#19 信じてまつよ………
体調不良起こしまくって…
『おいルーシス』
集合の日、その場所にはたくさんの兵士、魔導士達が揃っていて、聖獣達は「グスタってこんな慕われるような子供だっただろうか…?」と
誰からも離れて過ごし、好かれるとは程遠い生活を送っていたのに
そりゃあ、怖いもの見たさもあるんだろう
だけど、それ以上にグスタークは知らず知らずの内にきっと人の役に立っていたんだろう
ただリヴァスト達の記憶にはそんなグスタークは居ないけれど
基本、グスタークの性格は世捨て人になりたいマンである
と、まあ、そんなこっちゃいいのである
「?はい」
ルーシスは首を傾げる
リヴァストは後ろに居る見覚えのある面々を目に入れていく
『なんでアリスもいるんだ』
「行くと言って聞かなくて」
『じゃあ後ろのリフィターニャの娘がいるのは』
「あー、実は自身で今回は志願したそうですよ」
『そんな奴いるんだな……』
「大体そうみたいですけれどね」
ルーシスが後ろを振り返ると、見慣れた顔もいれば、初めて見るな、という顔もいるけれど、それでも全員が覚悟を決めている表情をしている
嗚呼、そうか、下町の貧しい生活をしていた者達もいるのか、と、以前グスタークの行った次期国王候補の寮からの卒業課題で下町の改革を行った際に見た顔だ、とリヴァストは思い出す
よくここまで集まったものだとハディレイも感心している
話はどうであれこんなに集まるなんて思わなかったのだ
『………ナタリシア』
リヴァストは外に出てきたナタリシアの頭を撫でる
なんだかんだで甘やかしているリヴァストと甘やかされているナタリシアがグスタークの好きな光景だ
『なぁに?』
『レジムの所まで転送出来るか?アイツに頼るのは癪だが、流石に先に魔力消費して行きたくねえ』
『………多分できる、でもいいの?』
グスタークは助けたい…だが、レジムと会うのはやめて欲しいのがナタリシアの本音
だが、リヴァストにまた失うなんて言う選択肢はない
二度とごめんである
『一気に行くほうがいいだろ、頼む』
『……うん、ナタリ、グスタのこと護ってるね』
『ああ』
ナタリシアは立ち上がって魔力を集める
リヴァストは気を再度引き締めて数歩下がる
ナタリシアは口を静かに開く
『《我、刻を司るニールへ願う》』
『テメェら!行くぞ!』
リヴァストのその声に聖獣、精霊達が殺気を出し始める
あの質の悪いレジムの元へ行くのだからそうなる
もう失いたくないと全員の気持ちは同じだから
『《我等の真なる敵の元へかの者達を誘い給え》!』
『ナタリシア!グスタークの事は任せた!』
『うん、行ってらっしゃい、生きて、戻ってきてね』
『当たり前だ』
ナタリシアは全員を見届けてすぐにグスタークの居る部屋へ戻っていった
リヴァストならきっと大丈夫だとナタリシアは不安を感じつつも信じて待つことを選んだのだから