



『いやぁ!』



「『だって!お前はごめんなさいもできない無能だもんねぇ!?あっはは!面白っ!そんな必死なお前をはじめてみたよ!ガディンディアに捨てられたのも自分のせいなのに、ガディンディアが見限ったのも自分のせいなのに、あっはぁ!面白いね!面白いよジレムぅ!』」



『なあ、もしかしなくても、闇属性に入ってる?』



ハディレイがそうヴォザークにひそひそと声をかける



『闇属性だけども……それよりリヴァスト、腕、両腕引っ付けないとリアル15精霊聖獣柱になっちゃうんだ』



止めてきなよ、とヴォザークが言うが、リヴァストは目を伏せた



気を削がれ過ぎてもう動く気があまりなくなっている



『俺はこれ以上怪我したくねえ』



『役立たず!アレクの時だってお前の言う事しか聞かなかったのにな!』



そんなわちゃわちゃを尻目に、グスタークはジレムに引導を渡そうとしている



「『ねえジレム、俺の半分を奪っておいて、これはないよね、可笑しいよね、ならジレムも僕やアレクにしたように、僕に奪われて?ここで死ねば楽だもん、ね』」



『っおねがい!私殺されてもいいから一人にしないで!』



「『【終わり無き回廊】』」



グスタークがそう言うと、闇魔法の、基本そこまで酷いことがない限り使用してはいけない禁術である封印魔法の一つ【終わり無き回廊】を使う



流石のリヴァストも、それは不味いと思ったらしい



例え死んだとしても、ジレムの場合は精神体になれるので問題ないはずだが【終わり無き回廊】に関しては封印されると魔力も外には届かないので、ジレムの仕事が滞る上に、世界の均衡が崩れかねない



『!グスタやめろ!洒落にならん!』



「『ジレム、ごめんなさいってちゃぁんと【終わり無き回廊】から聞こえてきたら出してあげる、言えたらね、届かなきゃ放置するだけだから、じゃあね』」



ばいばい、と笑顔で言い放つと、ジレムをグスタークは押してジレムは慌ててグスタークに手を伸ばし叫んだが、終始グスタークは笑顔で手を振るのみ



そして、回廊の扉はジレムの泣き言を漏らしもせずに大きな音を立てて閉まる



回廊の扉が消えると、グスタークはリヴァストへ歩み寄る



「『いくら相性が悪いからって、僕の事ふっ飛ばした君がズタボロって、手でも抜いた?え?もしかして本当にジレムに僕の魂売ったの?だとしたら君も回廊にぶち込むよリヴ』」



『お前はジレム以外に当たり散らすなや!お前がとっ捕まったんだろうが!』



「『………まあ、それもそうか』」



そうやって後ろを振り返ろうとすると、何故かそのままグスタークはリヴァストの頬を殴った



バキッという鈍い音が響いて、リヴァストは硬直したと同時に、思い出した



『テメェ!アレク!今本気で殴ったな!グスタークの腕が折れるわ怪力ババア!』



〖あらやだバレた〗



『姿形で騙されたけど魂の匂いが違ったわ!本物のグスタはもう身体に戻ってんだろ!』



〖んー、けど、回廊を出したのも、ジレムに説教して泣かせたのも、それはグスタよ〗



『……………全部お前だったらなぁ』



リヴァストの心からの言葉にアレクは苦笑する



何だかんだでアレクとグスタークならまだアレクの方が優しいことが判明して16柱の面々は震えた



グスタークは優しいが沸点を超えるとこうなるだけだ



〖あたしはあそこまでエグエグしてないわよ……まあ、グスタがあたし大好きなのは良いんだけどね、いい加減、他の女の子にも目を向けてあげて欲しいわね、結構縁の力って繋がってるものなのよ……〗



グスタークの姿で女みたいなことするな、と言いつつ、リヴァストもそれは確かになぁ、と頭を抱えている



『お前との縁の力は墓に入っても繋がってるのにな』



他のは視線と切り落とすんだよなあいつ、とリヴァストは溜息を付く



〖それは仕方ないわよ、あたし、精霊になっちゃったんだもの〗



だから当面はレジムの代わりしてるわね、と笑顔で言い放つ、見た目グスターク?中身アレクのその精霊化した彼女に、人間も、精霊、聖獣全員が誰もが硬直した



『は?』



『『ええええ!?』』



そしてアルブエスト、リヴァストは卒倒しかけたのであった……………









レジムさん、退場!

アレクさんは元々魂を浄化することに長けている人です

それもあってジレムに目を付けられて亡くなりましたが、色々、グスタークがそもそもやらかしましたが割愛

当人、色々迷って精霊となりました

アレクには元々素質ありました

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